企業は金融機関を理解した。個人は企業を理解する時期。

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内部留保をできるだけ残しておきたいと企業が考えるのは、歴史
を遡れば当然の帰結でしょうね。

 

現在の日本経済は「いざなぎ景気に並ぶ景気回復が続いている」
と言われたり「失われた30年」と言われたりと、評価が両極端な
状況が続いています。

要するに、環境が変化をし始めたのは確実なのでしょう。恩恵を
受けている人間と受けていない人間がいる。少なくともほぼ全員
が厳しかった時期よりは上向いている、と。

統計の数字がそれを証明しています。全体でまるめてしまうと、
『景気は緩やかな回復基調が続いている』というのがひたすらに
続いているということ。

 

景気が回復しているといっても、既存の産業が何の工夫もせずに
昔の隆盛を取り戻しているのではなく、新興産業や工夫している
企業が徐々に上向き始めている、程度で。

うまくいっている企業も長く生き残るための体力づくりをしよう
としているため、国内のお金の流通が緩慢になってしまっている。

それが、賃金上昇にまだ大きくは結びついていなかったり、個人
消費の低迷が続いていたりする理由でしょう。

一時的に賃金が高くなったとしても企業が潰れてしまっては元も
子もない。個人よりも企業がそれをしっかりと理解しているので
人によって今の景気判断が大きく異なっています。

どのような立場にいる人間が評価するかによって、180度違った
意見となっているのだと思います。

まあ、あくまでも経済素人の感想ですが。

企業は生き残りを賭けて有能な個人を探しています。

企業が金融機関を理解した

それはともかく、企業が体力づくりに内部留保を増大させている
のは、これまでの金融機関の言動を経営者はよく覚えているのが
大きな原因であるのは間違いありません。

火のない所に煙は立たぬということわざの通り、晴れの日に傘を
差しだして、雨になったら取り上げるとの言葉が金融機関を表現
しているのは、そのような事実があったからで。

しかも大きなところは苦しくなったら社会的な影響が大きいから
と、民間企業であるにも関わらず公的資金を注入されて国が救済
をしてきたのも、金融機関に対するヘイトを高めています。

結果、企業は生き残るためには体力が必要だと内部留保を増やし
法人の資産を蓄える方向に進んでいるのが今です。

 

金融機関は私たちを助けてくれる存在ではない、とようやく気が
ついた、とも言えます。あくまでもビジネスパートナーであり、
商売をしているに過ぎないのだ、と。

本当にピンチになった時に助けてくれるところなどないのだから、
それならばそもそもピンチにできるだけ陥らないように経営改善
を図ろう。

金融機関が担保を取らないとお金を貸してくれないなら、いざと
いう時に担保として提供できる資産を法人内部に残しておこう。

日本における金融機関という存在をようやく理解した、といった
ところでしょうか。

 

別に金融機関の批判をしているのではありません。僕が金融機関
に求めたいのは、もっと担保に頼らない事業性(経営者の資質を
含めた)の評価力を強化して欲しい、程度。

金融機関が経営不振に陥ると、また貸し渋りだの貸しはがしだの
の時代に逆戻りしてしまいますから。

その時代も、無茶な融資をし過ぎた金融機関も原因の一つであり、
しっかりと反省がされていて無茶な融資を控えているのは安心を
すべき部分です。

経営者側も、財務諸表の精査もせずに金融機関に頼り切った経営
をし続けたのを反省し内部留保の増大に努めているのは、本来は
歓迎すべきところであると僕は思っています。

 

ただ、そういった時にどうしても極端な方向に走ってしまうのは
いかにも日本的で、今回はそれが長引いているために悪い影響を
与え始めてしまっています。

景気回復が、保守的な人や企業には恩恵を得られない状況になり、
日本経済に対する評価は両極端になり、恩恵の得られない方々の
不満の高まりを生んでしまっている。

そう簡単に、この状況は解消されないでしょう。オリンピックが
一つの山となっている気がしますが、果たしてその後がどうなる
か。正確な予測は不可能です。

 

個人も体力をつける時期

金融機関も企業もバブル崩壊とその後の長期デフレ不況で学び、
反省して変化をしてきています。

個人もそれに、できるだけ早いうちに対応をしていくべきだ、と
僕は考え、行動をしています。

保守的になりすぎて変化や苦労を嫌うと、時代の波に流されては
苦しみながら漂うだけとなってしまう。

 

今の日本経済は深層部分で極めて混沌としています。今後も改善
が続いていけば、保守的な姿勢の人々も少しずつ救われる範囲が
広がっていくと思われますが、当然救われない方々も出てくる。

自分がそうならないとは限りません。

であれば、僕はせっかく考える頭と動ける身体がありますので、
自分と家族の身を守るためにも変化も苦労も厭いませんし、後ろ
をついてきてくれる人を引き上げたいとも思っています。

今は医療分野に特化して動いていますけれども、最終的には地域
の活性化にも繋がるはずで、少しでも日本の発展に寄与できれば
嬉しいですね。

 

それはつまり、今後僕は現在批判されている企業と同様に、内部
留保の増大に注力して、体力づくりをするところから始めないと
いけないわけで、心苦しい部分もあるのですが。

大切なのは今よりももう少し先ですから、個を捨てて頑張ります。

 

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