健全な経営状態の維持こそが利益拡大の第一歩

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健全な経営状態とはどのようなものか。

これは非常に重要な話で。健全な経営とは何かを理解していないと後で
大変苦しむ羽目になる可能性があります。

 

投資家視点で考える健全性と経営者視点で考える健全性とは、また一風
違ったものであるのかもしれません。

が、往々にして、経営者視点の健全性とは、実は非常に危うい、薄氷の
上で踊っているかのようなものであるケースが多いように思います。

 

投資家は正直です。何しろ、数字しか見ていません。数字から健全経営
であるかどうかを判断するのは容易い話。

個々人で差は出てくるとは思いますが、基準を用意して、基準に適した
企業は健全、はみ出た企業は要注意、大きく逸脱した企業は危険である、
と機械的に判断すればいいのですから。

実際にそれは行われていて、金融機関などは取引先(融資先)の企業が
どうであるかは、金融庁発行の金融検査マニュアルに従って分類をして
います。

金融検査マニュアル上は、財務内容により5段階評価となっていますね。
とはいっても優良かどうか、ではなく正常か破綻の可能性があるか、の
分類です。

正常先、要注意先、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先、の5段階です。
これは結構厳しい評価で、「正常先」以外は健全ではない、とされます。

 

経営者が金融機関が融資をしてくれないと嘆くのは健全性に対する感覚
のギャップによるもの。

経営者自身は健全経営をしている、と思っていても、投資家である金融
機関は健全ではない、と判断しているということです。

もしも正常先に分類されている取引先企業が、健全な融資の申し込みを
してきたのであれば、金融機関は喜んで融資をしてくれるでしょう。

 

経営者も投資家目線を持ち、自身の企業を財務内容から評価できるよう
にならなければ、厳しい未来が待っているかもしれません。

静かなときもあれば荒れるときもある。

安定経営は永続しない

経営者の陥りやすい罠として、しばらく安定的に収入が得られていると
それがあたかも永続的に続くとの幻想を抱いてしまう点があります。

収益不動産を購入しました、無事満室になりました。1年間トラブルも
なく過ごし、着々と利益が積み上がって口座には大金が残っています。

順風満帆な状況です。が、本当にこれが何年も続くかというとその期待
は早晩崩れ去るはずです。

 

退去は必ず発生しますし、修繕は必要になります。時に修繕費がかさみ
入金額が返済分に足りなくなる月も出てくるでしょう。

僕も何度かありました。といっても購入直後のガラガラ物件に、大量の
入居者を一気に入れたとか、水道ポンプの交換工事をしたとかの特別な
状況ですが。

 

ただ、早い段階でそのような事態に陥ったのは、幸運ともいえます。

世の中そんなに都合のいい話はないと、早々に悟れたのですから。

 

非常に順調な状況が何年か続き、慢心をしてしまうのが最も恐ろしい。
「もしかして」を忘れ、お金を投資に突っ込みすぎたり、無駄に消費を
してしまったタイミングでトラブルが発生したら。

偶然にも入居者がいっせいに退去を始めてしまったり、漏水により多額
の修繕費用、賠償費用が発生してしまったり。

苦しくなるのは一瞬です。

 

もちろんそれまで健全経営をしてきたのであれば、融資を受けられない
事はないと思います。これまで順調に返済をしてきて、融資の申し込み
に納得のできる明確な理由があるなら、貸し渋りはされないでしょう。

ですがそこで訝しがられ、その後の経営建て直しに手間取って財務状況
がやや悪化し、「要注意先」にでもランク付けされてしまったら。

次にトラブルが発生したらアウト、です。不幸というものは重なり易く、
ありえない話ではありません。不動産投資における破綻話のほとんどは
トラブル多発による現金不足、融資不可案件と思います。

 

血液循環を維持しましょう

今は経営が順調でも、常に「少しずつは売り上げが落ちていってしまう
だろう」との観点で事業に臨むことをお勧めします。

世の中、自分が中心ではありません。環境は変化するもので、自然災害
だけでなく人災も起これば、政治的にも急に間逆となったりします。

金融機関の態度も、問題がなくても急に引き締められるなんてしばしば
ある話。現在も、不動産に偏った融資をしていた金融機関が金融庁から
睨まれ、融資を引き締めざるを得なくなっています。

 

流動的に動かせるお金は企業にとって血液のようなもの。

有り余っているのは勿体ないですが、少なくなりすぎると輸血が必要と
なります。しかしその輸血は、日ごろから健康に気を配っていると評価
をされていないともらえません。

倒産理由のほとんどは失血死。十分な流動資金が賄えなくなった時です。

 

融資を受けられなくなってから、健全性により気を遣うべきであった、
なんて思っても遅すぎます。

自分の技量なら、手持ちの物件の立地なら多少の困難は跳ね除けられる、
そういった自信を持って経営に当たるのは結構な事ですし経営者として
必要な態度であると思います。

が、それとともに財務内容の客観的健全性が維持できなければ、ほんの
少しうまくいかなかっただけで致命傷を被る結果となりかねない。

 

自己評価を高く持ちすぎず、客観的に健全であるかどうか、調子の悪い
時が来てもそれを難なくクリアする余裕を持っているか、数字上で自信
を持って示せるようになるべきと思います。

不動産投資の着地点、事業の着地点として、僕はそれらを一つの指標と
するよう心掛けています。

 

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