法人税改正並びに中小への外形標準課税が不動産投資に与える影響は?

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安倍政権の成長戦略・骨太の方針が動いてきましたね。

法人実効税率を引き下げるとの看板で動いていましたが、
その内容は決して「減税」に注力したものではありません。

私たち不動産投資家にとっては逆に「増税」になりかねない
内容となっていますので、今後の動向に注目です。

 

今のところ具体的に明らかになっているのは、現在のところ
大企業(資本金が1億円を超える企業)にのみ適用されていた
外形標準課税が中小企業へも拡充されるであろうこと。

これにより、業績が赤字であっても納税をしなければならない
ようになる可能性があります。

 

とはいえ、報道されているほどのさほど大きな爆弾になるとは
到底思えませんが。

悪くなるところもあれば良くなるところもある、程度となるかと
個人的には予想しています。

過激なことを言ったほうが反響が大きくなりますから、ネットの
媒体ではずいぶん騒がれてはいますけどね。

オフィスの広さなども外形標準課税の評価項目です。

外形標準課税とは

外形標準課税と言われても、これまでは大企業にしか関係のない
話であったためによく分からない方が多いことと思います。

僕も大まかにしか把握していません。

せっかくなので、本格的に調べてみることとしました。

 

外形標準課税とは、事業所の床面積や従業員数、資本金等及び
付加価値など外観から客観的に判断できる基準を課税ベースと
して税額を算定する課税方式のこと

 

だそうです。なぜこのような面倒な税金が作られたのかというと、
事業所やその従業員なども地方自治体のサービスの恩恵を受けて
いるのだから対価として納税をしなさいとの理由付け。

警察、消防、交通、環境、教育、福祉その他全ての行政が関わる
サービスの利用料、のようなものでしょうか。

そんなもの法人住民税に含まれているんじゃないのかと思いますが、
法人住民税は景気などにより安定しなかったり、赤字企業が得をする
といった不公平さがあるためにそれを是正するのが目的、と。

ある意味では公平さを追求した税金と言えます。

 

外形標準課税の導入により法人所得がマイナスであっても課税される
こととなりますので、よく批判の対象にされる「経費を無駄遣いして
課税を逃れる」ことのメリットが薄くなることになりますね。

外形標準課税によりきつくなるのは、純粋に事業がギリギリのライン
で成り立っているような法人。

ただでさえいっぱいいっぱいでやっているところに更に税金を納めろ
と言われても、お金なんて無いよとの悲鳴が上がるかもしれません。

 

残念ですが、国は「稼ぐことのできない企業は退場をすること」を
促す方向のようですので、厳しいようですが廃業せざるを得ないと
思われます。

そもそもそこまで経営が厳しいなら法人化する意味もありませんので、
今回の法人税改正の影響は無いような気がしないでもないです。

 

真面目に黒字を出している企業にとっては大して影響はないだろう、
と予測しています。

 

法人税改正に対する懸念

懸念されるのは設備投資費などの支出が減る可能性があること。

今までは設備投資により赤字になれば課税所得が圧縮され、納税額が
大きく減っていました。しかし外形標準課税が導入されるとその効果
が大きく落ちてしまいます。

節税まで織り込んで計上されていた支出が減ることにより、消費の低迷
が発生しかねません。

 

無駄に高級車を購入したりするのは企業価値の減損を引き起こしますから
それが抑制されることは悪くは無いのですが、お金の流れが停滞すること
は確実に悪いことです。

外形標準課税が中小企業にとってどの程度の負担となるかがまだ判明して
いませんので何ともいえませんが、バランスが悪い方向に崩れないことを
祈ります。

 

もう一つ、大企業と中小企業の格差が更に広がってしまうのは問題です。

特に事業から得られる個人の報酬は今でも比べ物にならないのが、今回の
法人税改正により更に広がるでしょう。

法人税は株主の配当への課税でもありますから。大企業の法人税減税は、
株主個人へ減税が為されるのと同じことです。その資金源として中小の
お金が使われるのですからたまったものではありません。

 

不動産投資に対する影響は

さて、では不動産投資にとってはどのような影響がありそうか、ですが。

幸いなことに、外形標準課税の理念から考えると「あまり影響はない」
と思われます。

個人レベルの投資家なんて従業員を雇ったりしませんし、事務所も自宅を
間借りする程度のものでしょう。資本金もほとんどの資産管理法人では
極めて小額でしょうから、外形基準は小規模なものです。

 

できるだけ赤字にしようと無理やりな経費を計上していたり、複数の法人
へと分散していたりする方はちょっと痛いことになるかもしれません。

ただそれも経営を改めれば影響はなさそうです。

 

一つの疑問は、休眠会社はどうなるのかな、と。

急に法人が必要になったときのために休眠会社を手元に常備されている方も
いらっしゃるかと思いますが、そのような法人の税金はどうなるか、が少し
気になります。

現時点で悩んでも答えは出ませんから深くは考えませんが……。

 

何にしろ、早いところ具体的な内容を知りたいところですね。
続報を待て、としておきましょう。

 

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