忘年会の立ち話から思う、保守的になるに伴うリスク

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忘年会のシーズンになると、普段はあまり話をしない人と話す機会が増え、
また職場では話題に上がらないような内容の話をする機会が増えます。

僕はそういった場を利用して世間の動向を調査するのですが、やはり多くの
方々は保守的というか、数字で見えるリスクを極端に嫌いますね。

僕からしてみると数字で見えないリスクの方が遥かに怖いのですが。

 

例えば経営者側からすると、病院事業で大規模な設備投資をすることに対し
どの程度それを活用すればペイされるのかを計算します。

それ自体は当たり前すぎる話ですが、それだけに囚われてしまいがちとなり
決断ができず、むしろ「設備投資をしないことによるリスク」が後々前面に
出てきてしまったりする。

小規模病院でMRIを導入しようとすると、コスト面で赤字となってしまうの
ではないかとの心配ばかりを経営者はしています。

確かに患者数が少ないと検査の枠を埋めるのも一苦労で、不安はもっともで
あると思います。

が、MRIを導入しないがために逃してしまう入院患者さんがいたり、受診が
避けられてしまったり、他に紹介せざるを得なくなる患者さんがいたり。

MRIのない病院では勉強にもならないから人も出せないと医局から医師派遣
を断られてしまったりなどという、複数の見えない大きなリスクがあります。

結局、設備投資をしないがために逃してしまう、数字では表しきれない損失
まで含めてリスクを考えるようにしないと、結局は損をしたり、経営困難に
陥ることになるかもしれません。

 

金銭的な大きなリスクを数字として見せ付けられると、どうしても保守的に
考えてしまいがちですが。

保守的になることにも高いリスクが伴う可能性について、より真剣に考慮を
しておくべきであると僕は思います。

経営者になろうというのなら尚更です。

様子を見た結果、悪化させてしまうことも。

見えないリスクを軽視すると損をする

不動産投資でも同じような悩みは多く発生します。

そもそも不動産投資をするかどうかという点からして保守的になるべきか
否かを選択する決断です。

何度もお伝えしているように、これから先の日本で終身雇用が破綻するの
はどうみても避けられません。そんな状況で保守的にサラリーマンであり
続けることのリスクをどう思うか。

これまで僕のブログやメルマガをお読みになられてきたあなたでしたら、
深く考えられているのではないかと推測します。

 

収益不動産の経営をする上でも悩みは絶えません。

退去が出てリフォームが必要となった際にどうするべきか。現状回復程度
に安く済ますことは一つの選択肢です。

お金を掛けてリフォームしても家賃の上昇なんてごくわずか。リフォーム
費用を回収するだけで何年も掛かってしまうようならささっと綺麗にして
低価格でも早くから貸した方が得ではないか。

大金をはたいて奇抜なことをするよりも、万人受けする方が安全だ。

こんな保守的な考え方もありですしどちらかというとスタンダードな考え
かもしれません。

 

が、部屋作りにおいて保守的になることは多くの同じようなライバルの中
で埋没してしまうリスクを伴います。

似たようなコンセプトの中に埋れてしまい、価格優位性が目立たないが為
入居者が決まるのに遅れが出てしまっては元も子もない。

であれば、少しでも家賃が上がり、入居率も向上するようにリフォームを
行った方が長期的に考えるとメリットとなる可能性もあります。家賃上昇
は売却時の評価額上昇にも役に立ちますし。

 

損益計算やバランスシートにおいて数字を良くしたいのであればなるべく
経費削減して効率の良い経営をした方が良い場合がほとんど。

ですが、それは数字で表れない部分でリスクとなっているかもしれません。

 

保守的になることのリスクを忘れない

数字を出して収支の良し悪しを比較するのは非常に簡単なことであって、
誰でもできてしまうことです。やるのが当然です。

慣れないと面倒ですので苦手だと仰る方も多いかと思いますが、良し悪し
が数字でできるというのは判断を迷うことが無いということでもあり。

精神的には極めて安心できる材料だったりします。

またそれらは多くの場合保守的なものであり、極めてスタンダードな手法
なことがほとんどですからそれもまた安心感があるのでしょう。

 

ですがその安心材料に乗っかりきってしまうと、数字に表れないリスクの
存在に気が付かず、誤った選択肢を選んでしまう可能性がある。

保守的な、スタンダートな戦略を取ろうとする時にそんな罠に引っ掛かる
ことが多くなります。

 

冒頭のMRIの件でもありました。通常この規模の病院であれば、MRIがない
ところがほとんどだから、との意見が。

確かにそうでしょう。小規模病院にそこまで求められても困ります。

しかし、本当に条件はその他の小規模病院と同じなのでしょうか? 同じ
であったとして、では他がそうだからと横並びでいて、本当にビジネスで
勝ち残ることができるのでしょうか?

そこまで考えてから、結論を出すべきでしょう。

 

保守的であるのは悪いことではありませんし、リベラルであることもまた
悪くはありません。

が、どちらを取るにもリスクがあることをゆめゆめ忘れるべからず、です。

安全な経営をしているつもりでも、別の視点から考えると思わぬリスクを
抱えてしまっているかもしれませんよ。

 

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