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建物を取り扱うというのは大変ですね。
例によって診療所の修繕についてなのですが、そろそろ大詰めか
と思えば別の問題が出てきます。
僕の知識が全く不足しているのが問題なのですが、そもそも素人
が理解できるものではありません。こちらにできるのは、希望を
伝えるところまで。それが実現できるかまでは考えが及びません。
例えば、部屋を広くすると天井が低いままだとかえって圧迫感を
感じてしまう、なんて想像もしませんでした。言われて想像する
と、確かにそんな気もしてきます。
実際にその場に立ってみないとどのていど不快に感じるのか、は
分かりませんけれども、広い場所は確かに天井が高い。とはいえ、
そこは無いものねだりになるので無視することにしました。
他、建物を設計するに当たって吸排気をどうするかは大切な要素
であったようです。一般家庭程度の、人口密度の少ない所ならば
あまり考えなくて良さそうですが、大人数だとそうもいかない。
狭い部屋に大勢閉じ込められるのがどれだけ不快であるかは想像
に容易いものでした。しかし、それも素人には想像の及ばない点
でした。
そうした、建物設計の基本的な部分の知識欠如が、修繕の計画を
難しくしています。出来る出来ないは専門家次第ですから不可能
なことは不可能と言ってもらえればいいのですけれども。
彼らもプロです。いきなりできませんとは言わず、何とか実現を
しようと頭を悩ませてくれます。こちらの無茶ぶりが悩みを増加
させ、設計を難しくしてしまっています。
今のところ全てを何とか計画立ててやってくれていますけれども、
最終的にそれはコストに転嫁されますので結局のところは自分で
自分の首を絞めているのと同じ。
最終的に出てくる費用の数字がいったいどれほどのものになって
しまうか、今から戦々恐々としています。
不安から過剰投資に走りがち
建物の設計について打ち合わせをしていると、話が進むにつれて
あれもこれも、となってしまい、コストがかさむ方向にしか話が
進んでくれません。
それはある意味当然で、できるだけ良いものを作りたい、という
希望もあり、委託された側としては総額が大きくなればなるほど
稼ぎも大きくなるのもあり。
しかもできることなら妥協せずに実現できる事を全て実現したい
と考えるのが自然でしょう。後から、やはりああすればよかった、
と後悔するよりは、と。
それもある意味で正しいです。
後から是正をしようとすると、継ぎ接ぎになって利便性が不十分
になったり不細工になったりしますし、お金も余分にかかるもの。
必要な設備や機能については、できる限り詰め込みギリギリまで
空間を活用する方向で考えた方がいいです。
余裕を持った設計で妥協をすると、数年後には大体後悔します。
あれが足りない、これが足りない、と。多少のコスト増大には目
を瞑り、突き詰めるべきであると思います。
が、それも「どれ程の収益性を実現できるか」で受け入れ限界が
決まってきます。
あれもこれも、となる中では収益性とは全く無関係な部分が多分
に含まれているもの。
初期コストの増大は融資総額の増大に繋がります。融資の金額が
増えると利払いも増えれば毎月の元本返済額も増加。結果として
キャッシュフローが悪化します。
一次的なキャッシュフローの悪化で、将来的にプラスになるので
あればいいでしょう。
今回で言えば、病室や手術室の整備は一時的には大きく収益性を
損ないますが、入院患者が増え手術が行われる事で収益を大きく
プラスにできる可能性を秘めています。
ですから、そうした機能については徹底的に可能性を詰め込んで
置いた方が良いと考え、ギリギリまでスペースを活用しています。
が、ありがちなのが「もし上手くいかなかったらどうしよう」と
不安に感じて、過剰なサービスにより人を集めようとしてしまい
過剰な設備に過剰なコストを掛けてしまう事。
できる限り環境を良くしようと、例えば入浴について良い設備を
設置し過ぎてしまうと、運用にお金が必要、維持をするにもお金
が必要、修繕にもお金が必要、と経費は増大するばかり。
しかも、それが入院患者の増加に繋がるかというと、そこは本筋
とは全くかけ離れている部分であり、病院に入浴目的で入院する
人間などいないことを考えれば全く繋がらなさそうです。
かえって環境が良くなりすぎて、退院させるのに苦労する羽目に
なりかねません。
何が「本当に」必要なのか、は建物の設計を検討する際には常に
忘れてはならないでしょう。
推敲に推敲を重ねる
過剰なサービスは「招かれざる客」を引き寄せる原因となる点も
忘れてはなりません。
あくまでも事業においては経営の安定が第一。その妨げになる人
は客ではありません。
サービスをすればするほど、更なる物を欲しがる人はどこにでも
現れます。病院でも退院をごねる人には時折出くわします。
過剰に気を遣えば遣うほど、そうした人と出くわす頻度は増える
のを忘れてはいけないでしょう。譲歩とは更なる譲歩の引き金に
なり得る諸刃の剣です。
設計段階から既に戦いは始まっています。
いかにして必要な設備、機能を導入し、過剰設備投資を避けるか。
そのバランス取りこそが、経営者の腕の見せ所なのは間違いない。
尚、事業向けの建物だけでなく自宅でも同じである点にもご注意
下さい。
過剰な住宅投資は人生のコストを悪化させる主要因の一つです。
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