マイナス金利導入により地銀再編が加速している

この記事は3分で読めます

いつも応援ありがとうございます。



 

マイナス金利が導入され、金融機関が難しい経営を強いられる事に
なる中、僕は「金融機関の合併が更に進むだろう」との予測をして
いました。

早速、ふくおかフィナンシャルグループと長崎県最大手地銀である
十八銀行の経営統合のニュースが流れてきました。

当然ですが、十八銀行がFFGの傘下に入る形です。

 

この流れは必然です。

金利の低さは、金融機関の収益性の悪さに直結しています。

 

金融機関がお金を集める方法のメインは預金ですね。預金を集める
ための餌が金利です。預金者にとってはお金を預けるだけでお金が
増えるのですから、金利が高ければより預けたくなります。

しかし現在の低金利では、とにかくお金が集まりません。普通預金
は利便性と安全性から利用されますが、定期預金は金利の低下から
人気が激減します。

それはそうです。預けても大した利益は得られず、お金を縛られて
しまうのですから。

金利の低下は、金融機関の資金調達に支障が出ます。

金融機関の最大の収益源は、貸付金利です。金利が下落すれば利息
が減りますので、収入はそれだけ下がります。

行員の給与、各店舗の維持費、税金、システムの維持メンテナンス
などは減りませんので、金利が下がれば利益は激減します。

金融機関といえども民間企業。経営が悪化し赤字になってしまえば
お金を借りられなくなり、運転資金が不足し、経営が成り立たなく
なってしまうかもしれません。

 

それをカバーするには、経営規模を大きくするのが手っ取り早い。

金利が低くても取り扱う資金量が増えれば利益は伸び、経営も母体
が大きければスケールメリットから効率的になります。

必然的に弱小金融機関は時間とともに経営が追い込まれていくのは
火を見るよりも明らか。僕なんかより現場はずっと強く感じている
でしょう。

 

中にはそこにチャンスがあると見て強気の一手を打ってくるやり手
の経営者もいるかと思います。

一部の信用金庫が逆張りの預金金利アップを打ち出してきています
よね。相当経営に自信があるのでしょう。

小回りの良さ及び地元基盤の強さをうまく利用するつもりなのだと
思います。

 

が、そんな金融機関ばかりではなく。

メガバンクが全国展開し、地銀、信金の縄張りを荒らす中、地銀の
大手は既に合併による資本強化、経営規模拡大で真っ向から対抗を
する態勢です。

現状維持で様子を見ていた地方銀行などは、メガバンクに加え合併
により巨大化した地銀グループの間に挟まれて、何を思うか。

自力で生き残る道を模索するか、潰されるくらいなら軍門に下るか。
流れに従い合併を選ぶところは少なくないはずです。

 

この流れは更に続くでしょう。そもそも日本には金融機関が多過ぎ
である、との議論もあるのですから、合併は自然な流れですね。

群雄割拠時代から生き残りをかけた組み分けの時代へと進む中で、
私たちにはどのような影響が現れるのでしょうか。

地銀に限らず、資本力増強のための合併は日本でも根付きました。

割を食うのは弱者

金融機関の合併による資本強化メリットもあればデメリットもある
と思われます。

 

資本強化により金融機関の経営が安定するのは良いことです。

経営母体が大きく安定していれば、金融機関自体の資金調達が安定
します。その分だけ金融機関も低金利で融資を受けられますから、
上客は良い条件を期待しやすくなります。

財務状況が良く、今後も融資を受けたい場合は合併による金融機関
の巨大化はメリットがあるでしょう。

 

地方の金融機関の数が減ってしまうのは、融資の可能性が狭まって
しまうかもしれません。

競争が減りますし、小規模な金融機関特有の足回りの良さが失われ、
選択肢が少なくなるのは明確なデメリットです。

経営基盤がまだ不十分な場合、融資をしてくれる金融機関を見つけ
にくくなるでしょう。借り換えも比較先が減ってしまうかもですね。
個人としては交渉を進めにくいです。

 

既存顧客としても吸収される側の顧客は合併による方針変更により
それ以前に比べ厳しく当たられたりする恐れがあります。

急な変化は無いにしろ、少しずつ変わってはいくと予想されます。

金融機関の変化で振り回されるのはいつも弱いもの、です。

 

金融機関の姿勢変化に期待

と、比較的ネガティブな意見を書いてしまいましたけれども、僕と
してはマイナス金利から発生している銀行業界の変化は良い方向へ
動きが出るのではないかと思います。

少なくとも、何も変わらないよりもずっと良い。

 

前述した、一部信用金庫が逆に預金金利を引き上げた、というのは
規模拡大による生き残りを狙う保守的な金融機関ばかりではない
との証拠です。

これまで金融機関は各行にさほどの差が無く、規模の大きなところ
を優先して選べばよい、地銀や信用金庫の存在意義は非常に希薄で
消え行く存在である、との印象でした。

でしたが、マイナス金利に逆行するようなサービスを提供しようと
するところがあるというのは良い驚きです。

マイナス金利をきっかけに融資環境にも変化が訪れるかもしれない。

 

雇用や景気の動向次第ではありますが、これからは私たち個人にも
更なるチャンスがありそうです。

住宅ローンだけでなく、事業性ローンで有利な条件を引き出す為に
自分がやれる事はすべてやるようにしましょう。

 

宜しければブログランキングも応援クリックお願いします。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

  1. イギリスの今後の動向はいかに。
  2. 中国を知れば知るほど現状がまともでないことが分かります。
  3. 子供が増えるのはとても良いことですね。
  4. 好景気は待ってくれません。
  5. 紅葉の秋は分析日和です。
  6. 秋の臨時国会ではどのような補正予算案が提出されるでしょうか。
  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

このサイトについて

不動産投資を中心に、金融・経済、そしてビジネスについてコラムを書いています。

きりのきについて


人気ブログランキング参加中です。お楽しみ頂けたら応援お願い致します。



楽待不動産投資新聞様にて時々コラムを書かせて頂いております。

2014年4月不動産投資を始める際に最も重要なリスクヘッジの仕方。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る