不動産投資の成否は属性に依存しない。本質の理解を徹底すべき。

この記事は3分で読めます

いつも応援ありがとうございます。



 

個人の属性が高ければ高いほど不動産投資に有利であると思われがちですが、
一概にそうとは言い切れない面が複数あると僕は思います。

確かに属性が良いと融資を引きやすく、またその限度額も大きくなります。
しかし、ただそれだけです。

 

「融資を引き出す力」は、不動産投資のほんの一要素でしかありません。

融資を受けることが取っ掛かりとなるため、悩みを抱える方が多く、その分
スポットライトが当てられてしまっているのだと思いますが。

個人属性が良くて融資を引き出しやすいことは、僕には成否を分けるほどの
メリットとなっているとは感じません。

うまく利用することで強力な武器になることは否定しませんが。

 

逆に個人属性が良いばかりに、特に不動産投資初心者のころは多くの勘違いを
抱えてしまって知らず知らずのうちに窮地に陥ってしまうことがあります。

クレジットカードもかつてはステータスといわれていましたが。

高属性は過大評価される

よく言われるのは、逆に属性が良いことでいまひとつの物件であっても融資が
出てしまうために、本来は買ってはいけない物件が買えてしまう。

いくら属性が良いといってもたかだか年収1000万~2000万円程度の範囲だと、
1億円、2億円の借金をぽんと返せるほどの資金はそう簡単に用意できません。

初期費用やら融資に当たって注入した自己資金分やらで金融資産は大きく目減り
しているでしょうからその分も補填をしなければいけないし、余剰資金を作るに
結構な年数が掛かってしまいます。

 

そんな中、利回りが悪い物件の入居率が低くなってしまったらどうでしょうか。
たちまち返済資金に困ることになります。

そこへ想定外の修繕費がやってくるもの。広いテナントの内装を一から修繕を
するとなると、相当な金額が掛かってしまう。

買ってはいけない物件は購入して数年のうちにこれらのトラブルがまとめて
やってくるもの。前述に挙げた程度の属性では、あっという間に破綻です。

 

結局のところこれは「レバレッジの掛けすぎ」に過ぎないのですが、なぜこんな
ことが起きるのかというと金融機関の個人属性に対する過大評価にあります。

どこそこの銀行では年収の20倍まで融資を受けられるらしいとか、そんな話が
そこはかとなく出回っていますが、多くは真実ではありません。

金融機関はそんな単純計算で見ていないのが実情です。

 

簡単に言うと、金融機関が個人属性を評価して融資限度額を決定する際は、属性が
向上するごとに掛けられるレバレッジも上がっていく傾向がある。

例えば前述の20倍が部分的に真実だとすると、年収500万円で1億円まで借りることが
できます。これが年収2000万円だとどうかといわれると、4億円を超えて借りることが
可能となっていたりする。

逆に年収1000万円の人が2億円の収益不動産を購入できても、年収500万円の人が
1億円の収益不動産を購入する資金を融資してくれるとは限らない。

 

金融機関は、個人属性がある程度以上になるとその評価を「過大に」評価している。
意図的なのかどうかは分かりませんが。

現実とのギャップがレバレッジの掛けすぎに繋がってしまっていると僕は推測します。

 

恵まれた環境が目を曇らせる

他にも、属性の良い方が明確に不利な点があります。
自分自身が恵まれすぎていることです。

子供の頃から高層マンションでしか生活をしたことがないような場合、
ある勘違いをしてしまいます。

「エレベーターが無いと大変で誰も入居してくれないだろう」
「オートロックが無いと不安で誰も入居してくれないだろう」
「古い木造アパートなんて空室だらけになってしまうはずだ」

 

自分自身が恵まれた環境で育ち過ぎていると、このような思い込みを生じて
しまい、選択肢を狭めてしまう。

実際は、空室の問題さえ解消してしまえばエレベーター、オートロック等と
いったものは無い方が利益率は上昇します。

電子機器系は電気代も掛かるし、点検費用、修繕費用も高額。

 

サラリーマンが個人レベルで所有できる賃貸用不動産は高級とは言えない
部類のものが多く、ましてや築古になればなるほど入居者は価格を気にします。

空室のことを考えても、もしかしたらエレベーター、オートロックの無い
代わりに家賃が安い物件の方がいいかもしれません。

ターゲット層にもよりますので一概には決めつけられませんが、視野を広く
持つことができた方が有利なのは確実です。

 

僕の妻は恵まれて育ったという程でもありませんでしたが、女性らしく
なるべく綺麗で広く、安全なところがなんてイメージがあったようで、
1棟目の共用部の狭さ等々、色々と気になる部分があったようでした。

しかし結果として良い利回りでしっかりと回っていますので、そこは妥協して
購入したことは間違っていなかったことになります。

視野狭窄を起こしていたら今の僕はいなかった、と。

 

不動産投資家の本分は事業家であること

属性が高くても低くても、成功する人は成功している。
それが不動産投資です。

属性が高い方は本当に「丸投げ」をする人が多く、自ら進んで市場の養分と
なろうとされている方が数多い。

 

現実を知り、地に足をついて一つずつ階段を登れば、属性に関わらず成功を
する確率は遥かに高いもの。

属性が高い方は自分を戒めて世間を知り、属性が低い方は卑屈にならず
一歩一歩登る足を止めずに前進すべき、僕はそう思います。

 

宜しければブログランキングも応援クリックお願いします。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

  1. いつの間にかコンピュータにすっかり支配されていますね。
  2. ビジネスが短命に終わる3つの理由
  3. 20130312-133011.jpg
  4. 専門の仕事に全力で取り組む姿勢こそ信用を生みます。
  5. 時間とお金、どちらが大切でしょうか?
  6. 路線価の上昇は嬉しいはずなのに複雑な気分ですね。
  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

このサイトについて

不動産投資を中心に、金融・経済、そしてビジネスについてコラムを書いています。

きりのきについて


人気ブログランキング参加中です。お楽しみ頂けたら応援お願い致します。



楽待不動産投資新聞様にて時々コラムを書かせて頂いております。

2014年4月不動産投資を始める際に最も重要なリスクヘッジの仕方。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る