いつも応援ありがとうございます。
以前ここでも取り上げた所得税の世帯課税制度が、楽待さんのコラムでも
取り上げられましたね。
大家族ほどおトク!? 独り身ほど損!?
「所得税」税制改革、不動産投資家のメリット・デメリット
ニュースでは税制改革について配偶者控除の廃止ばかりが槍玉に挙げられて
いるのですが、配偶者控除の廃止はこの世帯課税制度とセットで議論されて
然るべきものです。
以前に僕が世帯課税制度について書いた記事はこちら。
僕はこの記事を書いていた時、まだまだ実現には時間が掛かるだろうなと思って
おりましたが、今の政府与党の活発な動きを見ると想像以上のスピードで政策が
実現しています。
もしかしたらそれほど遠くないうちに動きが出てくるかもしれません。
ということで、ちょっと妄想を垂れ流してみようかと思います。
世帯課税制度について
まず最初に、世帯課税制度について大まかにまとめておきます。
ごく単純化して考えるなら、世帯全員の収入を足して、人数で割った金額が
それぞれの課税所得額です、その課税所得に適用される税率で計算し納税を
して下さい、ということ。
以下、概念の解説ですので控除などを一切省いてシミュレートをしていきます。
夫が500万円、妻が300万円の収入があれば、足し算した800万円を2で割って
課税所得は400万円、それを二人分払え、と。
現在、課税所得が500万円なら所得税率は20%、300万円なら10%です。
納税額の合計は130万円となります。
これが世帯課税制度となると400万円は20%ですから80万円。それが二人分で、
所得税額は160万円となります。
大増税ですね。
ただし、ここに子供が二人いるとどうでしょう。(子供1人あたり0.5人分で計算)
800万円を3で割ると266万円(切捨て)。課税所得が266万円なら所得税率は10%。
26.6万円が三人分で、納税額は79.8万円になります。
大減税です。
夫婦間の所得のバランスが悪ければ悪いほど、そして子供(扶養)の人数が
多ければ多いほど税率は低く抑えられていく形。
また、ある程度までは所得が多ければ多いほど納税額が抑えられることになります。
世帯人数で所得を割っても課税所得が1800万円を上回ってしまうくらいになると
あまり恩恵は得られなくなりますが。
所得が2億円を超える人にとっては、よほど子沢山でない限り納税額は変わりません。
誰が恩恵を受けるのか
さて、このシミュレートを考慮すると、世帯課税制度でどのような家庭が得を
するのかがなんとなく見えてきます。
冒頭でリンクを貼った以前の記事では高所得者層優遇策である、と書きましたが、
正確には「中の上から上の下」程度に位置する所得の世帯を優遇する税制である、
といえます。
誰がそこに当てはまるかといえば、一番ぴったりしたイメージが来るのはやはり
「個人所有の不動産所得があるサラリーマン世帯」だと思います。
つまり、私たちです。
融資の元本払いのために手元にお金は残らないけれども所得税は高い税率で納税を
しなければいかず、消費税は納税しているのに入居者から回収することができない
私たちサラリーマン不動産投資家が高い恩恵を得られる制度。
特に子育て世帯、20代後半から30代、40代にかけての世代が一番得をするのでは
ないでしょうか。
子育てをするということは消費が多くなりますからその分だけ消費税を多く納める
ことになります。また、将来納税者となるのは子供たちです。
不動産投資をするということは納税もたくさんしていますし、経済をまわすために
大きく貢献をしています。
現在の制度ではかなり苦しめられている私たちですが、世帯課税制度がスタートして
くれれば相当に恩恵を受けることができるんです。
これは是非とも、早期の導入をして頂きたいものですね。
住宅賃貸に影響は波及する
とはいえ、一部の不動産投資家は痛みを覚えるかもしれません。
世帯課税制度が始まれば、世帯の統合が進むはず。独居人が少なくなることが
考えられます。
賃貸住宅を借りようとする人が減ってしまうかもしれない。
シングルタイプの賃貸住宅の空室率が上昇する可能性がある。
逆に、3LDK以上など、広い間取りの賃貸住宅が人気になるかもしれませんね。
ただ納税額が減ったことをいいことに、住宅を買う世帯が増えることも十分
予想されます。ファミリータイプを所有されている方も油断はできません。
いずれにしろ、税率では恩恵を受けることができても、不動産経営には注意を
払う必要がありそうです。
フランスのように子供が増え、将来的に人口が伸びてくれるようなら長期的には
日本にとっても私たちにとっても明らかに大きなベネフィットがありますから、
僕としてはぜひ導入をしてもらいたいのですが。
どうなるか、いつから導入されるのか。今後の政府動向に注目しましょう。
まあ、正直な話税収とのバランスを取るのが極めて難しくなりますから、
本当に導入がされるかも非常に不透明なのですが。(笑)
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