借金を背負うという事を一歩冷静に考える【2】

この記事は3分で読めます

いつも応援ありがとうございます。



 

続きです。
前回:借金を背負うという事を一歩冷静に考える【1】

借金について考えるなら財務諸表をよく読んで検討するべきである、との
話の続きです。

まずは貸借対照表を作成し、自己資本率がどの程度となるかは重要な指標
の一つである、特に融資総額を検討するならば、健全な経営の為には軽視
してはいけない部分です。

 

が、自己資本率にこだわり過ぎると不動産投資では安定はしても資金効率
が非常に悪くなります。どう頑張っても稼ぎの限界が見えていますので、
投資資本を現金の形で回収するだけでも年単位。

お金が有り余っているのであれば推奨しますが、サラリーマンでは資本と
する為のお金を集めるだけでも10年単位の年月を必要とします。

大きな利益を出す為には多少のリスクも取らなければいけない事もある。
肝心なのは、財務諸表を見てどのようなリスクであれば抱え込めるのかを
明確にすること、です。

自己資本率は不動産投資において、比較的リスクとして受け入れやすく、
解消もしやすい。

不動産そのものが評価額が底堅く比較的換金もしやすいのがその理由で。

 

資産は流動資産と固定資産に分けられ、不動産は後者の固定資産に分類
されますが、流動資産ほど瞬間的に換金はできないし、信用度も現金や
日本国債ほどでもありません。

しかし変動リスクなども含めるとそれ以外では極めてバランスの取れた
資産に不動産が挙げられるのは間違いなく。その高い信頼性、換金性は
自己資本率の低下を受け止める強さがある。

 

そして最初は自己資本率が低くとも、経営を通じて少しずつでも高めて
いけるならばリスクは年々低下していきます。

他から収入を得ているならその収入も資本として後々注入をするという
選択肢もありますので、比較的簡単な努力による解決が可能である点も
抱えるリスクのうちでは悪くないと感じます。

他の財務諸表上の条件が合うようであれば、一時的な自己資本率の低下
は目を瞑るのもアリではないでしょうか。

こんな間違いを犯してしまわないように。

キャッシュフローが大事な理由

ではその条件とは何かとの話になりますが、それが収益性の話に繋がる
のは想像に難くないと思います。

貸借対照表から自己資本率を割り出すには、資本を総資本で割ればいい
との話でした。

つまり、自己資本率の低さを解消するには資本の割合を増やせば良い
というのはすぐに分かるでしょう。

 

その為には、返済をして負債を縮小するか資金を投じて資本を拡大する
かのどちらかとなります。

負債の縮小は元本返済を通じて自動的に進みます。また、繰上げ返済に
よって更にそれを進める事ができます。また、手持ちの現金が増えれば
資本が増加したと考えることも可能です。

 

自然な時間の経過だけでも、ある程度これは達成されます。返済は毎月
進みますし、サラリーマンであれば毎月給料を頂きますよね。

ただ、融資の組み方によってはそれだけでは物足りない、自己資本率が
リスクのない安全領域まで辿り着くのにえらい時間が掛かり、それまで
に緊急事態が起こる可能性を高めてしまうかもしれない。

そこで必要なのが何かといわれれば、もうお分かりではないでしょうか。

 

そう、キャッシュフローです。十分な現金収支上のプラスが得られれば
負債額の縮小も、資本の増加もどちらも強力に推進できるし、その速度
の調整も容易くなる。

財務諸表のうち、貸借対照表とともにチェックをいれるべきが、経営の
状態を強く表す「収支計算書」になります。

 

貸借対照表(B/S)と収支計算書(P/L)が二つセットで語られることの
多い理由は、経営状態を理解する上で密接に関わっているから。

また、収益不動産を購入する際にキャッシュフローが重要である、との
意見が強く出るのもこういった観点からのものです。

 

怖くない借金をすべし

借金について熟考するなら、貸借対照表と収支計算書の二つを、実際に
購入したと思って書いてみるのが極めて効果的です。

収支計算書については入居率などによって数字が変わりますが、そこは
リスクの割合を何パターンか用意していくつか書くと雰囲気を掴み易い
と思います。

 

よく不動産投資関連の書籍で書かれている物件購入基準を決定付ける為
の簡易的な計算式は、貸借対照表と収支計算書を作るのが面倒で分かり
にくいために擬似的にやっているだけですね。

もし簡易式で感覚が掴めなければ、しっかりしたものを作って経験から
学んでいく方が確実です。

 

細かい話を突き詰めていくと、金利や毎月の元本返済額のバランスなど
もどのくらいが無理がないのか、どのような状況ではリスクが高いのか
が直感的に理解できるようになっていくのではないかな、と。

僕が実践した時は簡易式の方でやりましたので(その頃はまだ財務諸表
の重要性について理解をしておりませんでした)、不正確な事をやって
きた人間に面倒な内容を言われたくないとは思うのですが。

これまで4年近くやってきた中での反省点であり、その辺を組んで頂くと
より僕の書く記事もお役に立てるのではないかと思います。

 

借金について、財務諸表という観点から僕の理解する内容を書きました。

簿記検定も何も持っていませんので間違っている部分がないか不安では
ありますが、話の筋道としてはシンプルなものとなっているのでは、と
考えていますけれども、いかがでしょうか。

借金が怖い方、またどんな物件を購入すればいいのか分からない方は、
この辺りの内容を少し学んでみると、心持ちも変わって、行動に繋がる
かもしれません。

 

宜しければブログランキングも応援クリックお願いします。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

  1. 自由になるお金がたくさんあれば安全なのですが。
  2. 金利交渉がうまくいくかどうかは貴方次第。
  3. 3回目です。今度こそチャンスを逃さぬように。
  4. 今の日本を形作った金融制度を補佐する機関、それが日本政策金融公庫です。
  5. ノンバンクだからこそより厳しい視線が浴びせられます。
  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

このサイトについて

不動産投資を中心に、金融・経済、そしてビジネスについてコラムを書いています。

きりのきについて


人気ブログランキング参加中です。お楽しみ頂けたら応援お願い致します。



楽待不動産投資新聞様にて時々コラムを書かせて頂いております。

2014年4月不動産投資を始める際に最も重要なリスクヘッジの仕方。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る