不安から確からしさを追い求めると合理性を見失う

この記事は3分で読めます

いつも応援ありがとうございます。



 

日本人は、良くも悪くも保守的な性質が全体としてやや強い文化で
あるのは間違いのない話。

新しいものを積極的に取り込もうとする割には古き良きものを大切
に守ろうともします。

 

それは時に、革新の邪魔にもなるもので。外国企業からすると日本
の商習慣の古さや旧態然とした実務は不思議なものに見える様子。

未だにFAXが業務上のツールとして先進国で使われていたり、電子
マネーはおろかクレジットカードすら頑なに拒否をする人が少なく
ないのは、確かに外野から見るとおかしな光景にも思えます。

 

けれどもそれは決して日本人が遅れている、能力が低い、といった
ところに原因がある訳ではなく。

日本人が極めて強く「確からしさ」を求めているからであろう、と
僕は感じています。

「確からしさ」は利便性よりも優先度が高く。利便性の高い革新的
な技術が現れたとしても「確からしさ」が確保されなければ、また
理解できなければ遠のけてしまう。

それに加えて、不便なものを便利に改善していく能力に長けていた
のが、今の日本独特な、時にガラパゴスと呼ばれたり自虐をしたり
する環境を生み出していったのでしょう。

この日本人の性質こそ、敗戦を経ても日本を先進国たらしめている
理由の一つであり。

外国から見てどうだろうと、気にもかけずに堂々と我が道を行けば
良い、日本社会の一員として誇りを持てば良い、と思います。

いつしかサンタクロースの幻影を追うのをやめるように。

幻影を追いすぎると……

ただ、前述の通り日本人の「確からしさ」を求める姿勢は、変化の
妨げとなりがちでもあります。

社会の単位であれば中にはより強く革新を求める勢力もいますから、
時間の経過と共にゆっくりとした変化をしていきます。

が、個人の単位となると場合によっては取り返しのつかない事態に
なる危険性を秘めており。

現在のように、政治によって社会制度や環境が大きな変革を迎えて
いる時、それは顕在化するものです。

 

社会の変化は個人には止める手立てがありません。

終身雇用の終焉及び年功序列の廃止にはどんどん近づいています。
政治家の発言や国会で議論されている内容、施行されていく法律を
知れば、誰にでも理解できる話。

それが全員にとって良いことであるか悪いことであるかは全く関係
なく、民主的な方法により選ばれた人々によって、また一部の力の
強い人々の意向によって。

そうなると、無力な私たちに求められるのは環境に適応していく事。
否が応でも適応せざるを得ません。

 

終身雇用の神話が崩れ、また年功序列で給与が上がりにくくなって
きた昨今、政府は何とかデフレを脱却させようと賃上げ要請したり、
設備投資を促そうとしています。

その為の餌として、法人税減税を進めています。

法人税が下がれば賃金を多めに出したり設備投資をしたり、つまり
経費を多めに支出しても企業の手元に残せるお金を目減りさせずに
済む訳ですが。

法人税が下がっても経費を抑制し続ければ、より多くのお金を企業
の中に残す事が可能となります。

 

そんな中、本当に自分の勤め先が賃上げをしてくれるのか、という
保障はどこにもありません。

日本人の求める「確からしさ」はどこにもない。だからこそ法人税
の減税に多くの反対意見が上がります。

 

ですが反対意見を述べたところで、流れはもう止まらない。

にもかかわらず、保守性が邪魔をして自分を変えられない。社会の
変化に合理的な思考ができず、結果「古き良き」にしがみついて、
多くのものを失ってしまう。

 

バブル崩壊も土地神話にしがみつき続けた結果、大きな損失を出す
人が続出しました。

いつまでも「確からしさ」の幻影を追ってしまう危うさが、日本人
の根底に存在します。

 

総合的に合理的な道を探る

合理的に考えるならば。

法人税が下げられるとどうなるか。政府の思惑通りに賃金の上昇を
する可能性もありますし、しない可能性もあります。

であればどちらに転んでも自分の利益になるように、自身に変化を
促せばよいはずです。

賃金が上がるなら単純にプラスですし、そうでないなら企業の利益
が増えた際にそれを還元してもらえる体制を作る、つまり株を取得
して配当を得るなどを目指せばよいと僕は思います。

 

しかしそれも、「確からしさ」が不足しているために行動できない
方が非常に多い。

環境の変化に振り回されるだけになり、損失を被るのを耐え忍んで
いく羽目になります。

 

先ほども書いたように、個人では社会のように自然と調整をされて
バランスが取れていくようなことにはならない。

自分で考え、行動を起こす以外には、変化に対応できないんです。

「確からしさ」を強く追い求める、保守的な方ほど環境が変わった
際に損を押し付けられる可能性が高い。

それは、あまりにもったいない。

 

そもそも「確からしさ」は「らしさ」に過ぎず「確かなもの」では
ない事実に気がついて欲しい。

世の中に本当に確かなものなんて多くはありません。それは保守的
な考えを持った方ほどよく知っているはずではないでしょうか。

もしここまで考えても変化を受け入れられない場合、保守ではなく
ただの懐古主義なのだろうと思います。

 

日本人の特性を最大限に活かしつつ、自身の未来を作り上げるには、
時に確かでないところへと挑戦をしなければいけません。

不動産投資を始めるにしても、確かな利益なんてあり得ない話。

そうはいわれてもすぐ主義を変えられるものではありません。が、
少しずつ人間は変われるものです。

たくさん考え、まとめ、合理的な道を探して下さい。人それぞれ、
見つかった道は異なると思いますが、自分で努力して見つけた道は
正しいに違いありません。

知らない道を歩くのを、恐れすぎないで下さい。

 

宜しければブログランキングも応援クリックお願いします。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

  1. 植物が何度でも新芽を出すように、人間も何度でも新たなチャレンジができるはず。
  2. 教えるって難しいことですよね
  3. なんとなく危ないもののようなイメージを持っていませんか?
  4. ネットで部屋探しなんて当たり前の時代です
  5. 女性には女性らしい活躍を期待します。
  6. 持ち家に資産性を期待してはいけないと個人的には思います。
  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

このサイトについて

不動産投資を中心に、金融・経済、そしてビジネスについてコラムを書いています。

きりのきについて


人気ブログランキング参加中です。お楽しみ頂けたら応援お願い致します。



楽待不動産投資新聞様にて時々コラムを書かせて頂いております。

2014年4月不動産投資を始める際に最も重要なリスクヘッジの仕方。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る