終身雇用の破綻と自己責任論の蔓延

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世の中の流れを見る限り、日本において民間企業に勤めるサラリーマンの
終身雇用が破綻するのは避けられないように思われます。

今のところはまだ正職員の立場であれば理由の無い解雇は不当なもので、
いわゆる「弱者」側に立つ労働者は法律で保護されています。

が、非正規労働者の増加や、廃案にはなったものの労働者の金銭解雇法案
は今後も審議が続くと見られ、アメリカ型の雇用体系に近づいていくこと
は間違いないでしょう。

 

それが日本にとって、日本人にとって好ましいことであるかどうかは全く
関係ありません。現在の戦後レジュームから抜け出すことができない以上、
染められていくしかないということです。

僕はそれも悪くないとは思いますけどね。この辺の思想・信条の差が右派
左派の対立の根源なのだと思いますが、僕の考えではそれが崩れる時必ず
紛争・戦争が起こりますので、だったら無理に変わりすぎることもない。

穏やかに、かつ正直者がある程度報われる世界になるのであれば、日本が
アメリカ型の労働環境になるのも受け入れられます。

 

要するに僕の考えでは次の変革が起きない限り、日本はどんどんアメリカ
に近づいていくのですが。

そうなると日本人の意識も変わっていく必要があります。日本人と米国人
のメンタルには大きな隔たりがありますので受け入れ難いことも多いかと
思いますが、少なくとも部分的には変わらなければいけない。

これは誰のためでもなく、自分自身のため、です。

責任は誰にある?

自己責任を理解する

アメリカは自由の国、です。僕はかつて、自由の国と聞いてもいまひとつ
ピンとこず、そのままスルーしていました。

アメリカのいう「自由」とは何かを。

 

それをほんの少し理解することができたのは最近です。きっかけはオバマ
大統領の掲げる医療保険改革、通称「オバマケア」に対する国民の反応を
聞いた時。

日本の国民皆保険制度はWHOから世界最高の医療保険制度であると評価を
されていると聞かされてきた僕としては、米国が国民皆保険を導入すると
議論になった時、なぜここまで争点化しているのだろうと不思議でした。

あまり深く考えていなかったこともありますけれども。

 

ですが、報道の街頭インタビューを聞いて理解しました。米国のいう自由
とは選択の自由であり、それに伴う責任を自らが負うことは当然である、
との意識がしっかり根付いているのだと。

もちろん医療的、金銭的なメリット・デメリットによる賛成・反対もある
のだと思います。が、それ以上に自己の責任に基づく選択の自由が侵害を
されることに憤慨しているとの印象を受けました。

なるほど、と。アメリカが強い理由が良く分かります。

 

社会システムを作るうえで自己責任を強く問うことは、あまりいい事では
ないとは思います。弱者や失敗者を切り捨てることに繋がりますから。

しかしアメリカは率先して自己責任を受け入れている。それではいけない
と思う人も多いからこそ議論が発生しているのでしょう。が、大部分の人
は選択の自由と自己責任が行動原理になっているように思えます。

自己責任を受け入れ、リスクのある行動を取ることができるんです。また、
リスクのある行動を取ることでもっと大きなリスクを避けることができる
こともよく知っている。

 

自己責任を明確に理解している人は、冷静にリスクを判断することができ、
行動をすることができる。

医療においても、雇用においても、投資においても、自己責任のもと選択
し、自らのために尽力できる。

社会システムが強制すべき部分では本来ありませんが個人の意識としては
人間が幸せを求めて生きるうえで非常に重要なものです。

 

『自己責任』の持つ重み

日本でも自己責任論が徐々に世論で強まっていますが、批判的な目はまだ
多いのが現実。自己責任の名の下に弱者を足蹴にしていいのか、と。

それが昨今の生活保護やら非正規労働者やらの問題の根底であることは、
誰しも理解されていることと思います。

非常に難しい話ですね。弱者を切り捨てることが善であるはずがないのは
確かですが、それでシステムが破綻してしまうのであれば元も子もない。

結局どこでバランスを取るか、の折衝をするしかありません。

 

そして残念ながらこと雇用に関しては、冒頭でも書いたように自己責任の
側面が強くなってくるのは確実です。

解雇されてしまうのは仕事ができない自分が悪い、収入が少ないのは稼ぐ
能力が少ない自分が悪い、と。

最低限の生活保障がなされているならそうなることも已む無しではあると
思いますが、社会保障費の高額化が問題視されている日本では、環境整備
が進む前に雇用の自己責任が問われる時代となってしまうかもしれない。

 

いえ、既にそうなりつつあるのではないでしょうか。

結局自分を守ることは自分しかできない。自己責任の時代です。米国人の
ように、自己責任でリスクを背負い投資をするなどして、収入の下支えを
するしかない。

雇用が突然失われるかもしれないリスクに対処するかどうかも自己責任
なるのですから。

 

解雇自由化が成立する日まで、そう遠くないように思えます。僕は、医師
という職業ですら、食えなくなる人が出てくるのではと考えています。

だからこそ、不動産投資を始めました。僕なりのリスクヘッジです。

激動の時代、2015年を既に迎えていますからね。どのような選択をするか
は自己責任ですが、せめて「どのような状況」が最もリスクが高いのかを
明確にしておくことはお勧めします。

日本人も自己責任という言葉に込められた重みをもっと認識すべきです。

 

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  1. 不動産投資をやらないのもやるのも自己責任。であるのなら、不動産投資をやる方を僕は間違いなく選びますね。

      • きりのき
      • 2015年 1月29日

      そうですね、僕もそう思います。これからは個人が活躍する
      時代になっていくと感じますので。

      自己責任感を強く持つ方は、何をするにしても成功する
      可能性は高いのではないかと。

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