空き家の増加で深刻なのは地方ではなく。

この記事は3分で読めます

いつも応援ありがとうございます。



 

昨今は空き家の増加が声高に騒がれていますね。

それはそうです。日本の総人口が減少していくのは、このままでは
決定的であって、住居というのは住む住人がいてこそ埋まるのです
から。

需要がなくなっても、既に建設された建物が自然と減っていったり
はしません。その差が空き家となっていきます。

 

空き家問題、一番最初に発生するのは地方だと思われます。地方は
高齢化も著しいですが、それ以上に若年層の減少が激しい。人口が
減る前から過疎が叫ばれていた地域は既に空き家だらけ。

最早、空き家がどうという以前に存在消滅の危機が叫ばれています。

が、逆に言うとその分の空き家は、私たち不動産投資家にとっては
あまり気にならない空き家のように思います。

 

消滅が危惧されている地域に物件を所有してしまっているのならば
困るかもしれませんが、そうでなければ空き家が増えても賃貸需要
になんの影響もありません。

現時点で危機的な状況にある、もしくは将来的な消滅が危惧される
地域においては現時点でも賃貸需要などなく、賃貸物件そのものが
最初から存在していません。

需要が無いところに空き家が増えてもノーカウント。影響はゼロと
言っていいでしょう。

 

高齢化の影響が大きいのは、やはり東京です。

恐らく、そう遠くない未来に大きく影響が出てくると思われます。
その時に人口動態がどうなっていくか、東京及び周辺地域に物件を
所有している投資家は警戒しなければいけません。

僕も横浜市内に1棟マンションを所有していますので、他人事では
ありません。今後のトレンドを早いうちに見極めるよう努力をする
予定です。

東京と一言で言っても様々ですが。

東京を中心とした人口動態の変化に注目

東京都の高齢化率は地域別で比較すると極めて低いです。2014年
の統計では、沖縄県に次ぐ2位。最も高齢化率の高い秋田県に比べ、
半分程度。

人口もご存知の通り日本で最も多く、人口密度も高く、転入超過が
続く日本の首都であり、世界でもトップクラスの都市。

それが何故、高齢化の影響が大きいか。

 

2016年の推計では、75才以上の人口は147万1千人。この人数分の
住居が遠からず空き家になります。

もちろん空き家となっても、次の居住者が入る可能性は高いです。
人気のある東京ですからね。

賃貸物件は次の誰かに賃貸され、持ち家は家族に引き渡されて有効
活用されるに違いありません。

 

が、戦後復興で無茶苦茶な建設のされ方をしており、どうしようも
ない物件も数多い。一般人には再建築不可の空き家を相続しても、
それを自ら有効活用するノウハウは無く。

相続税の控除が減少した今、地価が高いが故に高額な相続税の納税
に悩まされるばかりで、しかし手放すこともできずに困るケースが
増加すると予測されます。

固定資産税を考えると建物を潰して空き家にすることすらできない。
そもそも建物を撤去するにもお金が掛かる。

相続放棄も簡単にはできないケースもあるでしょうし、今後10年で
社会問題化していく可能性の高い時限爆弾と化しています。

 

回りの建物も同時に同様の状況に陥って、共同して整備したり売却
をできればいいのでしょうけれども、土地の権利関係はトラブルの
原因になりやすいし、そもそもそう都合良くはいきません。

人間の寿命には個人差もありますし、家庭の事情はそれぞれ異なる。
国や自治体ですら整備計画を全く遂行できていないのに、個人間で
達成できるとは到底思えない。

そうこうしているうちに空き家は増加、売りたい人間も増えてきて
東京の住宅が手に入りやすくなり。東京だから大丈夫という理由で
過剰に建設されてきた賃貸物件も空きが増え。

東京が空いた分だけ流入も増え、周辺のベッドタウンに住む意味も
薄くなっていって。

 

東京の高齢化による影響は、東京だけに留まらず周辺の各都市へと
広がっていくと思われます。

そこまでいくと、日本全体の人口動態がどうなっていくかまで注目
せざるを得ず、現時点では予測が困難です。

 

長期的な安定には柔軟な思考力が必要

加えて移民がどうなるか。

実質的な移民は既に始まっているといってもいい状況で、日本国籍
こそ所有していなくとも日本に在留をする外国人は、国籍を問わず
大変な速度で増えています。

移民とは決して政府は言わないかもしれませんが、次第にその数は
増えていくでしょうし、日本の少子高齢化による人口減少から割合
としては人口増加スピード以上に増えていくのは間違いなく。

割合が高まると共に日本における立場も上昇し、権利の主張も強く
なって、住宅事情にも変化が出てくるでしょう。

 

予想できないことだらけで、10~20年後を見ての投資に確実性は
ありません。

ですから、東京だから安泰だとか、地方だから駄目だとか決めつけ
をせず、確実に予期される未来と、比較的予測のしやすい近い将来
を見ながら、この先の身の振り方を検討するのが重要と考えます。

その中から、自分の取るべき戦略は何かを見つけ、ビジネスを展開
していく。

起業する者にとって、常に頭を働かせなければいけない部分です。
価値観が固定化してしまっては、長くは戦えません。

 

不動産投資は変化がゆっくりですから、逆にその分見送ってしまう
リスクが高いです。

様子見をしすぎず、その時その時の直感も大切にして下さい。

 

宜しければブログランキングも応援クリックお願いします。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

  1. てこの原理で小さな力で大きな効果を得る
  2. ペットOKも立派なユニークさですが、さすがに目新しさはなくなってきました。
  3. 小さなお店にも素晴らしいところはたくさんあります。
  4. レバレッジは冬が来ても厳しさに耐えられる程度に留めるべきと思います。
  5. 契約
  6. 渋谷駅前だったら値上がり期待もしてしまいますが。
  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

このサイトについて

不動産投資を中心に、金融・経済、そしてビジネスについてコラムを書いています。

きりのきについて


人気ブログランキング参加中です。お楽しみ頂けたら応援お願い致します。



楽待不動産投資新聞様にて時々コラムを書かせて頂いております。

2014年4月不動産投資を始める際に最も重要なリスクヘッジの仕方。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る