全棟建て替え方針相次ぐ。問題の根の深さは尋常でなし。

この記事は3分で読めます

いつも応援ありがとうございます。



 

昨年大きな話題となった杭打ち不正から、施工ミスやら手抜きやらを
発端とした全棟建て替え方針が相次いでいます。

土木・建設業界は戦々恐々としているでしょうね。不動産バブル時代
に建設されたビルやマンションに多数の施工ミスがあるであろう事は
想像に容易い。

人間がやっているのですからミスがないはずはありません。ましてや
大金が動いているのですから、悪意を持って手抜きをした業者なんか
も混ざっていたでしょう。企業が今も存続しているかは疑問ですが。

 

マンション施工の問題、非常に難しいもののように思えます。単純に
業者に対して厳しく指導するだけでは何の解決にもならない。

日本経済の根本から庶民の住宅事情、安全管理まで揺るがしかねない
巨大な爆弾です。

恐らく解決は不可能でしょう。政治家や官僚、業界団体もそれを理解
しているからこそ、見て見ないフリを続けているのではなかろうか、
との疑念が僕には拭えません。

 

完全な解決を目指す姿勢は必要と思います。国としては本来あるべき
方向を示すのが当然で、国民にとっても幸福に繋がるでしょうから。

しかし短期間に解決を目指そうとすると、歪みを是正しようとする力
を掛けようとするとその土台の上で成り立っているものが壊れ、多く
の悲劇が起こるのは間違いない。

ゆっくりと、何十年もの時間を掛けながら破綻を目立たせずにほんの
少しずつ入れ替えていかなければならないと思われます。世代を跨ぐ
のも問題の矮小化に必須でしょう。

 

私たちの世代では問題提起しつつ、現状を受け入れ、解決の足固めを
していくのが子孫世代のためにしなければならないような気がします。

適正価格にしたらマンションなんて全く売れなくなるでしょうね。

適正価格を忘れさせたデフレ

結局、行き着くところはお金の問題です。経済問題。

日本の経済成長が他国と比較して停滞しているのはご存知の通りで。
ですがその割に色々とモノもサービスも充実しています。

デフレの影響と一言で表現はできますけれども、数字では表現し難い
難題が隠れていると僕は感じます。

 

長引くデフレによってモノやサービスの価値と許容できる金額の間に
歪みができてしまっている。

本来であればもっとお金を払わなければ得られない価値を本来の価格
で購入できない感覚が消費者に根付いてしまった。既にデフレは世代
を超えてしまっていて、感覚の矯正は容易い話ではない。

これは大問題です。

 

モノやサービスには適正価格というものがあります。それより価格を
低くしようとすれば何かを犠牲にしなければいけません。

例えば、人件費。この20年以上の間、日本の労働者の平均賃金は下落
を続けてきました。適正価格以下でモノやサービスを提供する競争を
続けた結果、犠牲として人件費が削減され続けてきたんです。

建物の安全性も、デフレ経済の中で犠牲にされたもの。適正価格以下
でしかモノが売れないのだから利益を出すためにはコストを引き下げ
低価格で販売するしかありません。

 

マンション傾斜問題はその歪みがついに表面化したに過ぎない。建物
の安全性に関する事件なんて今に始まった問題ではありませんけれど、
全棟立て替えの流れが問題の終点を露にしてしまった。

何しろ安全性の問題を完全に解決しようと思ったら極めて高いコスト
が必要になります。ではそれを価格に転嫁しようとすれば、デフレで
感覚が狂わされた消費者には購入してもらえない。

かといって利益の出ない商売はできない。

 

企業はモノが売れず。消費者はモノが買えず。当問題を強権的に解決
しようとすると、誰も幸福にならない未来が待っています。

 

20年間の経済再生が不可欠

困るのは建設業者と消費者だけではありません。

金融機関は融資ができませんし、建設に関わる全ての企業に致命的な
影響が出るのは間違いありません。

 

時間を掛けて是正を図るにしても、最終的に不動産価格が上昇しても
それを欲しいと消費者が思うだけでは不動産は売買がされません。

金融機関の融資基準や融資姿勢も変わらなければいけない。

高額化した不動産が、中古となっても十分な価格で売買されるような
中古不動産市場も形成されなければいけない。

 

お金が掛かるのは住宅だけではありませんから、結局は消費者が十分
豊かに生きられるくらいの賃金を得られるような労働環境にならない
といけませんし。

労働者の賃金を上昇させるなら、労働者の労働生産性の向上を同時に
求めなければ今度は国が破綻します。

考えれば考えるほど、日本という国の経済は国民全体の幸福度を上昇
させるには厳しい状況にあるように思います。

 

だからこそ、僕は少なくとも能力や気力がある人間だけは、今のうち
から独自に収入を増やす努力をして備えようとの意見を出しているの
ですけれども。

それでは根本解決にならず、最終的には国が打つ政策がどうであるか
が最重要であると感じていて。

経済政策については国民一人ひとりが十分理解したうえで議論を行い、
正しい政策を打出している政治家、政党が支持されなければならない
と確信しています。

答えが出るまで何が正しかったかなんて誰にも分かりませんが、何か
を決めなければ一歩も進みません。

 

マンション傾斜問題は極めて根の深い、今の日本を象徴している問題
と言えます。

他人事だと思わず、真剣に想像を拡げてみて下さい。

もしかしたらその中に、不動産投資の大きなチャンスが眠っている事
に気がつくかもしれませんよ。僕にも既に、なんとなく気になる点が
存在するくらいですから。

 

宜しければブログランキングも応援クリックお願いします。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

  1. 2015年の路線価は前年からのトレンドが継続しているようですね。
  2. 非正規雇用にまつわる問題はどのような方向へ向かうのでしょうか。
  3. 建設業界は人手不足が大変のようですね。
  4. 小動きの中の方がビジネスは続けやすいです。
  5. リゾート開発がバブル崩壊でどうなったかは、日本人だったらご存知のはず。
  6. 不安があると守りに入ってしまうのは当然ですが……。
  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

このサイトについて

不動産投資を中心に、金融・経済、そしてビジネスについてコラムを書いています。

きりのきについて


人気ブログランキング参加中です。お楽しみ頂けたら応援お願い致します。



楽待不動産投資新聞様にて時々コラムを書かせて頂いております。

2014年4月不動産投資を始める際に最も重要なリスクヘッジの仕方。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る