投資業界の言語を学ぶために、なるべく早期に実践に臨むべし

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国内不動産の高騰と家賃相場の停滞による利回りの低下により、どうにも
新たな不動産取得へと向かいにくい環境が続く中。

好調な株式や、その他の新しい投資商品、例えばソーシャルレンディング
(クラウドファンディング)のようなものへの投資を検討されている方も
多いことと思います。

僕も、資金がもう少し充実したら、余剰資金で投資をしてみようかなんて
考えを持っているのですが。

 

居住環境という誰にでも感覚的に分かりやすい不動産と違って、金融商品
には「特別な言語」がある事実を忘れてはいけません。

しかも、その言語は各々が自由に改変でき、本来は比較しようのない二つ
を並べて比較させようとしていたり、独自のルールについて顧客に説明を
していなかったりすることを。

ここで間違ってしまうと、あとで「騙された!」と嘆く羽目になります。
それは金融業界の暗黙の了解であり、誰も守ってはくれません。

不動産投資でもそうですが、投資に足を踏み入れる際はまず暗黙のルール
を理解するところから、です。

大金をつぎ込む前に、失ってもいいお金を用意して「勉強」しておくのが
安全策であるといえます。

語学の勉強って難しいですよね。

誰の為の格付けなのか

典型的なのが「格付け会社」ですね。

先日、大手格付け会社であるフィッチ・レーティングスが日本国債格付け
をAプラスからAに格下げをしました。

これに疑問を感じた方々も多いのではないでしょうか。

ですが、僕は当然の結果と感じます。それとともに、投資家以外にとって
格付け会社がどれほど意味の無いものであるか、とも。

 

格付け会社による格付けの基準は、現時点で投資対象として適しているか
どうか、です。

単純に安全性、リスクなどで格付けをしているわけではありません。

 

現時点で、日本国債が投資対象として魅力的かどうかと言われたら、どう
お答えになりますか?

僕には、日本国債は投資対象として魅力を感じません。

なぜか。利回りが低すぎるからです。

 

投資をするならば、利益が得られなければいけない。その利益の源泉は、
利回りです。

100万円投資をして、元本保証、5年後に101万円になって返ってくる商品が
目の前にあったら果たして購入するでしょうか。

あまり買いたくありませんよね。5年もの間、100万円を封じられてしまう
のですから。日本の定期預金は現在こんな形のため、人気が落ちています。

 

5年先までまるで使う用事がないお金なら1万円労せずして儲かるからいい
じゃないか、と考える方もいると思います。投資を全くする気のない場合、
正しい意見です。

金利のつかない現金で持ちっぱなしより、1万円増える分プラスとなるのは
間違いない。

 

ですが、投資家目線となると、大きく意見が異なります。インフレを視野
にいれなければいけないからです。

インフレ率が年1%であるとすると5年で5.1%ほど物価が上昇する。100万円
を投資するとなると、最低105万1千円にならなければ、投資としては失敗
と言わざるを得ない。これでも利益がゼロです。

日本国債の5年もの国債なんて一時期マイナス金利にまで利回りが落ち込み
ました。日本国内にいるならば未だデフレですので、利回りが極度に低く
とも仕方ないとして、海外から見たらどうか。

自国のインフレ率を下回る利回りの日本国債に投資をする価値があるとは
全く感じないでしょう。

 

今回の格下げ理由は消費税増税の延期及び法人税の減税による財政再建策
の後退からである、と公表されています。

利回りが低くて利益も得られず、財政再建策も予定通り進まずに国債価格
の暴落リスクが高まっているとなったら、それは格下げをしたくもなると
いうものです。

 

格付け会社は、顧客層を十分に理解したうえで、自身の顧客向けに格付け
を公表しています。

情報サービスなのですから、顧客対象ではない一般層がどう感じるかなど
何一つ考慮していません。

 

このように、果たして「誰を対象に」意見を言っているのかを考慮せずに
情報を捉えてしまうと、間違った印象を受けてしまう可能性があります。

 

本音と建前があるのは日本人だけではない

また、加えて「自社や更に上流の顧客のため」に、自社の行動と矛盾した
情報も流すことがあります。

典型的なのは米投資会社のゴールドマンサックス社(以下GS社)に纏わる
逸話でしょうか。

 

GS社がとても褒めている、今後の展望は明るいと称えるレポートを流して
いると思ったら、GS社自身は早々に同案件を売却するなんて話を、幾度と
なく見聞きしました。

高値で売り抜けるためにわざと値が上がるような工作をしているのでは、
との噂です。

本当にそれを狙った行動かはともかく、レポートと行動が矛盾している時
があるのは確か。

投資会社を丸々信用してしまうと、恐ろしい罠に嵌められる可能性が否定
できません。

 

他、指標の発表についても、似たような内容であっても企業ごと、国ごと
に統計基準が異なっていたりするのも要注意です。

失業率なんて良い例ですね。日本の失業率と米国の失業率を比較すると、
日本はものすごく失業率が低く感じるかもしれませんが、統計方法が全く
異なりますからそもそも直接比較は不可能です。

あくまで同国内での推移を見るためにしか使えません。指標のほどんどは
そういった性質を持ちます。

 

実践の中で経験を積む必要性あり

一つ一つを細かく挙げていくときりがありませんが、投資家間で用いられ
ている言語が一般向けでないことは、これだけで十分に理解して頂けたの
ではないでしょうか。

外国語などと同じで、その場に身を置いて実践経験を積まなければ、投資
の言語も使いこなせません。

 

こういった理由により、小額で実践の場における勉強をすることを、僕は
薦めています。

くれぐれも解釈の違いによる大損をされないよう、ご注意下さい。

 

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