不動産投資における法人化のデメリットとは

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不動産投資における法人化は、大きく稼ぐ人にとっては必須の節税方法です。

それが日本の税制に起因していることを知らない方はいないでしょう。個人
には最大40%、2015年1月からは45%もの所得税が課せられます。

住民税と合わせれば50%以上。これだけ取られていては、残ったお金で経営を
しなさいといわれてもかなり厳しい。何しろ税引き後手残りは全てを自由に
使うことができるわけではないのですから。

税引き後のお金から将来経営に必要なお金を引いたものが最終手残りです。

 

法人税の実効税率(法定実効税率)が平均35.64%であることを考えるとそれ
がいかに無茶な注文であるかが分かるでしょう。

それでも倒産する企業が数多くあるのですから。

税金をコントロールしなければ、経営なんてやっていられません。

今後5年間で法定実効税率は20%台まで引き下げられることが決定しています。
法人で不動産投資をしている方は更に有利となる可能性がある訳で、これを
見逃さない手はありません。

が、いつもは法人の良い面ばかりを書いていますので、今回は法人の悪い面
をピックアップしていこうかなと思います。

収入が多い方ほど法人化を考えるべきですが。

デメリットのほぼ存在しない合同会社

法人、この場合は合同会社とします。現状、不動産投資において法人化する
際に株式会社とするメリットが僕には見つけられませんでしたので。

株式会社とすると、合同会社に比べて設立費用は上がり、書類や審査が増え、
株主総会を開催したり公告をしたりする義務が発生し、と費用が高く手間も
多いなんて状況。

役員の任期が10年まで、というのも面倒ですね。退職金を支払える、なんて
メリットもありますがそれは合同会社でもやろうと思えばできる話。

 

不動産しか取り扱わない同族会社に限っていえば、株式会社とするメリット
は僕には何一つ見つかりません。

不動産投資法人に対する融資を受けるとなった時、実質個人の法人融資、と
なるならば親族以外の役員を入れていては融資を受けられないこともある為、
当ブログで法人といったら合同会社を指すと考えて下さい。

 

その合同会社ですが、デメリットはさほど多くはありません。

まず一つ目は設立費用。自分でやれば登録免許税6万円と少し、司法書士さん
に依頼をすると10万円~の費用が掛かります。

二つ目、赤字であっても掛かる法人住民税均等割り。年間7万円は赤字でも、
納めなければいけません。

節税となる金額がこれら以下であれば、全くやる価値なしということ。法人
を設立する目的はあくまで節税。それ以外には存在意義そのものがないため、
本当に節税になるかを明確にしておくべきでしょう。

 

租税公課以外のコストも考慮して

書類上の手間も増えます。個人事業でも事業的規模で青色申告をするならば
それなりの事務が必要ですが、そこに法人の分までが加わります。

個人で1棟、法人で1棟なんて持ち方となってしまうと、両方の事務的作業を
しなければいけません。

サラリーマンとしての仕事をこなしながらやるには無理が出てきます。子供
がいるような家庭では、家庭崩壊の恐れすらあるのではないでしょうか。

 

そんな時のために税理士、会計士といった職業があるのですが、ここで問題
となるのがその費用。

税理士等の顧問料は当然ですが事務所が独自に決めているもの。全国で統一
された金額なんてありません。

月ごとの顧問料、及び確定申告や決算時の費用を支払うのが一般的なのだと
思います。うちもそうです。

 

で、問題は顧問料の方。毎月掛かる費用ですから年間経費としてはその12倍。
月1万円だとしても12万円も掛かります。

そして大きな穴が「個人と法人で金額が変わる」ことがあったり、「売上げ
や事務処理量で金額が変わる」ことがあったりする事実、です。

実際それは当たり前。トヨタ自動車の顧問料と一介の不動産事業者である僕
の顧問料が同額だったらびっくりです。時間も労力も桁違い。誰もトヨタの
税顧問をしたいとは思わないでしょう。

 

基本的には個人より法人の方が顧問料は高くなります。売上げ、利益が十分
出ている場合はあまり気にならないかもしれませんが、そろそろ節税しよう
かなと考えている個人にとっては大きな負担です。

法人化をすることによって増える税務処理費用と法人税、その他雑費の合計
が節税額を上回ってしまうようでは意味がありません。

 

法人は一度設立してしまうと維持にも閉じるためにも費用が掛かってしまう。
勢いで先に法人を作ってしまって後で愕然とすることのないよう、ご注意を。

今お付き合いをしている税理士さんがいるならば、法人を設立する前に費用
の面も含めて相談をしておくことをお勧めします。

 

ちゃんと稼げるならデメリットは無いようなもの

高いとはいってもその手間や税務処理のための機器やソフトウェア、書類の
申請の手間、正しい知識から頂けるアドバイス、正確な会計処理、税務調査
が入ったときの対応などを全てになって下さることを考えると格安です。

それほどの価値があります。

自分で適当なことをしてしまって、時間や労力を浪費した上に結局追徴課税
されるような事態を招くリスクを負うくらいなら、僕は税理士さんの費用を
惜しむことはありません。

 

顧問料も、場合によっては相談に乗ってくれることもありますよ。僕も最近
設立した法人は安定収入が少ないことをお伝えしたら、月額費用を4割ほども
安くして頂くことができました。

これも経営上の交渉の一環と思って、頑張りましょう。

 

ということで、法人化のデメリット、でした。結論としては設立費用、法人
に課せられる税金、そして税理士(会計士)の顧問料まで計算に含めよう、
節税にならない法人は意味がない、というところです。

 

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