米国の利上げにより長期トレンドに変化が出る可能性あり

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米FRBが先日利上げを決定致しました。

予想通りの展開であった為、予想外の動きは何一つありませんでした
けれども、今後は今まで以上にアメリカの景気動向に注視をしていく
必要があります。

 

これまでは中国の景気動向に振られやすい世界経済となっていました
が、既に中国市場は見限られ、資金引き上げが起こっています。

米国の景気改善が進み、FRBが今後も利上げを続けていくとの予測が
されるのならば、景気減速が予測されている国から更に米国国内へと
資金の引き上げが行われます。

中国中心の世界経済から、再び米国中心の世界経済へと変化する、と
いうわけですね。

中国は、見事に米国の景気改善の踏み台とされてしまった。

 

中国への依存度が高い国は、早めに方針転換をしなければ今後は中国
経済の没落に引き摺られてしまうでしょう。

日本はかなり中国依存度が低くなっているものの、油断は禁物です。
企業単位で見ればまだまだ中国頼みのところは多いし、以前中国へと
投資をしてしまったがために逃げられない企業も多数。

また、国内で中国人観光客により支えられている一部の小売り店及び
観光地も存在します。

 

投資家としては、国内においてもこれからどこが駄目になって、どこ
が伸びるのかをしっかりと見定めておかなければいけません。

いえ、こうなるのは規定路線でしたので、そんなものとっくに済んで
いなければならなかった。

幸い、もう少しだけ時間がありそうです。目前の投資先がどうなのか
位はすぐ分かるはず。後戻りできないような事態だけは避けるよう、
目を見開いて観察して下さい。

利上げによってハワイ旅行もしにくくなるかもしれません。

これまでの日本経済環境

肝心なのは日本国内です。

経済には様々な素因がありますので、金融政策だけで経済の先行きが
決まるなどという考えは宗教に近く、妄信すべきではありません。

が、大きな流れを予測するにはかなり役に立ちます。

 

日銀が大規模金融緩和を決定した時を思い出して下さい。あの時から
現在に至るまでを、細かな変動を無視してグラフで見ると、当初予測
の通りの状況になっています。

少なくとも国内投資市場については。

市場に大量の円が流れた為に円相場は当時よりも随分と下落した位置
で安定をしています。それとともに株式市場では日経平均株価は上昇、
不動産価格も上昇を続けている。

今回の米利上げまで世界の金融政策で日本に直接影響を与えるような
大きな変化はありませんでしたので、日本の金融政策通りに一直線の
市場変動であったのが見て取れます。

 

インフレターゲットが予定よりも下回っているのは予想外の原油価格
下落のせいであり、日銀としては不本意なのかもしれませんが、国民
にとっては助かりました。

政府や日銀が為替の急激な変動を許せないと思うのと同様に、国民も
急激な物価の変動は許せませんから。

原油価格の下落により、見込んでいた原発の再稼動その他の国家主導
ビジネスの当てが外れたのでしょうが、そこは間違いを認めて現実に
即した計画を練り直すのが官僚の役割というもの。

忙しいとは思いますが、公務員の賃金も上がるようですし、頑張って
もらう事にしましょう。

 

米利上げは長期的なトレンド要因

そして、ここからはまた流れが若干変わります。米利上げは、日本の
金融に直接的な影響があるからです。

米ドルは世界の基軸通貨です。この影響を受けない国なんて、世界中
どこを探してもありません。

日本だって例外ではない。欧州と貿易をするにも、米ドルを介しての
取引になるのですから。

国内の物価にだって影響します。

 

単純に考えると、ドルの価値が上がるのですから相対的に円の価値は
下落、つまり円安方向へと向きます。

金融緩和策で円安方向へと向けられていたものが、さらにもう一段階
円安となるはずです(今後の利上げの折込具合にもよりますが)。

とはいっても、先程書いたように金融政策で経済が全て決定するはず
ありません。日本が金融緩和を始めてもう3年近く経っている。

日本の経済状況によっても円の価値は変わりますから、話はそう単純
ではありません。

 

ただ、複雑に考えすぎると間違ったツボをついてしまいます。ここは
シンプルに大きな面だけ考えましょう。

単純に。日本の国際収支を見る限りでは、経常収支は大きな黒字へと
向かっています。貿易収支も原油価格の下落も手伝って黒字化しつつ
ある。

経常収支、貿易収支が黒字であるという事は、日本国内へお金が流入
しているという事。

それは日本の経済価値上昇であり、日本円の価値上昇に寄与するもの
です。つまり、経済状況的には円高へ向かうはず。

 

米利上げによる円安圧力と、国際収支からくる円高圧力がぶつかって
いる状態です。

つまり、政府や日銀の都合によりいくらでも流れを調節できる状況。
制御不可能な大波が日本円には起こりにくい状況です。中国経済への
懸念や安全保障問題がありますので、起こらない、とは言いませんが。

 

ということは、どこにお金が流れるかというと。

国内においては投資商品、株式や先物、そして不動産へとさらにお金
が流れるのは確実ではないでしょうか。

日本の経済的評価が上昇しているのに円の価値が安定するのであれば、
投資商品の価値が上昇するのは当然でしょう。そうでなければお金は
どこにいったのか、という話になってしまう。

 

あくまで全体の傾向としての流れの予測に過ぎず、どこの何が上がる
とか下がるとかを見極められるものではなく。

この流れに乗って方向性を決め、うまくやれば利益を得られるだろう
くらいの話でしかありません。

が、アベノミクスの流れに乗って大金を獲得した人が多発したように、
全体のトレンドを追うのは非常に大切。

投資をするのであれば、自分の信じる方向性を明確にする必要がある。

 

上記は僕の一つの考えに過ぎず、違った流れを感じるのであればそれ
を信じるべきでしょう。

大局観に立った世界地図を構築するのが重要である、という話です。

 

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