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不動産というものは人間と同じように老いていくもので。
何年も付き合っていると、細かなところから大事な部分まで様々な
トラブルが起きてきます。
特にRCマンションはその躯体が大きい分だけ老朽化による修繕費は
かさみます。長い目で見ると得られる利益と比較すればさほど高額
であるとは思いませんが、瞬間的には非常に大きく感じますね。
例えば今僕はポンプの交換やエレベーターの交換といった、極めて
大きな課題に直面しています。
どちらもすぐになんとかしなければいけないようなトラブルが発生
している訳ではありません。単純に「交換時期が近づいているだけ」
です。
しかし、どちらも最重要設備。問題が発生してしまえば金銭的損失
どころか入居者さんの安全に関わるもの。
絶対になあなあに済ませていいものではない。
ポンプの交換は以前一度経験しており、その時は配水が不能となり
緊急事態でした。現在交換に直面しているのとは別の建物の話。
結局丸ごと交換し、100万円ほど掛かってしまったのですが、大事に
至らずほっとしました。当問題で退去をされた方は誰一人いません
でしたので、交換時期のポンプを交換しただけに終わりました。
助かったのは、単純に資金が十分手元にあったためだと思います。
もしお金が無かったら、どこかからか借りてこなければいけません。
緊急時にそんな時間があるはずもなく。
物件購入後はそれまで以上に資金の移動、消費を縛り、十分以上に
金銭的余裕を持っておかなければいけないと強く思った次第です。
中古不動産を購入するなら尚の事。
当面の課題であるポンプやエレベーターの交換にも、これから十分
備えなければいけません。
毎年の経費バランスも考えつつ、税理士さんと相談しながら適切な
タイミングを見極めていこうと思います。
住宅維持にはお金が掛かる
実際問題、それを実感するのは収益不動産についてばかりではなく、
自宅であっても同じで。
僕は賃貸住宅住まいですが、今の賃貸環境は少々特殊で、親族から
借り受けている状態(賃料は毎月ちゃんと支払っています)。
その為、ろくにリフォームもせず住んでいますので、種々の設備の
老朽化が激しくて。
エアコンなんか未だにガスインバーター式ですし、キッチンも古い
ものをそのまま利用していて、昨今は引き出しが壊れたり、3口の
ガスコンロが一つ着火しなくなってしまったり。
それを交換しようとすると多大なお金が掛かってしまうものだ、と
強く感じます。
もし自分の住宅であれば、それらを支出していかなければならない
わけで、相当なお金を必要とする。
賃貸に出せるようなレベルまでリフォームをしようとすれば200万円
は掛かるのではないかなと思います。
住宅は買ったほうが得だと主張する方は少なくありませんが、細か
な維持コストまで含めると僕にはやはり疑問が残りますね。
ちなみに全く個人的な話なのですが、今の住まいにいつまで住むか
未定な状況である以上、10万円単位のお金を掛けて今すぐに修繕を
する気にどうしてもなれず。
また、大家である親族にお金を出せとも言える状況ではなく。
次々と不具合が出つつもそのままでも何とか暮らしていけるからと
いう理由で、ボロ家のままで住んでいます(笑)。
人を招いたりする時にちょっと困らないでもないのですが、自分の
ものでもない家にお金を掛けるくらいなら将来の為に取っておこう
との意識を妻と共有する事に成功し。
日々、どうしようかねぇといいながらも見ない振りを続けています。
所有住宅でないからこそ選択できる荒業的節約ですね。
そういえば、キッチンの電灯も切れたまま……。
小額修繕費は最大の経費
そして、このような部屋の設備による修繕費は、当然ですが賃貸に
出す物件にも襲ってきます。
正直、馬鹿にできません。普段意識しないけれども高額な機器は、
住宅には想像以上に多い。
ガス給湯器は交換となれば10万円以上掛かり、エアコンも空室対策
にと設備として設置していればワンルームでも数万円から10万円弱。
それらが戸数分だけ費用発生する可能性が常にあり。
15年程度使えば交換を余儀なくされる類のものですので、売れ筋の
築年数の中古不動産では購入直後に一斉に交換の必要性に迫られて
おかしくありません。
これらはポンプやエレベーターといった大きな共用物の陰に隠れて、
経営を強く圧迫する要因になり得ます。
30戸程度のマンションで15年の間に1戸あたり20万円の機器の交換を
必要とすると、600万円。
エレベーターのリニューアル工事ができてしまう金額で。
他にも細かな修繕は度々発生するもので、税金も物価も上昇すれば
大家の費用負担は上昇する一方。
そう易々とは値引き交渉に乗ってはいけないと思わされる費用です。
自動車も老朽化すると徐々に維持費が高くなっていきます。それと
同じように、不動産も老朽化で維持費用は相当に掛かるもの。
売買されるタイミングというのは得てしてそういった老朽化による
経費が多く掛かり始めるタイミングで。
中古不動産は利回りが高いですが、それらの費用をコミでの利回り
である事実を忘れてはいけません。
普段、中古不動産へ、大型RCマンションへ投資するメリットばかり
をどうしても強調してしまいがちですので、たまにはリスクに着目
をした内容で書いてみました。
結局、経営が成り立っているのですからそれ以上に利益が出ている
のが本当ではあるのですが。
短期的には老朽化で厳しい目を見るケースが結構あるのもまた事実
でして、それらは覚悟をしておくべきかと思います。
特に、単価の低くなる地方物件ではお気をつけ下さい。
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