収益不動産流動性の低下により、若干の利回り上昇傾向あり。

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少しずつ、収益不動産の利回りが上昇してきています。

不動産価格については色々と思惑があって、予想のしにくい部分
が多いものの、リーマンショックの時のような暴落は無い、と僕
は考えています。

それは、収益不動産の流動性低下が著しくなるだろうから、です。
欲しがる人が減る事なしに。

 

ここ何年かでサラリーマン大家が非常に多くなりました。物件も
そうした様々な個人が所有しているケースが多く、地主が多くを
所有していた時代と大分様相が変わってきています。

個人が1棟2棟持っている。そんなパターンが非常に多い。利益が
出ているかどうかは問題でなく、個人が少数の収益不動産を保有
している、というのがポイントです。

少数の物件しか持たない個人が、そう簡単に手持ち物件を手放す
かどうか。

 

まず、手放せるかどうか、との問題が出てきます。融資を受けて
購入し、返済で足が出ているとか、足が出ていなくとも減価償却
のペースが高く債務超過となっているような物件は、売れません。

売るとなって残債が残るようでは困るでしょう。もしかしたら、
金融機関側が売るのを認めない可能性があります。

もし売れたとしても残りの返済を他の収入からしなければならず、
金融機関が返済額の圧縮に応じなければ自己破産まっしぐら。

そんな状況であれば、低迷していたとしても所有したまま死蔵を
させる方向とするのが人間心理のように思います。所有したまま
なら、ちょっと不利益を毎月被る程度ですから。

どこかで逆転の目も出てくるかもしれませんしね。

 

問題なくプラスである場合。非常に条件の良い物件をお持ちだと
思いますが、少数の収益不動産しか持たない個人が、利益を出す
物件を売るでしょうか。

もし手放したら、プラスにはなるかもしれませんが、それ以降は
家賃収入を得られなくなってしまうのですから。

何か手放さなければいけなさそうな理由がない限り、高値で売却
できたらいいな、くらいでしか考えていないと思われます。

 

利回りが上がった=取引価格が下がった、ですが、7,8年前まで
の価格には戻らないでしょう。つまり利回りもその頃の物件ほど
上がらない。

即ち、売れなかったとしてもお宝物件を所有できているわけで。
高いキャッシュフローの実益と優良物件を所有している所有欲を
同時に満たしてくれる状況です。

優良物件を持っている個人は、値下げしてまで焦って売ろうとは
しないのは確実。

 

ならば、収益不動産価格は下げ渋りします。利回りは上げ渋ると
思われ、どこまで上昇するかと言えば、騒ぐほどの変化はない、
というのが僕の予測です。

収益不動産を強く欲しいと思う方にとっては、利回り上昇を待つ
必要があるほどの不動産価格の下落局面とはならないと考えます。

待っているうちにサラリーマンへの不動産融資が厳しくなって、
じきに買うことすら難しくなる可能性が出始めるのは確実。既に
現時点でその恐れは高まっています。

流動性の低下にチャンスが生まれることも。

新興仲介業者の破綻が増加する可能性

収益不動産の流動性の低下により何が起こるのでしょうか。

通常、流動性の低下が起こるとボラが大きくなるのが投資商品の
一般的なパターン。買いたい人も売りたい人もいなくなる分だけ
焦った取引が生まれますし、何かあると流れが一方的になり。

価格の上下が激しくなって、売買におけるリスクが高まります。

 

しかし収益不動産にそれは当てはまらないでしょう。

時折、何かの理由で早いとこ売却してしまいたい、現金に変えて
しまいたいがため、安く売りに出される収益不動産は出てくると
思います。

それは別に特別な事ではなく、常に起こり得るもの。一番狙い目
の物件です。そうした物件が目の前に現れれば是非買いたいもの
ですが、なかなか巡り合えません。

上流で情報を得られる方がサラッともっていってしまうのが理由。
金融商品と異なり、誰にでも買えるものではありません。

 

上流でそうした物件を取得したら、大半はそれを上回る市場価格
ですぐに転売しようとするでしょうから、結局市場に出回るのは
大して得でもない物件となってしまいます。

ですから、収益不動産は流動性が低下してもサラリーマン投資家
にとっては旨くも不味くもありません。

不動産売買事業者にとっては死活問題でしょうけどね。取引件数
が少なければ仲介手数料も発生せず業績は下落しますので。情報
の奪い合いが水面下で起こると思われます。

 

そうなると、経営に行き詰まる不動産事業者が増え始めますね。

自社で十分な数の収益不動産を抱えていて、インカムゲインだけ
でも社員を養えるようなところは安泰ですが、投資家向けの仲介
しか収入源が無いところは非常に危ない。

倒産する不動産売買事業者が増える可能性があります。

 

不動産会社の倒産が増えると、収益不動産に対する市場の信頼は
落ちるかもしれません。特に新規の見込み客を含む、所有をして
いない層からの。

市場に新規参入する人間が減ると、売る側、仲介する側は弱気に
ならざるを得ず、もう少し不動産価格が下落する余地が生まれる
可能性もあるように感じます。

 

ただその頃にはインフレが更に進んでいる可能性も高く、全くの
未知数です。

恐らくは、今くらいから少し利回りが上がったくらいが長引くの
ではないでしょうか。家賃が上昇するフェーズまで進めば、また
違うのでしょうけどね。

 

利回りの上昇は朗報ですが、それを見てもう少しまとう、という
のはあまり上策ではないように思えます。

投資を始めるのをあぐねている時間も立派な機会損失。得られる
利益を最大化するためには何が正解か、正確な計算をすることを
お勧めします。

 

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