インフレ経済への過渡期での生き残り方を必死に模索しよう

この記事は3分で読めます

いつも応援ありがとうございます。



 

面白いというか、医療者にとってはちょっと悲しい調査結果が発表
されました。

大企業の社員と家族が加入する健康保険組合の全国組織、健康保険
組合連合会の調査によると、74.5%の人が保険料や医療機関に受診
した際の窓口での支払いなど医療費の負担が重いと感じている、と。

 

気持ちは分かります。健康のままであり、医療機関へと受診をする
必要が無かったなら、そのお金は掛からなかったはずですので。

急な医療費を念頭にお金の計算をしている方は少ないと思います。
特にこのデフレで大企業社員も給与が減り続けていて、大きく価格
の変わっていない医療費が高いと感じるのは仕方がありません。

相対的に医療費は昔よりも単価が高くなっています。医療者サイド
からすると経費が高くなっていますし点数は引き下げられますから、
経営は決して楽になってませんが、それはまた別の話。

 

何が悲しいかというと、負担が重いと感じるのは医療に対してその
程度の価値しか感じていない訳です。

社会保険料の負担もありますけれども、窓口負担なんて高くて3割。
安ければ1割です。そして日本の医療費の単価は、世界と比較すると
相当に安い方。

中国人なんてわざわざ日本で医療を受けるためだけにやってきて、
保険に加入し受けられるだけの治療を受けていく人々が後を絶たず、
社会問題化しているほどです。

 

それで「負担が重い」と言われてしまうのは、提供している医療が
価値の薄いものと言われているのと同じで。

医療者側もその程度の価値しか感じてもらえないような現状を反省
すべきと思う部分もありますけれども、どうもそれだけでは価値観
の変化をもたらすことはできなさそうで。

制度改革、意識改革に尋常ならざる努力をしなければ、今後も倒産
する医療機関は次々増えてしまうのは確実。

 

それもこれも、20年以上に渡って続くデフレが悪いんです。

どうにかしてデフレから脱出しないと、日本人が日本国内で豊かに
なったと感じられる日は来ないでしょう。

恐らくその途中で切り捨てられてしまう人、無視される意見は多数
出てくるかと思います。残念ながらそれはどうしようもない事だと
感じます。

医療業界の凋落も、長いデフレの中で起こっている事。僕は医師と
いう職業もその波には逆らえず、生き残りたいのであればより高い
価値を見出してもらえるよう努力が必須と考えています。

 

もしくは、医療以外の道に活路を見出すか。もしも裕福でありたい
と思うのであれば、その両方をするべきか。

ポートフォリオをどう組んでいくか、医師であっても、人生設計を
はっきりさせておかなければ厳しい時代へと向かっています。

今はゆっくりと上昇する相場です。

インフレ経済での堅実な生き方を探す

幸いにも日本経済は大規模金融緩和の影響もあって、最も悪かった
時期に比べれば企業の業績は改善しており、不動産価格も上昇し、
良い方向へと向きつつあります。

消費も、消費税が増税された割には実額は徐々に増える傾向にあり、
コアコアCPI、要するに実質的なインフレ指数も日銀の掲げる目標に
到達はしないものの、ゆっくりと上向いています。

 

このゆっくりとした上向きが、日本には良い影響を与えていると僕
は感じていて。2%も毎年物価が上昇していたら明らかに賃金上昇が
追いつきません。

長いデフレからの脱却には時間を掛けてじっくりと構えるしかない、
と思っていて、黒田日銀総裁の掲げるインフレ目標が先送りされて
よかったのは間違いない。

目標通りの物価上昇が続いていたら、今頃どうなっていたか。格差
は拡大し続け、政権すら持たなかったかもしれません。

 

消費税10%への増税が迫っており、消費には水を差されてしまうの
は確実で、医療業界は消費税増税で更に苦しくなり経営が成り立つ
のか、医療崩壊が更に進まないかと不安を感じざるを得ません。

それを打破するのは、仕事に対して高い価値観を持って貰えるよう
努力をしていくしかないでしょう。

たとえいくら頑張ろうと単価上昇には結びつかずとも、まずは提供
したものがいくらであっても「高い」と思われないような創意工夫
がこれからの日本におけるビジネスでは重要かもしれません。

「高い」と思われるのはインフレに提供しているものが追いついて
いない証拠ですから。

 

これは医療に限った話ではありません。

日本は低価格である程度の品質を維持した商品が、あらゆる分野で
席捲しています。コンビニエンスストアで買える冷凍食品がお店で
食べるものより美味しい、なんて言われてしまう時代です。

価格破壊に慣れきってしまった消費者の目を覚まさせるのは並大抵
の努力では困難です。

 

僕も実は今実験をしていて、空室が出来たところを少し家賃を上げ
募集を掛けています。さほど大きな変動ではありませんが、建物が
古くなったのを計算に入れると実質は値上げです。

果たして上手く高い家賃で客がつくかは分かりません。一応逃げ場
を用意していますので空室で悩む事にはならないだろうとは思って
いますが、できれば高い家賃で決めたいところ。

今後のビジネスでは、インフレと如何に向き合い、ついていくか。
経営を安定させるためには非常に重要になるはずです。

 

難しい面もありますが、生き残りが掛かっている訳ですから、覚悟
を決めて頑張るしかないのではないでしょうか。

少なくとも僕はそう思い、医療でも他のビジネスでも必死に食らい
ついていくつもりです。

 

宜しければブログランキングも応援クリックお願いします。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

  1. アメリカも色々と大変そうです。
  2. 日経平均株価はついに2万円へ。
  3. 非正規雇用にまつわる問題はどのような方向へ向かうのでしょうか。
  4. 来年以降の国会はどうなるのでしょうか。
  5. 情報の仕入れ方が勝負を決める一因です。
  6. このまま少しずつ上昇をしていって欲しいものです。
  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

このサイトについて

不動産投資を中心に、金融・経済、そしてビジネスについてコラムを書いています。

きりのきについて


人気ブログランキング参加中です。お楽しみ頂けたら応援お願い致します。



楽待不動産投資新聞様にて時々コラムを書かせて頂いております。

2014年4月不動産投資を始める際に最も重要なリスクヘッジの仕方。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る