2015年春闘で相次ぐ賃上げ回答。労働者は安心してよいのか。

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2015年春闘はどうやら今年も労働者側の勝利に終わりそうです。

注目をされていたのは、トヨタ自動車がどうなるか、でした。日本を代表する
大企業であるトヨタが労働者の賃上げについてどう考えているかは、日本中の
企業に影響を与えます。

 

今回トヨタは、4,000円のベースアップに踏み切りました。定期昇給が7,300円
あるそうなので、雇用継続の方については月に11,300円の昇給となります。

年額135,600円。決して安くはありません。一時金は昨年と同水準とのことです
が、基本給が上がれば一時金も増えますので、実質20万円ほどの年収増。

 

仮に毎年このペースで収入が増えるとすると、30年間で600万円も年収が増える
ことになります。

なんとも夢がありますね。

もっとも世の中そんなに甘くはありませんので、そう簡単には期待通りに進む
とは思えません。ですが、景気を浮揚させたい今の時期としては、労働者側に
とって実によかったのではないでしょうか。

尚、残念ながら医療業界にはまったく無関係の話です。

今回の賃上げ傾向は、物価上昇の影響もあったからこそ。医療や介護は物価が
上昇するどころか年々報酬(仕事単価)が下げられています。

単価が上げられないのに賃金が上げられるはずもなく。また、公務員のように
民間企業が賃上げだからと賃上げがされることもなく。

正直言って、このままの制度では医療・介護業界に未来はありません。職員に
賃上げの期待を抱かせられない業界に、優秀な人材など集まりませんから。

そのうち現場を知らない官僚や鈍感な政治家も危機を感じ、医療・介護の崩壊
が起こった後に何とかしなければと慌てだすのでしょうが。

賃金が上がるとなれば仕事のやる気もアップします。

企業も悩む投資と貯蓄のバランス

経営者側から見ると、賃上げに結構辛いものがあるのはよく分かります。

経営者はリスクを背負っており、その分だけ収入が良くなるのは当然で。その
自分のもの、出資者のものとなるはずの収入を削って人へ「投資」をするのが
賃上げです。

 

また企業に残るお金は配当や役員報酬ばかりでなく、この先の経営難に備える
ためのお金でもあります。

個人が老後の心配をするのと同じように、経営者は企業の先行きを案じていて。
先々のために少しでも資金を貯め込んでおいた方がよいと思って然るべき。

 

しかし賃金とは労働者に対する評価でもあり。そこを疎かにすると、労働者が
企業から離れてしまって人材不足が起こり、かえって業績が悪化してしまう。

特に労働人口がこの先激減していく日本では、人手不足は大きな課題。現時点
で人手不足感は過去最高まで高まっており、政府は今、それを何とかしようと
あの手この手を考えています。

ですが政策が決定し、実行され、効果が現れるのを待っている間に、致命的な
事態となってしまいかねない現状、悠長なことをしておれず。

やむなく賃上げを決めた、という感じでしょう。

 

出資者への利益の配分、先々に必要となるであろう資金の貯蓄、人や設備への
投資と、3つのバランスをどう取るかが経営者の腕の見せ所です。

内部留保以外はすべて将来的な景気の回復に繋がり、それは先々の業績改善に
好影響を与えますので、本来はできる限りお金を企業から個人へ移すべきでは
あるのですが。

バブル崩壊、リーマンショックなどなど、これまで経験してきた数々の不況、
及び経営危機がそれを踏み留まらせてしまうのですね。

 

せっかく今年は企業側が英断してくれたのですから、経済の好循環へと進んで
頂きたいものです。

 

賃上げの先に雇用減の影あり

労働者側としてはとても好ましい状況になりつつあります。中小企業も徐々に
賃上げをせざるを得ない状況に追い込まれ、業績の良いところから賃上げの波
が波及してきています。

日本の企業のほとんどは中小企業。業績改善が中小にも広がるまで、まだまだ
油断はできません。

加えて、この人手不足、賃上げ圧力の影響で、体力のない中小企業から倒産が
発生するであろうことも間違いありません。景気が良かろうが悪かろうが企業
の倒産は出るものですから、それ自体は仕方ないのですが。

 

賃金が上がって安心していると、いつの間にか自身の雇用が失われてしまった
なんて事態になってもおかしくない。

賃金が上がる時、雇用は減ってある意味当然なんです。

 

消費税増税により頭を抑えられてしまう以上、高度経済成長期のような時代は
もう訪れません。

先進国となり、成熟してしまった日本では、経済的に上り調子一辺倒となる事
は考えられず。

経済的な悩みについては常に危機感を持って臨む必要があります。

 

一番は、出資者としての立場を手に入れてしまうこと。

結局、企業は株主の所有物です。これはどうやっても変えられません。経営者
に労働者と株主どちらが大事かと尋ねるなんてナンセンス。

経営者より株主の方が立場が上なのですから、比較する対象ですらない。

 

逆に考えれば、労働者の立場でありつつも出資者としての立場を持つことで、
足元を硬く強化できるのは間違いない。

株という形でもいいですし、不動産でも構いません。何かしらで出資者となり、
雇用にぶれが生じたときのリスクを削減することに繋がります。

 

せっかく賃上げの波が拡がり始め、余力が持てそうなのですから、まずは足元
を固めるべく行動してみてはいかがでしょうか。

ちょっとREITを買ってみる。それだけで見える世界が変わるかもしれません。

 

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