不動産価格は上昇。家賃は停滞。この先をどう読むべきか。

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大都市の中心に向かえば向かうほど、不動産価格は上昇を見せており、
不動産市場の活況さが伺えます。

 

景気の改善は道半ばと言ったところですが、30年近くも続いたデフレ
退治がたった3年ちょっとで達成できるはずもなく、また過渡期という
のはしわ寄せを受ける人がいるものですから。

景気回復の実感が無い方が大勢いらっしゃるのは無理からぬ話。

しかし不動産価格が上昇しているのは、高値であっても欲しいと思う
人がいる証拠であり、またそれだけお金が多く動いている訳で。

不動産価格の上昇こそが、景気回復傾向を示唆しているといって過言
ではないように思います。

本当の意味で上昇を迎えているのは不動産すらごく一部の地域だけで、
まだまだ全国に行き渡ってはおりませんけれども。

日銀が導入したマイナス金利により、それは加速するでしょう。住宅
ローン市場がマイナス金利の影響で活発化するのは明らかで、立地の
良い都市部の不動産は売れ行きが上がりそうです。

先行して不動産価格が上昇してしまっていたので賢い消費者は二の足
を踏んでいるようですが、じわじわと伸びていくのではと思います。

都市部の不動産価格は、今後も高止まりが続きそうですね。

 

経済的には不動産価格上昇は好ましい事であり、景気回復の必須事項
でもあります。

ただし、実需層が買いたいと思える範囲であるのが前提です。

では現状どうかと言われると、先程書いたように消費者が買い控える
ような状況にありますので、やや実体経済とは乖離しているのではと
感じます。

要するに今は投資の需要により価格が上昇しているだけである、と。

 

今後、実体経済がしっかりと持ち上がってくるかどうか。

景気回復傾向を好景気との言葉に変えられるかどうかが、不動産投資
のあるべき方向性を大きく変化させると思われます。

流れに乗るか、逆らうか。

長期的には容認できないが…

勘違いをしてはいけないのが、不動産投資においては景気回復が善で
景気悪化が悪である、とは一概には言えない点です。

 

そろそろ昨今の相場しか知らない方が増えてきているのではないかと
思いますが、つい数年前まで築20年程度の1棟RCマンションで利回り
15%程度のものは珍しくありませんでした。

今ではどうでしょう。よほどの地方に目を向けても、まともな物件を
探そうとすると利回り10%がやっとです。

そこをどうしていくかが投資家としての腕の見せ所というものですが、
利回りが高いに越したことはありません。

 

なぜ、以前はそこまで収益不動産の利回りが高かったのか。

デフレ不況日本の賃貸住宅市場の特殊性に理由があります。

 

長引くデフレ不況により国内への投資意欲が下落し続けていた事実は
ご存知の通り。

リーマンショック後の日経平均株価は7,000円台でした。今より1万円
も安い水準で、いかに日本国内への投資意欲が落ちていたかが明確に
数字で表されています。

不動産価格も下がり続けていました。

 

ただ、不思議なことですが賃貸住宅の家賃はさほど下がっていません。
多少は下落傾向にありますが、水準的には1990年代と変わらないのは
事実です。

以下のサイトも参考にして下さい。

50年余の民間・公営賃貸住宅の家賃推移をグラフ化してみる(2015年)(最新)

 

どういうことなのか。

色々と事情は考えられますが、少なくとも、デフレ不況にも関わらず
住宅に対してある程度のお金は掛けておきたいと考える人が大多数で
あるのは間違いない話。

不動産所有者としても家賃を簡単に下げる訳にはいきません。利益は
減ってしまうし、家賃の引き下げは更なる譲歩を迫られるし、面倒も
起こりやすくなるしとメリットが薄すぎる。

消費者と事業者の利害が一致した結果、こうした相場になった、と。

 

僕が不動産投資は固いと考える理由のひとつです。

逆に考えると、これから先そう簡単に家賃相場は上昇してくれない
と予想されますが、投資家的ストーリーとしては家賃下落がないだけ
で十分満足ができるというもの。

景気が悪い方が実は稼ぎやすい、不思議な投資先なんですね。

 

ですのでまた何かの事件などで景気が低迷したとしても、不動産投資
には悪い影響ばかりとは言えなかったりします。少なくともこれから
収益不動産を購入する人にとっては。

ついでに言うと、景気が悪化すれば政府は経済対策をしてくれるし、
日銀も金融機関に融資をしやすくなるような金融政策を打ってくれる。

景気動向が悪化へ向かっても悲観的にならず、むしろ積極的に投資先
を探すべきでしょう。それは、少なからず景気改善にも貢献します。

 

世間に敏感に

投資というものは、相場が上昇トレンドに入るとそれはそれで難しく
なる。それは不動産投資でも変わりません。

前述した逆の理由で、そう簡単に家賃相場は上昇してくれない、との
現実が足を引っ張ります。

投資資金の増加による利回りの低下は今後に期待をする投資家の多さ
を表します。実際、この先インフレ傾向となり景気改善へと向かえば、
自然と家賃も都市部を中心に上昇していくはず。

 

ただ本当に改善するのか、いつ上昇するのか。確実な根拠を得るのは
難しく、不動産バブルの崩壊の歴史を知っていると、不動産投資家も
住宅ローン組みと同じように二の足を踏まざるを得ない。

これまでとは違った方向性で不動産投資を考える必要が出てきます。
地域も、建物も、ターゲットも。

 

長期的に実体経済がどうなるであろうか、出口を想定する時期までに
経済の風向きはどうだろうかを予測する事は、これから不動産投資で
勝つためには重要な見識です。

経済ニュースやその他の報道はもちろんのこと、金融・経済及び政治
について興味を持って広く深く世を知るのが大切になろうと思います。

 

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