所得税との付き合い方。ただ節税をすればいいというのは間違っている。

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いつも応援ありがとうございます。



 

所得税は不公平感を生み出す原因の税制の一つです。
理由は不動産投資と所得税で示したとおり。

 

別に、所得税に変わるナイスな税制改革のアイデアが
僕にあるわけでないし、富の再配分、格差是正という役割が
国にあるということも分かっています。

また、複雑怪奇に絡み合っている今の日本の税制において、
もはや公平で最適なバランスを取ることなど不可能ということも
十分理解しています。

ですから、この税金というカテゴリにおいては日本人的な
「仕方ない」というメンタリティをもって、定められたルールのもと
なんとかやりくりしていく、という選択肢以外はありません。

ルールから逸脱し過ぎてしまうと、最悪刑事罰となって
自分に返ってくる。因果応報です。

 

大魔王からは逃げられない。
お金のことを語る上で税金、特に所得税については避けられない話。

それを踏まえた上で、私たちサラリーマンがどう行動していくべきか。
この先の時代を自由を失うことなく生きていくために、
限られた選択肢のうちどの道を選ぶべきか。

所得税との付き合い方について、現実と僕の考えを書いていきます。

大魔王からは逃げられない

細かい節税テクニックは税理士さんへ依頼を

税金の細かい話となると、多くの人はだんまりを決め込むか、
誰でも分かっている法律上の定めしか口に出しません。

何故か。
やましいところがあるからでしょうか。(笑)

税務調査に入られたら堪らない、と。
痛い腹でも痛くない腹でも探られるのは嫌なものですからね。

 

ただ、世の中のほぼすべての個人事業主が、
必要経費という言葉を巧みに利用して私生活にも役立てているのは、
公然の事実。

もちろん、税務署も分かっています。

ただ、建前をしっかりしてルールを逸脱し過ぎないように、と。
税務署はそう睨みを利かせています。

 

今日のお話は、所得税の節税方法のテクニックを
伝授するわけではありません。

どのような細かい節税対策をするかどうかについては、
自分で判断するか、税理士さんに相談するのがいいでしょう。

 

事業で赤字決算が許容される2つの条件

では何を話そうかというと。

不動産投資において、ギリギリまで税金対策をして
所得税を可能な限り支払わないようにすることが
本当に正しいことなのかどうか、ということ。

 

個人事業主に対する世間のイメージというか偏見の一つに、
わざと赤字にして税金を全然払っていない、というものがあります。

確かにそういうことをしている人もいます。

事業拡大を目指そうとしていない事業者にとっては、
税金をできるだけ支払わないことが自分の使うお金を増やし、
生活の質を上げることに繋がります。

 

ただこの戦略を取るには二つの条件が必要です。

1.事業拡大を目指さないこと。
2.今の業績を永劫に維持すること。

この前提がなければ赤字戦略は成り立ちません。

 

そして、不動産賃貸事業に限って言えば、
いかにこの戦略が愚かであるか、すぐに分かります。

 

不動産投資で赤字決算では続かない

まず、前述の2つの前提。
これは不動産賃貸事業では成立しません。

不動産賃貸事業は、事業拡大をどうしても目指さなければ
いけない事業です。それは、どうやっても現状の業績を
何も変えずに維持し続けるのは不可能だからです。

 

町に根付いた伝統的な蕎麦屋などであれば、
永劫というのはちょっと大袈裟ですが何も変えることなく
長い間業績を維持し続けることができるでしょう。

創業100年とか、江戸時代から続く老舗などはこれに当たります。

元々変化を求められていませんから、
自分から変化したりしなければ現状維持が期待できます。

 

ですが、不動産賃貸事業は根本的に不可能です。
洗練された技術は古くなりませんが、
建物の老朽化から逃れる術はありません。

正確には維持の仕方次第で建物の寿命を大きく伸ばすことは
可能ですが、日本における築古物件への悪いイメージは
変えることができません。

築年数が長くなれば、家賃は下がるんです。

 

業績を維持し続けるだけでも、拡大戦略は不可欠。

意図的な赤字を続けることによる節税対策は、
戦略として成り立ちません。

節税のために海外旅行? 目的と矛盾していませんか?

節税のし過ぎは信用を失う

どうしても拡大戦略を取り続けないと
いけない宿命にある、不動産投資。

不動産投資で赤字を出すというのは、
その拡大戦略に大きな支障をきたします。

 

初年度は初期費用が大きいため赤字になるのは当然で、
そこは容認されますが。赤字が続くと、事業としては
あまりうまくいっていないという評価を受けます。

金融機関からすれば、赤字続きの事業者への融資は
あまり積極的にはなれないでしょう。

 

事業を拡大するにあたり融資を受けるのが当然である
不動産賃貸事業では、金融機関からの評価が下がるのは
致命的です。

リフォーム費用を借りることすらできなくなったら、
破産へのカウントダウン。
負の悪循環へ突入し、遅かれ早かれ手詰まりとなり。

節税のし過ぎが、希望のあるはずだった未来を壊す結果をもたらします。

 

お金を多く手元に残すには税金を払うしかない

結局のところ所得税の税金対策というものは、
分散や減価償却費など特殊なもの以外、
税金を払うくらいならお金を何かに使ってしまおう、
という考え方を基本としています。

手元にお金は残りません。

 

お金を手元に残したいなら税金を支払うしかない。
であれば、黒字決算として堂々と所得税を支払う方が、
よほど得ではないかと考えます。

私たちの目標は、目先の小さな贅沢をすることではなかったはずです。

これは、以前もどこかで書いた気がしますね。

 

ついでに細かいことを言うと、これも以前言及しましたが、
不動産所得が赤字の場合、土地融資分の利子は
必要経費に算入できなくなります。

不動産投資では赤字決算としている時点で
既に損をしているということも覚えて置いて下さい。

 

一歩進んだ節税対策。自己投資をして新規事業開拓を

これまでは一般的にもよく言われる話です。
僕はこれに、一つ意見を付け加えたいと思います。

 

黒字決算として所得税を支払いなさいというのは
その通りだと思いますが、それでも支払う税金は
少ない方が自分のために多くお金を使えます。

そこで僕が提案したいのは、当初から何度もお伝えするように
何らかの事業を起こすこと。

新規に収益不動産を購入する予定がしばらくないならば、
なおさら新規事業を立ち上げるべきと考えています。

 

不動産投資で得た所得を次の事業に一部活用することは、
悪いことではありません。

事業という形でスタートしてしまえば
勉強代含めて全て必要経費とすることができますから、
最高税率だったとすれば自己投資が半額でできることになる。

自己投資こそ絶対に失敗することのない最高の投資。
ステージを上げるためにも、不動産投資収入は事業立ち上げ、
自己投資に使うのが一番効率の良いお金の使い方と言えます。

 

ついでに、手がける事業が増えることで、通信費などの
按分を増やすことも可能となり、節税効果は更に高まり。

これも一つの分散投資と言ってもいいかもしれません。

 

もちろん無駄に使い過ぎて不動産経営に影響が出てはいけないので、
金銭的リスクが低いビジネスを選ぶ必要はありますが。

ネットの時代となった今、個人でも費用をかけずに
起業をするのは容易なこと。

 

僕もすでに第3の収入の柱作りに取り組んでいます。
時間的に余裕がある人は今後のためにもぜひチャレンジしてみて下さい。

所得税と上手に付き合っていくには、
より自分の可能性を広げていくことが
最大のポイントですよ。

 

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  1. な、なるほどーー;
    お金を借りる際のことも
    考えないといけないのですね^^;

    勉強になります

      • きりのき
      • 2013年 5月27日

      不動産投資の難点は、融資を受けてスタートした場合は
      拡大戦略を常に考えていかないと手詰まりになることなんですよね。

      それには融資を受け続ける必要があることを
      常に考えて行動しないといけないと思います。

      お金を貸してくれなくなるってことは、
      信用を失うのと同義ですからね。

    • なかむら
    • 2015年 9月5日

    きりのき様

    いつも貴重な記事を読ませていただき、とても勉強になります。
    ありがとうございます。

    私も所得税の事をいつも考えているのですが、賃貸業+新規事業を行う事が良いのでは?
    と考えているところでした。

    銀行さんからの信用も大切にしながら、収入の柱を増やして色々と実現させて行きたいですね。

      • きりのき
      • 2015年 9月7日

      コメントありがとうございます。

      手が及ぶ範囲であれば、複数の事業を抱えるのはリスク軽減にも
      つながり、資金効率も上昇しますので、個人的にはかなりお勧め
      したい方向性です。

      資金が分散してしまうので、お金の余裕をあまり感じなくなる
      という欠点もありますが。。。

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