効率とリスクのバランスの取れたポートフォリオ組み立て力こそ投資家の力。

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年が明けてからというものの、日本の景気の話になると必ずといって
いいほど出てくるのが、「中国の爆買い」という言葉。

僕は正直この言葉が嫌いです。そこそこお金を落としてくれてはいて、
それは決して悪い話ではありませんが、日本経済全体で中国人旅行客
が購入した金額なんて、極々一部。

それを煽るように言い続けるメディアには、ほとほと呆れます。

 

外国からの旅行客を増やそう、との政府の考え方には賛成です。今後
世界はより大きなひとつのうねりとなっていくでしょうから、日本も
その潮流には乗らざるを得ない。

であれば、巻き込まれて流されるよりも自ら流れを読んで潮目に乗る
方が遥かに安定します。

今はそのほんの走りの部分に過ぎず。しかしここで方向性を見誤ると
波に乗れず海に飲まれる結果となるでしょう。

中国は大国です。人口も世界トップで、経済規模も大きい。政府発表
のように成長を続けている、これからも続くとは全く思いませんが、
相当なお金が貯まっているのは間違いない。

ですが、中国に依存するようなことはあってはならない。別に中国が
危ない国だからとか、そういう意味ではなく、単に一つの存在に依存
をするのはリスクがある、ということ。

今は一時的に小康状態に陥っていますが、中国のバブルが弾けている
のは紛れもない事実で。

それがいつ最大化するかが分からない以上、中国人旅行客向けの商売
に力を入れすぎるのは危険過ぎる。

 

もっと様々な国へと日本を広報し、幅広く安定して質の高い旅行客を
集められるような方向へと徐々にシフトしていくべきでしょう。

もちろんお偉いさん方はそんな事分かっているでしょうから、きっと
そうなっていくのだろうと信じています。

どのような絵を描くか。投資家としてのセンスが問われています。

集中投資が抱えるリスクを認識する

やはり、ビジネスというものは一つのものに依存しすぎるのはリスク
が大きすぎます。

かのシャープも、液晶技術に依存しすぎたためにディスプレイ価格の
暴落による損失が大きくなりすぎたのが凋落の原因。

Appleも先日の決算発表時、好決算であったにも関わらず株価が急落を
しました。iPhoneの販売が市場予測よりも低かったため、です。Apple
にとってiPhoneの存在がどれほど大きいかを表しています。

また、Appleの関連企業も軒並み株価が下落しました。Apple依存が強い
企業ほど、大きな影響を受けています。

 

不動産投資においても、一つの不動産に依存をしてしまうのはリスクが
高いと何度も書いてきました。

入居者を一つの施設に頼りきりの物件は時にリスクが高くなる話、一つ
の地域に固めて物件を構えるのは災害などに弱い話、少ない戸数で経営
をしていくのが空室リスクが高まる話。

一つに依存するのは危険である、との一言で、ビジネスにおけるリスク
の質問に相当に回答を返せます。

 

効率的に支障がないようであれば、収益源は分散されるに越したことは
ありません。

手を広げすぎるのもまたよくはありませんが、それは極論というもの。

リスクマネジメントのために分散をするのは古典的ですが極めて効果の
高い方法論です。

 

株式でのお話になりますが、手持ちの資金を一つの銘柄へすべて投じて
しまうのは危ない、と誰もが言います。

もし悪いニュースで株価が急落してしまったら一気に資金が目減りして
しまい、取り返すのが困難となるからです。

投資でもそうなのですから、より複雑に考える必要があるビジネスでは
もっと重要なものであると強く認識すべきでしょう。

 

ポートフォリオの構築センスを磨く

資金が少ない時は分散しろといわれても分散のしようがなく、リスキー
な状況が続いてしまいます。

ある程度致し方ない話ではありますね。分散投資はリスクを減らす代償
に利益効率を捧げます。

資金が少ないのに分散投資をして利益効率を失っては稼げないどころか
リスク分散のための次の資金を貯めるまでに時間が掛かりすぎてしまう。

 

ですので、矛盾をするようですが資金が少ない間は分散によるリスクの
縮小よりも投資効率を求めるべきであるとは思います。

後からリスクを減らしていく考えです。僕はこの考えのもと、今は分散
を心掛けて徐々にリスクを小さくしていっている段階。

当初高いリスクを背負う覚悟があるならば、方向性としては正しいもの
と考えています。

 

要するに自分の資産状況などによって分散投資によりリスク軽減を図る
か、集中投資により利益効率を高めるか十分検討のうえ、集中と分散の
バランスを取っていきましょう、ということです。

どの程度のバランスが適切なのか、に関しては明確な数値を提示するの
は困難ですから、そこは経営者としてのセンスが求められます。

 

この点に関して人に尋ねる際に、注意点があります。

物を売る立場の人間にとっては、リスクのあるものを勧めたいのが本音。
リスクを取ってでもガンガン買ってもらえれば、儲かるからです。

無償で相談に乗る人間にとっては、低リスクのものを勧めたいのが本音。
高リスクのものを勧めて失敗し損失を出した時に、責任を負いたくない
からです。僕もリスクの高いものは積極的に勧められません。

 

どちらに尋ねても、偏った意見が返ってきます。どちらを選択するかは、
自分次第。自身にとって正しい選択を選べるのは、自分しかありません。

つまり、己を知ることこそ、正しい選択をするための最大のポイントだ
という事、です。

考えるべきは山ほどあります。お互い、頑張りましょう。

 

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