投資とギャンブルの違いとは【2】

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どのような安全性の高い投資であろうと、自分の選択一つで
ただのギャンブルになってしまう。

例えば最も安全な投資対象の一つとしては、金(ゴールド)が
有名です。世界で金融危機が起こるたびに金相場は高騰します。

だからといって手持ちの現金を全て金(ゴールド)へ変えれば
必ず儲かるかというと、そんなことはあり得ないですよね?

 

実際、昨年前半には高騰していた金相場が大暴落しました。
金相場にバブルが発生していたんです。

金相場の上昇に限界が来ていて、下落した時の損失幅の方が大きく
リスクがリターンよりも高まってしまっていた状態にも関わらず、
金(ゴールド)を買うことは、ギャンブルです。

金(ゴールド)は儲かると思って興奮して買い漁っていた人は、
大損してしまったことでしょう。彼らはバブル経済が生み出した
ギャンブルに酔っていたに過ぎません。

 

不動産投資でも同じことは起こり得ます。それも不動産は人の
生活と密接に関わっていますから、時の流れと共に姿かたちを
変化させながら。

では、不動産投資をギャンブルにさせないためには、どうしたら
いいのでしょうか?

裏ドラ期待はちょっと勝ち目が薄くありませんか?

不動産の短期譲渡は制約が多い

答えは前回お伝えした定義から考えれば簡単です。

投資とはリスクよりもリターンの方が大きなものである。

要するに、期待値として失敗した時に失う可能性のある金額よりも、
成功した時に得られる金額が大きいものを投資対象として選べばいい。

 

といっても、株式などと異なり不動産投資での損得を明確な数字として
算出するのは相当に難しいのが本当のところ。

株や為替取引のようにいくらで売却して利益確定、いくらで損切り、
と事前に計画を立てて取引を行うことは困難極まります。

それは不動産の短期売買にいくつかの強力な制約が付けられていること、
長期的な不動産価格の変動を予測するのはまず不可能であること
理由として挙げられます。

 

短期売買の制約について

不動産取引には法律上の制約があります。いわゆる土地転がしを
抑制するための法律です。

まず、短期売買(取得後5年以下)をした場合、不動産の売却益、
譲渡所得に大きな課税がされることになります。その税率は39%。
内訳は所得税30%、住民税9%です。

ちなみに5年を超えると20%(所得税15%、住民税5%)なので、
納税額は倍近く差がつくことが分かります。

 

また、不動産の短期売買には法的な制限もあります。

事業として不動産売買を行うには宅地建物取引主任者を設置し、
重要事項の説明など宅建主任者の独占業務を行う決まり。

個人で売買が許されているのは個人レベルの売買のみ。
明確な線はありませんが、だいたい年1棟までとか。

短期で繰り返し売買をすることは事業的とされ、禁じられています。

 

値上がり期待と収益期待、どちらが確実か

ではどうするかというと、これも答えは簡単です。
不動産価格の値上がりは考慮しない。

売却益はあくまでオマケであり、出たらラッキー程度に考えましょう。
購入時に売却時の値上がりを期待するなんて愚の骨頂です。

日本人の不動産、特に建物に対する価値観は、新しいほど価値が高い
という概念に縛られています。最近になってそれを変えようと国にも
動きが出ていますが、何年要することか。

 

そうなると、土地価格の上昇に頼るしかありませんが、その土地価格も
不動産バブル崩壊以後、ずっと低迷しています。

最近になって一部でようやく都市部の一部で地価が上昇を始めましたが、
そのような土地は価格があまりにも高過ぎて個人で投資をするのは
資金的に困難。

今後も消費税増税、中国のシャドーバンキング問題、ウクライナ情勢など
下振れするネタにはこと欠きません。そんな中で今後も日本全体へ地価の
上昇が波及することに賭けるのは分が悪い、いわばギャンブルです。

 

しかし売却益がゼロでも最終益がプラスとなるなら、
そんな悩みはほとんど解決します。

売却益がゼロの計算で購入した収益不動産が最終的に損失を出すのは、
予想以上に売却額が低かった時か、経営が上手くいかなかった時のみ。

不動産価格が高騰しない限り利益が出ない物件よりもよっぽど
勝率は高いことでしょう。

 

神に祈ることのない不動産投資を

場合によっては最初から売却損を覚悟していたり、売ることを全く
考えずに購入することもあるかと思います。

それはそれで構わないと僕は考えています。

その分だけ収益性の高い物件を選択したり、相続まで見越して
土地の力が強い物件を選択したりするならば。

 

一言でいえば、根拠を具体的な数字やリサーチの結果として表せる
確実性の高い投資をしましょう、ということです。

市況の雰囲気に流され根拠のない自信を持つのはギャンブル的な思考。
不動産投資でなく、不動産ギャンブルになってしまいます。

それなら偶然にも短期的に結果の出る可能性のある賭け事や
株、FXなどの方がよほどいい。

 

不動産投資はギャンブルになってはやっていけません。
運の良さなんて時の流れが吹き飛ばしてしまうもの。

勝率の高い物件探しをして下さい。
そのポイントは、しっかりと数字を出すことです。

 

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    • しん
    • 2014年 3月9日

    今回の記事とても面白かったです。

    FXなど先物は本当はリスクヘッジの為にあるんですが皆それを忘れてます。
    私は、結果に直接関われるものを投資として頑張っています。
    キャピタルゲインも狙います。
    ただし神に祈るのでなく、自分の努力で価値をあげて、それが叶わない時は、長期保有でインカムゲインも入る算段をしてリスク管理します。
    短期譲渡税対策は法人作りました。
    宅建業でなく、賃貸業として、その過程で売買します。
    いろんな考えやり方があり面白いです。
    >2年で2棟53戸の所有者が尊敬に値しない理由
    読みました。
    借り換え、繰り上げ返済素晴らしい選択ですね。
    きりのきさまの場合、今のサラリーも高く、将来のための投資なのでしょうし、1番のリスクは金利変動ですから。
    素晴らしい判断ですね。

      • きりのき
      • 2014年 3月10日

      しん さん

      ありがとうございます。面白かったといわれると大変嬉しいです。

      そうですね、結果に関われる結果としてリターンを大きくできるなら
      投資といっていいと思います。逆もまたありきで。

      資金が多くなるとその分抜け道を多く利用できるようになるのが、
      不動産投資の良いところですね。僕も早いところ、より自由度の高い
      投資ができるようになりたいものです。

    • しん
    • 2014年 3月10日

    返信有難うございます。

    >そうですね、結果に関われる結果としてリターンを大きくできるなら
    投資といっていいと思います。逆もまたありきで。

    そうですね。その比率が高くなれば、今度は宅建業の事業になるのでしょうが。

    >資金が多くなるとその分抜け道を多く利用できるようになるのが、
    不動産投資の良いところですね。僕も早いところ、より自由度の高い
    投資ができるようになりたいものです。

    それは資金の多寡では決まりませんよ。
    投資スタイルや工夫の仕様だと思います。
    今一番抜け道を多く使い、自由な投資をしておられるのは、巷で有名な廃墟不動産投資家さんではないでしょうか?
    彼はほとんど融資を受けず、少ない資本を投下して収益を上げ、自由な投資を楽しんでおられます。
    私は、彼よりははるかに窮屈ですが、低利で固定で融資を受けています。
    それで、自分の好きな不動産を買って、いじくり回しているわけです。

    きりのきさんの投資スタイルだと、金利の固定化や低減はキャッシュフローや収益にインパクトが大きいいので、借り換え成功されることを祈っています。
    これはきりのきさんにとっては、一番結果に関われることの一つでしょうね。
    頑張って、工夫して、勝ち取ってください。
    応援しています。

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2014年4月不動産投資を始める際に最も重要なリスクヘッジの仕方。

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