米国の政策金利を0.25%引き上げ。日本への影響は?

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米FRBが1年ぶりに政策金利の引き上げを決定しました。

予想されていたことでしたので何の驚きもない話ですが、金融市場
は大きく揺れ動いています。

一番大きく動いたのは、ドルの価値です。特にドル円相場は直後に
大きく円安方向へ動き。200pips以上の変動がありました。

それと共に、日経平均先物は多少の上昇を見せましたが、円相場の
動き程には上昇しませんで。米国株式もドル高に引きずられ僅かに
下落、金も原油も下落、という方向。米国債も下げ、利回り上昇。

 

果たしてお金はどこに移動したのでしょうか?

正直よく分かりませんが、とりあえず米ドルが相当に買われたのは
間違いありません。為替市場だけでお金が動くのは珍しいですが、
予想通りの利上げにヘッジファンドが投機しただけかもしれません。

これを書いている時点ではまだ昨夜利上げを実施したばかりの段階。
今後どうなっていくかは、もう少し時間が立ち、市場がどのような
反応を示すかを待つしかないでしょう。

一番気になるのは、今後FRBが更なる利上げをどんなスケジュール
で引き上げていくか、です。

今回の発表では、2017年は3回利上げをする予定、とイエレン議長
は公表しましたが、昨年も同じような宣言をして、結局は今回12月
の利上げ1回に終わりました。

FRBが、米国経済が順調なままで、金利を年3回ペースで引き上げを
実施できるのが理想である、と考えているのは分かりますが、そう
理想通りにいくかは不明です。

トランプ次期大統領の真の実力も未知数ですし、そもそも米国だけ
利上げを実施して他は低金利のままでは極端なドル高となり、米国
は貿易赤字が拡大してしまいます。

そう都合良くいくと考えるのは楽観過ぎでしょう。

このまま来年も米国金利は上昇するでしょうか?

金利上昇圧力

まあ正直、米国の金利に大きな興味はないんです。ただ、円相場や
日本の金融政策に影響を及ぼす可能性があるので、仕方なく注目を
しているだけ。

特に、日本の長期金利に変動に影響するのは不動産投資家にとって
厄介な問題。家賃がそう簡単に引き上げられない以上、金利上昇は
確実に私たちの利益を圧迫します。

今のところ日銀の長期金利をゼロ%程度に維持するとの金利抑制策
はうまく機能しているようですが、米国の利上げが続けば果たして
どこまで抑え込めるものか。

これまでの日本の金利動向推移からすれば、そう簡単には市場金利
の上昇へと結びつくとは思えませんが、今は不確定要素が多過ぎて
あまり楽観視をしていられないように感じています。

 

もちろん、上がるにしてもさほど大きくは上がりません。もし急激
に金利が上昇をしたら、日本中の企業、及び日本政府だけでなく、
住宅ローンを組んでいる方にまで影響し、亡国まっしぐら。

それだけは何としてでも阻止されるでしょう。

しかし多少の金利上昇は容認されるかもしれない。そうしたら融資
を組んでいる人だけが損をして、金融機関の損失補填をさせられる
結果となりかねません。

不意の金利上昇に備え、元本の圧縮を準備しておくべきでしょう。

 

金利上昇時代が到来するとしたら、投資をするのは極めて正しく、
大きなアドバンテージです。

金利上昇はインフレの証拠であり、物価が上昇するなら貨幣をモノ
に換えておくのは常套手段。アベノミクス前から投資をしていた方
の中には大きく資産を増やした方がいたのは記憶に新しいはず。

今後、金利が上昇傾向となるなら今から投資をしておかなければ、
また置いてけぼりになります。

 

ただ、不動産投資は融資を受けてするもので。投資よりも事業的な
側面が強い以上、収支バランスの方を重要視しなければならない。

普通の投資であれば金利上昇はメリットの方が大きいはずなのです
けれども、不動産投資にとってはマイナス要素だらけ。

 

金利が上がれば経費が増えますから、手残りは確実に少なくなる。
キャッシュフローはどうしても悪化します。

また金利が上がると売買が難しくなる為、不動産価格は下がります。
不動産を所有している人間にとっては、資産価値の下落に繋がる。

既に不動産投資に踏み込んでいるならば、先手を取って調節をして
いかなければ、厳しい経営局面に陥る可能性もあり、決して楽観視
しすぎないように気を付けて下さい。

 

金利上昇は投資のチャンス

ただし、金利上昇は利回り上昇でもあり、新たな投資をする立場に
してみればチャンス到来。

先ほども書いたように、金利が上昇すれば不動産価格は下落します。
ですが、家賃は下がらないでしょう。むしろインフレが長引けば、
家賃にも上昇圧力が働きますしそのうち不動産価格も上昇する。

現に、上昇はしていませんがここのところ築年数が進んでも家賃は
下がりません。1年1%の下落を予想していましたが維持されていて。

 

インフレと金利上昇の谷で、収益不動産は「買い時」が来る可能性
を僕は否定しません。

今のうちに収支バランスを整えて、新たな融資を低利で引き出せる
態勢を整えておけば、チャンスを逃さずに資産拡大をしていけます。

 

既に米国の金利上昇は、リーマンショック後2回目です。市場変動
が始まって1年も経過しています。

いつまでもダラダラとはしていられません。次を見て、先を見て、
長期の事業継続と拡大の為に行動を起こしましょう。

全ての事象は繋がっています。

 

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