雇用の多寡、雇用の質こそが伸びる地方を見極める唯一の情報

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都市部への不動産投資で難しく感じることは、収支をどう合わせるか、です。

将来的な人口の心配をする必要はありません。既にそこに都市があるならば
20年程度で廃れるのは考えにくい。

20年前から過疎地であると言われている土地であっても多くの自治体は存続
しています。都市と呼ばれるほどに大きくなった場所から入居者に困るほど
人がいなくなるにはまだ随分と時間が掛かるでしょう。

 

どちらかというと、満室になってもキャッシュフローが本当にプラスとなる
のかだとか、税金が足かせとなって手元にお金が残らない事態とならないか
を心配すべきです。

キャピタルゲインは最終的に利益確定をする時まで得られない。それまでに
経営難で倒産してしまっては、都市部に投資した意味はありません。

最終的にプラスになる予定でもそれまでマイナスのキャッシュフローに耐え、
苦しい生活を迫られていたのでは何のための投資か分かりません。

今後、都市部の不動産へと投資をする際に心配しなければいけないことは、
利益を得るまでに収支が合わせられるかどうか、になります。

 

地方への投資はそれと全く状況が異なります。

地方不動産投資は日本全体の人口減の影響を強く受けます。中には今後10年
で消滅する自治体も少なくないかもしれません。

が、地方の過疎化問題など今に始まったことではなく。地方不動産へ投資を
するならそんなこと百も承知のはず。

 

問題は、今後の地方投資は政府の地方再編政策を受け、その格差が広がる
あろうことにあります。

一言で地方といっても、同じくらいの田舎であるにも関わらず栄えるところ
と廃れるところに二分される可能性が高い。

 

大局を読む力をつけ、どこがこの先20年に渡り栄えるかを予測することこそ
地方投資で成功するための鍵となる。

いかに目をつけた地方の実際を知るか、いかに総合的にそれを評価していく
かが、安定した経営を長期的に続けるポイントとなるでしょう。

地方でなければできない仕事もあります。

仕事のあるなしが地方格差を生む

生きる地方を判別するひとつの大きなヒントとなるのは、やはり雇用です。
雇用、生活の糧を得るための仕事のない地方に可能性はありません。

 

都市部が安定した人口を維持できるのは、企業数が多く仕事がたくさんある
からこそ。東京なんて仕事が多すぎ、都外に溢れているほど。

仕事を目当てに人が集まり、その集まった人に対して商売を始める人が増え、
更に人が増える。都市は人口の好循環が形成されているんですね。

 

それに比べ、新たな労働人口を支えるだけの仕事が無い。人口の減少も理由
の一つでしょうが、寿命が延び高齢となっても仕事を続ける人が増えている
のもあると思います。

公務員の募集が急に増えることがほぼ考えられない以上、雇用を引っ張って
地方を創生する力になるのは民間企業

仕事が少ないが為に人は立ち去り、人がいないが為にお金を稼げない地方に
民間企業が集うはずがなく、新たな雇用は生まれない。そんな悪循環に陥る
地方は少なくありません。

一部の地方では、公務員が貴族階級のようなイメージすらあると聞きます。
そんな地方自治体の未来は、最早ギリシャのようになるイメージしか僕には
見えません。

 

2010年にギリシャがデフォルト寸前となったのも、民間企業主体の経済活動
が縮小し、公務員頼みの経済構造であったからです。

日本の借金が1000兆円を超えデフォルトするなんて話は、少なくとも近々に
起こる可能性はゼロの眉唾な話。

が、地方自治体単位で考えたら実に現実的な話となります。多額の借金返済
に悩まされている地方自治体など、珍しくもなんともありません。

むしろ財政難に陥っていない自治体の方が、健全な自治体より遥かに少ない
のではないでしょうか?

 

雇用動向、企業動向を注視する

もちろん地方自治体の財政危機に国が手をこまねいて眺めているだけなどと
いうことはありえません。

ギリシャの財政危機は結局EUが救いました。ユーロの信用があったからこそ
可能であったこと。

 

そういった意味では、世界最強の通貨の一つである円を抱える日本がバック
についている地方自治体がデフォルトする可能性はギリシャよりも低いのは
間違いありません。

が、単にお金を渡して地方自治体の財政難を支えるだけでは、いずれ日本の
信用に関わるだろうことも確実。

 

だからこそ、国は今、民間主導の地方再生への道を開こうと必死です。東京
から地方へと本社機能を移転させた企業に減税措置を取る政策が具体化して
いますが、その典型といっていいでしょう。

私たちがどの地方へと投資をするかを検討するうえで見るべきは、日本政府
の政策、及びそれを受けた地方自治体の動きを観察し、どの自治体のどこに
企業が集まり、雇用が生まれるか、です。

多くの雇用が生まれれば、まず間違いなく人は集まります。それは不動産の
価値を引き上げ、長期的な安定経営に結び付くのは間違いない。

 

今、海外へと流出を続けていた企業が徐々に日本へとそれを戻しています。
パナソニックは国内向け家電製品工場を再稼働することを決定しました。

静岡県袋井市、兵庫県神戸市、滋賀県草津市に大きな雇用が生まれることと
なります。当然、人口は増え、経済は活性化します。

そんな例が今後増えていくのは間違いない。少なくとも現状の金融経済政策
が維持される間は。

 

まだ第三次安倍政権は始まったばかり。具体的にどのような政策が行われる
かは分かりません。

ですので焦って動く必要はないと思います。

まずはじっくりと情報収集し、観察をしましょう。トレンドを見極める為の
第一歩は、待っている間にどのような変化が表面化してくるかを見定める事
にあります。

 

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    • アクア
    • 2015年 1月26日

    いつも良質な記事をありがとうございます。
    トップ10入りしそうな勢いですね。
    私は、国立社会保障・人口問題研究所のデータを参考に物件購入の立地選定をしています。
    http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson13/3kekka/Municipalities.asp
    2040年にもなると、23区内でも人口減少率に結構な差がでます。

      • きりのき
      • 2015年 1月27日

      コメントありがとうございます。記事はお楽しみ頂けておりますでしょうか?

      貴重な情報、ありがとうございます。拝見させていただきました。
      こういった予測は、どの程度の期間の投資にすべきかであるとか、
      経営戦略を立てる上で大きな参考になります。

      人口減が止まらない限り先行きは不透明で、大家業も勝ち組と
      負け組みが顕著になっていく気がします。どちらに転んでも
      大丈夫なように地盤を整えることが一番大切なんでしょうね。

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