国策として密かに進む中古不動産市場活性化

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今後しばらくの間、日本における中古不動産市場は活性化を続ける。

これは誰がどう言おうとも、確定路線です。
なぜそこまで断言できるのか。

国が力を入れて取り組んでいる以上、当然の成り行きです。

 

国土交通省は平成24年6月に「不動産流通市場活性化フォーラム提言」
まとめ、公表しています。

そこにはこう書かれています。

 

不動産流通システム改革による我が国の不動産流通市場の活性化に向けて
<カギを握る2つの政策テーマ>

不動産情報の整備・蓄積<消費者利益の実現のための不動産取引の透明性・効率性の向上>

不動産業者の力量の向上<事業者間連携・中小の提案営業力の向上>
=中古住宅流通・リフォーム市場の倍増を目指す

 

ここにあるように、中古住宅流通・リフォーム市場を大幅に拡大することが今後の
日本の不動産流通市場を活性化するための核として国土交通省は位置づけています。

2年も前の提言で、既に実現をしている部分もあるこの提言。読めば読むほど、
中古不動産市場の将来的な可能性は大きく、不動産投資家に大きな利益を与えて
くれるのではなかろうかと期待せざるを得ません。

古い建物でも価値が認められるならばすばらしいことだと思いませんか?

国が主導となって行われる中古不動産市場の活性化

根底には日本の資産価値を増大させたいとの野望があるのだと思います。

 

2014年になって国土交通省は、

「中古住宅市場活性化ラウンドテーブル 平成25年度報告書」

を公表しました。

 

ここには、日本では住宅価値の下落により、これまでに約500兆円もの資産を毀損した、
と書かれています。

アメリカを始めとした先進国では中古であっても整備が行き届いていればその価値は
新築に比べても遜色なく、高値で売買がされています。

それに比べて日本は、新築の時が最も価値が高く、時が経つにつれて価値が大幅に
下がり続けてしまいます。その分だけ日本から「資産価値」が失われてしまって
いるのだ、と。

 

確かに日本の不動産市場、特に実需向けの住宅販売には大きな歪みがあります。
新築の住宅を融資を受けて購入した時点で債務超過となってしまいますから。

しかもそれは、繰上げ返済をして早急に残債を減らしていかない限り年月を追うごとに
債務超過幅は拡大していきます。

35年ローンなんて組んでしまったら最初の5年間なんてほとんど元本は減りませんが、
不動産の評価額としては5年を経過した時点で10%以上、売買価格はもっと下落する。

これでは、住宅が売れれば売れるほど日本からお金が消えているようなものです。

 

中古となっても不動産の価値が下がらない仕組みができれば、それは貯金をしている
のと資産価値としてはあまり変わらない。そうなれば不動産の売買は大変な活性化が
なされるでしょう。

自宅として利用をしつつ、住みにくくなってきたら売却することで
大きなお金を手に入れることができるようになるんです。
賃貸住宅派の人々も飛びつくに違いありません。

市場に出回るお金も増え、不動産価格は上昇し、取引の活発化により税収も増える。
国にとっては非常に都合の良い環境です。

金融庁も金融機関と中古不動産の評価方法を変えるために活動をしており、
決して国土交通省単独で行っている小さな政策でなく、政府が一丸となり
取り組む一大プロジェクトと考えておかしくないでしょう。

 

中古不動産活用は国策

前述の「不動産流通市場活性化フォーラム提言」には、こうも書かれています。

 

不動産流通システム改革のための5つの柱

1.消費者にとって必要な情報の整備・提供
2.不動産の価格の透明性の向上
3.先進的な不動産流通ビジネスモデルの育成・支援と成功事例の普及
4.宅地建物取扱業者及び従業者の資質の向上
5.住み替え支援など多様な手段による既存ストックの流動化促進

 

このうち、2の「不動産の価格の透明性の向上」には

建物評価手法の見直し(リフォーム・改修等の査定への反映)と
金融機関など取引関係者への普及

と書かれています。

 

他にも内容を読むと、随所に中古マンションの評価法についてであるとか、
適切な維持管理、修繕をされている建物を正しく評価するべきであるとか、
そんなことばかり書かれています。

もはや、国の中古不動産に対する取り組みは本物であるとしか思えません。

 

これはデフレ脱却の一環でもあるのでしょう。不動産の評価額が上昇をすると
企業・個人問わず信用力が増大します。

その増大した信用でまた融資を受け、設備投資なり次の不動産なりへと投資を
してもらえれば、日本国内のお金の流通量が更に増えます。

日銀が円の供給量を大幅に増やし、マネタリーベースが大幅に拡大している今、
願ったりの展開なのではないでしょうか。

 

勝手な希望的観測ですが、ここへ来て中古不動産評価改革が急速に進みつつ
あるのはこのような展望の下であり、アベノミクスを成功させるために今後
より一層スピード感を持って実現させようと動いていくのではなかろうか。

そんな気がしてなりません。

 

噂で買われ事実で売られる投資の世界

ぐだぐだと書きましたが、つまるところ。

今のうちにまともな中古不動産を取得しておけば、その評価額は制度改革により
一気に跳ね上がり、大きな資産を作るチャンスとなるかもしれないということ。

もっと簡単にいいましょう。

収益不動産を買うなら制度改革がスタートするまでに買うべき、です。

 

しっかりとリフォームをした物件を好み、またそんな物件を2棟所有している
僕ですから、ポジショントークと思われるかもしれません。

しかしそれを差し引いても、今のうちに購入すること、リフォームを丁寧に
しておくことが大きな利益に繋がると期待していいと思います。

 

もちろんそれ以前に、しっかりと日本の景気が持ち上がってくることが前提と
なりますが。不安要素は探せばいくらでもでてきてしまいますから、それを
どう判断するかは、自分次第。

一つ言えることは、少なくとも僕は今不動産投資することを
ギャンブルでなく投資だと思っていることです。

 

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