東京都心の不動産価格が高騰し、なおも売れる理由

この記事は3分で読めます

いつも応援ありがとうございます。



 

誰しも、東京の一等地にいつかはマンションを所有したい、なんて思った
経験があるのではないでしょうか。

僕も本当の意味で資産家になれたとしたらそれもいいかな、と軽い気持ち
でそう考えたことがない訳ではありません。

が、本心を言えば、やっぱり絶対にいらないな、と思います。

 

中国が鬼城だらけで地方はゴーストタウン化している、なんてニュースを
聞いた方は多いでしょうし、こちらでも何度か話題に取り上げています。

マンションどころか、ニューヨークやロンドンにも負けない証券街を作る
べく何兆円もの資金を投じて、中途半端に建設して投げ出したままの場所
もあるそうですが。

都心にこのところ建設されている新築マンションを見ると、日本はとても
中国の事を笑える立場ではないな、と思わされます。

まともな物件もあるでしょうが、酷いものも目立ちます。とにかく利回り
を良く見せるために狭小単身向けで戸数を増やすように作られていたり。

いくら東京とはいえ、狭小マンションにそんなに入居者を集められるのか
との疑問が生じます。単身向けマンションに実需はほとんど無く、賃貸用
(投資用)として分譲して売るのでしょうから。

結局、そのような物件は似非投資家、ほぼ素人のお金があるか属性が高い
人間に向けてセールスされ、裁いていくのでしょう。時にサブリースなど
の甘い誘惑もつけて。

 

都心一等地の投資用マンションには、このようにして作られた人口密度の
極めて低い建物がたくさんあるのでは、と感じます。見渡せば入居者募集
の看板を掲げているマンションだらけ。

中国のゴーストタウンと違って東京には狭い敷地に多くの人がいるので、
目立たないだけなのではないでしょうか。

今後2050年までには東京の人口も随分と減少するとの試算がある中、東京
は廃墟だらけの都市となってしまうのではないか。

そんな一抹の不安を感じざるを得ません。

東京の年評価は世界的にも最高レベルではありますが……。

海外からはまるで違って見える

更なる問題点として、マンションを購入している層の多くに外国人投資家
特に中国人投資家が多い点が挙げられます。

言語の同一性からか、情報共有により台湾からも買われています。

そこには富裕層の膨大な資金力、不動産に対する法の違い、そして為替と、
複数の要因から日本の不動産が魅力的に見えるのだと思います。

特に、異次元の金融緩和の影響による円安、米国の緩和策終了の出口突入、
利上げ期待によるドル高から、日本の不動産は海外から、本当にお値打ち
価格に見えるのではないでしょうか。

バーゲンセールでもやっているかのように。

 

私たちが日本の内部から見ると、投資資金の流入による物件価格の上昇が
家賃上昇を伴わずに起こっているため利回りは低下し、お買い得感は以前
よりも明らかに落ちているのですが。

相対的に通貨が円より高くなっている国からすると、不動産価格は明確に
下がって見えているはず。

中国人民元も2年前と比べると50%以上高くなっていますし、今後も同傾向
が続けば、日本への投資は加速する可能性は高い。

これまで何度かテレビでも報道されてきましたが、中国人による日本国内
の不動産「爆買い」はこれからが本番ではなかろうかと見ています。

 

売れるから作る。この繰り返しで、都心には今後も投資用マンション新築
が続くのではないかと見ています。少なくとも2020年東京オリンピックの
タイミングまでは。

そして、空室だらけのワンルーム狭小マンションばかりになり、実需層に
とってはとても住みにくく、ビジネスも成り立ちにくい都市に変貌をして
しまうのではないかと。

非常に心配です。

 

都心の不動産価格を世界が決める時代

もっとも、安全保障問題で米国と衝突するような事件がなければ、ですが。

また、経済的にも未だ国内の格差が極めて大きい中国では内需が育たず、
輸出依存から抜け出せていません。

国内産業の育成も、外需に依存している面が大きい。

 

そんな中国の通貨高は、中国経済に大きな悪影響をもたらします。かつて
日本が通ってきた道です。

無茶苦茶な法律で現存する企業や工場などは中国国内に強く縛りつけては
いるものの、新規の投資が入ってこなければ経済成長の見込みは低迷確実。

中国は投資に依存して成長を続けてきました。投資依存型の経済は成長が
止まると生きていけません。

弾けないバブルは無い、との言葉通り、成長をし続けられる仕組みは今の
資本主義経済では不可能であり、中国の経済崩壊は確実なところ。

 

ではそんな時に、中国人が購入した日本の、東京都心のマンションはどう
なるでしょうか?

建設途中の投資用マンションはどうなるでしょうか?

 

契約不履行をされたとしても、日本に住む人間を補足するのと違い、探し
出して契約履行を強制するのは困難。

中国経済が崩壊しているニュースが流れる中では、日本人も投資への意欲
が大幅に落ちますので、少なくとも新築の投資用ワンルームマンションを
購入してしまうような層は聞く耳を持たぬでしょう。

つまり新たな購入者は見つけられない。

 

もしかしたら鬼城どころか、建設途中で投げ出されてしまうような物件が
そこかしこに残る自体にもなりかねません。

既存のマンションも、東京都心とはいえ暴落は避けられない。

 

自身で決められたことにとやかく言いませんが、東京の物件なら安心だ、
儲かりそうだと期待して安易にセールスに乗るのはお勧めしません。

今一度、よく考えてから契約書にサインをして下さい。

 

宜しければブログランキングも応援クリックお願いします。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

  1. 冬の急流を泳いで渡るのは無謀です。
  2. ロシアンブルー
  3. ホテル業界が黙っているとも思えません。
  4. ロボットによる人件費削減は大きな益をもたらすとともに、脅威でもあります。
  5. 己を知れば迷うことなんて何一つなく、人生の選択ができるはず。
  6. イメージをうまく利用してビジネスを有利に進めたいところ。
  1. 都心だから、大丈夫だろというのは確かに安易すぎますよね。でも、自分で管理がしたいからという視点で都内近郊在住の方が、都内の物件を購入するのはありだと思います。

このサイトについて

不動産投資を中心に、金融・経済、そしてビジネスについてコラムを書いています。

きりのきについて


人気ブログランキング参加中です。お楽しみ頂けたら応援お願い致します。



楽待不動産投資新聞様にて時々コラムを書かせて頂いております。

2014年4月不動産投資を始める際に最も重要なリスクヘッジの仕方。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る