デフレとインフレの狭間を迎えた今、今後の不動産投資の主流はどうなる?【2】

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2014年は始まったばかりですが、早速2013年のことを振り返ってみました。
何のことと言われたら、路線価についてです。

 

不動産投資家として今年最も気になることは、地価がどうなるか。

リーマンショックによる2008年の不動産プチバブルの崩壊以後は、
それ以前のいわゆる「失われた10年」と同じように不動産価格は
低迷を続けていました。

路線価も2013年まで5年連続で下落を続けています。

 

ただ、下落と言っても低空飛行というイメージが強く、
ある意味でそれ以上大幅に下がることはないだろうという
安心感もあったと言えます。

物件を買う時に暴落を心配しなくていいというのは
投資をするには悪くない環境でした。

利回りも安定していましたし。

 

しかし、2012年末に民主党から自民党への政権交代が行われ、
安倍総理の下、2%インフレターゲットを基準とした経済政策、
アベノミクスがスタートしてから雰囲気はガラッと変わりました。

日経平均株価は8,000円割れから16,000円超えを達成し、
少なくとも投資市場においては景気回復の波が押し寄せて
いることを否定することはできません。

遅かれ早かれ、不動産価格に反映されることは間違いなく。
今後の不動産投資では、これまでの「経営主体」の考えだけでなく
「不動産価格の変動」をも視野に入れていかなければなりません。

不動産価格が高騰する、ということは、急に下落する危険性も
常に孕んでいる、ということなのですから。

路線価の上昇は嬉しいはずなのに複雑な気分ですね。

2014年以降の路線価のトレンドは?

不動産を評価する際に非常に重要な指標であるのがご存知「路線価」。

国が決定しているこの路線価ですが、本来は国が固定資産税や相続税、
贈与税などの税額を決定するために設定しているのですが。

不動産価格に直接的に影響する上、金融機関の担保評価の基準としても
重要視されているものですから不動産投資家としては必ずチェックを
しておかなければならないものです。

 

公示地価については毎年1月1日時点の地価を国土交通省が調査し、
3月下旬頃に発表されます。こちらも当然、非常に重要ですが。

積算評価などを計算するときは、路線価、特に相続税路線価を
基準とすることが半ば標準となっており、路線価を知ることで
より正確な不動産評価をすることができるようになります。

昨年、2013年度の路線価図の発表は7月1日。それ以前の年を見ても、
大体7月頭に発表されるもののようですね。

 

昨年の路線価図発表の際のニュースを漁ってみると、前述のように
5年連続の下落ではあるものの下落幅は縮小、前年比マイナス1.8%で
あったとなっています。

東京、愛知、大阪など三大都市圏では地価の底入れ感が強まったことから、
横ばいから上昇に転じている、と。

地方圏では依然として地価下落に歯止めはかかっておらず、大都市と
地方都市の二極化が進んでいる、という評価でした。

 

記事中にはアベノミクスで金融緩和が進むことへの期待感から投資マネーが
不動産市場に流入していること等が考えられると評論をしていますが。

2013年7月に路線価が発表されたといっても、路線価が決定されたのは
もっとずっと前の段階でしょうから、アベノミクスの効果なんてまだ
ほとんど出ていない時期でしょう。

2013年前半は、不動産価格の上昇はまだそれほど始まっていなかったと
僕は記憶しています。不動産価格は株価に遅れて動くものですし。

 

と、いうことは。

日経平均株価を見る限り、今年発表される路線価がどうなるか?
推して知るべし、というところでしょうか。

あくまでトレンドとして、ですけれども。

 

路線価の上昇は好ましい?

正直言って、路線価が上昇することを資金の少ないサラリーマン投資家の
僕としては手放しで喜ぶことが出来ません。

自分の持っている不動産の路線価が上がるのは、金融機関からの評価額が
上昇するので喜ばしいことではありますが、一方で固定資産税の上昇を
招きます。

次の融資を受けたい時は不動産評価の上昇は好ましいことですが、
予定がないなら税金が上がった分の必要経費が増えるだけ。

ただでさえ消費税の増税で台所事情が苦しいところに追い討ちです。

 

新規に買うにしても、路線価発表の前にしろ後にしろ、路線価が上昇すると
市場が期待してしまっている状態ですから不動産価格は高騰します。

不動産価格の高騰は表面利回りの低下を招き。
現に、昨年11月時点で市場に出回る収益不動産の表面利回りが
低下していると言うレポートが出ています。(楽待調べ)

http://www.firstlogic.co.jp/wp-content/uploads/2013/12/firstlogic_press_201312.pdf

 

不動産価格が上昇トレンドに入ることは総合的には喜ばしいことではありますが、
その分リスクが高まり、また売買も難しくなります。

上昇トレンドの市場で戦うには、経営者視点だけでなく投資家視点での
思考が必要不可欠です。

 

経営主体の考えを外すことは決して出来ません。かつての不動産バブルを
生き残ってこれたのは、経営者視点でインカムゲインを大事にしてきた層だけ。

不動産価格が上昇トレンドに切り替わるならなおさらです。

しかし、それだけでは稼げなくなってしまうのも否めません。

 

株や為替への投資を嫌って不動産投資へ流れてきた方も大勢いることでしょう。
「投資家視点」の考え方が苦手だったり、嫌いだったりする方が多いと思います。

残念ながら、収益不動産市場も投資家視点での考え方が必要な時代に
なってしまいました。これからは、株価や為替の動きをしっかりと
見定めながら、不動産価格の動向を見極めなければいけません。

 

これまでは、不動産投資は投資ではない、経営であると格言として言われてきました。
今後は違います。もう2014年。変化の時は目前に迫っています。

嫌だ苦手だと言っている場合ではなく。経営者としてだけでなく、投資家として
市場を見定めましょう。一刻も早く、頭を切り替えるのが未然に損失を防ぎます。

可能であればキャピタルゲインを得ることも頭の片隅に置いて。
一緒に新たな不動産投資のステージへ登りましょう。

 

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