おまかせ不動産投資のもう一つの形、REITについて

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私たち不動産投資家、いえ不動産賃貸事業者にとって不動産投資というと
収益不動産を購入してそれを貸し出すことで利益を得ること、です。

投資というよりはビジネスですね。何度も繰り返していることですが。

 

この「不動産賃貸業」の欠点といえば、多額の自己資金を必要とすること、
融資を受ける必要があること、修繕費など何かと経費が掛かること、経営
にそれなりの手間隙を掛けなければいけないこと、などです。

そして最大の問題は、稼ぎが出るまでにいくつもの壁をクリアしなければ
ならないことです。

まず十分な利回りの得られる収益不動産を探し、実際に購入をする。融資
が必要ならば金融機関を説き伏せる。修繕を行うなど魅力ある部屋作り、
価格設定をする。最終的に満室を目指し、維持する。

これらを何年も継続し、最終的になるべく高い金額での売却が行われて、
ようやく利益が確定します。

どこかで一度でもこければ利益なんて簡単に吹き飛びます。最悪借金だけ
残ってしまう事態すら起こりえないことではない。

それなりにリスキーなことをやっているんですよね。ですから大きく成功
をした人は悠々自適な生活ができる、と。

ハイリスク・ハイリターンです。実際に携わっている者からすればそれ程
リスクは高くありませんし、リターンもそんなに大きくないですが。

ただ少なくとも世間一般の評価はハイリスク・ハイリターンの投資である
のは間違いないでしょう。その印象があるために二の足を踏んでいる方は
少なくないのではないでしょうか。

 

そんな方は、REITを購入してみるのもいいかもしれません。

融資を受けずに小額でも始められる。REITのメリットです。

不動産市場における株式のような存在であるREIT

REIT(リート)とは不動産に対する投資信託。投資法人が投資家から資金
を募って、その資金を元手に収益不動産を購入・運用し、利益を投資家へ
分配金として還元する仕組みです。

感覚的には企業の株を購入して配当金を受け取っているのと似ています。
似ているというか、ほとんど同じといってもいいかもしれません。

投資法人の税制が少し違っていたり、収益の多くが分配金として投資家へ
還元されるために株式の配当よりもインカムゲインの割合が高いことなど
が株式投資と異なる部分でしょうか。

 

それでも投資対象は不動産、です。収益不動産を共同購入しているような
イメージに近いかもしれません。

都心駅前のマンションや商業ビルなんて個人不動産投資家ではそう簡単に
購入できるものではありませんが、REITならば証券を購入することで手軽
に投資へ参加できます。

手持ち資金を一つのマンションへすべて投じるのではなく、リスク分散の
ためにいくつか投資先を分けることもできます。

購入も売却も、実際に不動産を売買するよりもずっと簡単で、掛かる時間
も費用も比べ物になりません。

 

あたかも株を購入するような感覚で不動産投資をすることができる。
それがREIT、Real Estate Investment Trustです。

日本におけるREITは『J-REIT』と名づけられています。

収益不動産の将来に投資価値を感じているのならば、REITは小額で運用を
することもできますしサラリーマンの資産運用としては非常に投資し易い
ものではないでしょうか。

 

安定した利回りを期待する方向け

もちろん利回りという点において、REITは一棟物件のそれを越えることは
できません。

もしREITの方が利回りまでいいのならば誰もが面倒でリスクのある不動産
の売買をせず、REITへと投資をするでしょう。

税金もREITの分配金は配当扱いであり総合課税の対象ですから、経費計上
が可能な「事業」である不動産賃貸業はリスクに見合ったベネフィットを
持ち合わせているといえます。

 

REITのメリットはその手間の少なさと投資金額の自由度、及び投資先物件
の自由度の高さにあります。

区分マンションや戸建てへの投資は手間の割に利益が少ない、かといって
一棟物件は金額が大き過ぎて不安、融資を受けるのも怖い、と思っている
方にとっては悪くない選択肢です。

都心の物件なども購入しやすく、今のようなインフレに向かっている時代
ならばキャピタルゲインを狙うことで株式投資と同じように大きな利益を
得ることも期待できます。

 

キャピタルゲインを狙うなら株式でいいじゃないか、との声が上がるかも
しれませんが、株式ほど値幅が大きくありませんから腰を据えてじっくり
投資と向き合うことができます。

暇があったらチャートを見てしまうとか、一日中値動きが気になって夜も
眠れなくなってしまうようなタイプの方にはREITの方が冷静に徹すること
ができていいかもしれません。

 

不動産賃貸事業を現時点で行っている不動産投資家にも実はお勧めです。
分散投資をするには有力な候補ですし、慣れている不動産の評価をする
ならばさほどの手間にもなりません。

所有不動産から得られた利益の再投資先がすぐに見つからない時などに、
REITから運用益が得られれば資産の増加速度はそれだけ加速します。

もちろん損失を出す可能性もありますので、あまりにも軽い気持ちで手を
出すことは勧められませんが……。

 

ただ、なかなかに収益不動産の現物が買いにくい時代の今。

REITを投資先のいち候補として検討するのは決して悪い選択肢ではない
ように思えます。

 

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