地銀や信金の統合、業界再編の動きと、待ったを掛ける公取委。

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地銀統合に公正取引委員会が待ったをかけるケースが増えている
ようですね。

ふくおかフィナンシャルグループと十八銀行の経営統合が公取委
の横やりで無期延期されたのは記憶に新しいところ。

そして最近、新潟でも同じような様相を呈している、との事です。
第4銀行と北越銀行の統合案件で。

 

金融機関のように非常に影響力の強い、且つ立場的に強い存在は
規制を受けて当然と言えば当然の話。

でなければ消費者が一方的に不利益を被る可能性がありますから。

医師が保険診療の範疇で医療行為を行うのに厳しい条件がついて
いるように。でなければ、一部の悪意を持つ人間がやりたい放題
やって、善良な人間が割を食うのは目に見えています。

 

規制を受ける側としては「自分はそんなことはしない」と言うと
思いますけれども、やろうと思えばできてしまう環境である時点
で駄目なんです。

もし本当に、その時点では全員が良心に基づいて公平であっても、
そこに穴があると目を付けたハイエナは必ずやってくる。

社会的に影響力が強い存在は、その影響力を行使する権利を持つ
と共に、社会的公平性を遵守する義務を抱えなければいけません。

 

弱肉強食ではありますが、一方的に蹂躙するだけでは最後は自分
も飢える事となる現実は、人間は数百年以上前に学んだはずです。
力を持ちたいなら規制を受け入れるべきで。

公取委は、地方銀行の統合による地域の寡占状態に懸念を示し、
銀行側と対立しています。

僕としては英断だったのではないか、と思いますが、どう感じる
かは人それぞれでしょう。

 

不動産投資でもその他ビジネスでも、融資の出どころとなる金融
機関の動向は非常に気になるところ。

今後も、金融機関の統合案件は増えていくと思いますので、報道
を注視したいと思います。

ATM維持に2兆円かかっているそうな。

安定か、競争か

実際、地域の金融機関が少なくなると困る部分は多々あります。

もしも融資を受けていて、対応できる金融機関が一行しかないと
したら、どのようにして金利引き下げを迫れば良いでしょうか。

金融機関側としては金利引き下げ交渉をされても、借り換えする
のが困難であるのを知っていれば、応じる必要はありませんよね。
結果、高い金利を貪られ続けてしまう。

その地域の経済が、一つの金融機関に握られてしまう事となって
しまいます。武力行使ができない現代では経済への影響力が支配
能力を決めるといっても過言ではない。

金融の規律維持には、金融機関同士の競争が必須です。

 

ただ、金融機関が安定した経営基盤を持っていなければ、経済の
安定が得られないのも事実。

バブル崩壊後の金融機関の倒産や統廃合で大きな混乱が起こった
のを覚えている方も多いと思います。地域へと安定した資金供給
を実施するには金融機関の経営基盤が強固であるのが前提条件。

銀行も信用金庫も信用組合も民間企業ですから、己の身が大事で
あるのは当たり前の話。

 

そのための銀行の統合です。前述の福岡フィナンシャルグループ
は福岡銀行が九州の金融機関を統合し、力を強めた姿。

最近も静岡県内ニュースで、信用金庫の統合が報道されました。
既に強力な力を持つメガバンク、それに対抗しようとする地銀、
生きる道を探そうとする信用金庫、という構図でしょうか。

大規模金融緩和により政策金利が歴史的な低迷をする中で、経営
基盤を強化して生き残りを図るのは自然の流れと言えます。それ
は地域経済のためにもなる。

 

どちらが良いかと言えば、結局はバランスでしょう。公取委とは
そのバランスを取るのを使命とした存在です。

地銀、信金の統合を認めていない訳ではありませんから。ただ、
地方において一部の金融機関のシェアが大きくなりすぎるのには
問題がある、というだけ。

私たちも、借り換え先が無くなるのは困ります。融資を受ける側
が立場的に弱いのは、あまり健全とは言えません。対等な交渉が
できてこそ健全なビジネスが成立するものです。

 

地銀は全国へ?

金融機関が自分たちの経営状態の悪化を危惧し融資に萎縮されて
しまうのも問題。

貸し渋りとか貸し剥がしとか、話題になるのは大半が義務の履行
より保身を優先させた結果です。

営利企業が身を守るのは当然ですが、社会的に重要な役割を持つ
彼らが自己保身ばかりを優先しなければいけないような環境は、
最終的に消費者に直撃します。

 

今も、融資を出すとはいっても担保至上主義から抜け出せません
し、リスクの未知数な事業に対する融資には非積極的です。

それは金融機関にとっても、この先どうなるか分からない環境が
不安でしかない、先を見通せない状況であるということでしょう。

 

個人的には、金融機関を地域に縛る時代は終わり、広域ビジネス
をさせて全ての金融機関に全国で競争させるようなシステムへと
転換させるべきではないかな、と思ってしまいます。

もちろんある程度の規制と既得権益は残しつつ。ですが、地銀は
既にメガバンクとも渡り合える力を持つところも多く、地域だけ
の仕事をさせるのには影響力が強すぎます。

地域は信用金庫や信用組合に任せ、地銀にはその体躯の大きさに
見合った市場で頑張ってもらってはどうかな、と。妄想ですが。

 

僕は金融業は門外漢ですので勝手なことを言いますが、消費者、
経営者としては是非、金融機関がより積極的に融資をする環境と
なって頂きたいと思っています。

そうした意味で、公取委や金融庁などが賢明な判断をして欲しい
と願うばかりです。

 

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