労働条件が良くならないのは労働者にも一因あり

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最近、労働についての記事や読者コメントをよく読んでしまいます。

そう遠くないうちに、少人数とはいえ人を雇用する側の人間となる
予定のため、意識が高まっているのでしょうか。労働者側の気持ち
を理解しようとしているのかもしれません。

そういう僕も、現在進行形で労働者側の人間なので。何となく皆の
気持ちは理解できるところもあります。ありますが、仕事に対する
感覚が僕は多少ズレているところがあって。

 

基本、人の下についたりするのが好きではなく、また「使われる」
側では自分の能力を最大限発揮できないと分かっているので。

労働者の立場から、待遇が悪いのは全て経営者の責任だ、経営者が
悪い、と声高に叫ぶのを見ると「さっさと独立起業すればいいのに」
と思ってしまいます。

そんな悪人の下で働き続けるのは悪事の片棒を担いでいるのと同じ
ですよ、と。

経営者が労働者を安く買い叩こうとするのは当然の行為。仕入れ値
を下げようとする姿は商売人の鑑。

労働者は労働力という名の商品を経営者に売ろうというのですから、
もし低い賃金、悪い待遇で雇われているとしたら、単に自分を安く
売ってしまっただけ。

経営者に足元を見られ、交渉に負け安く買われてしまっただけです。
そして、そのような自分を安く売る人々が多数いるからこそ経営者
は労働力を更に安く買おうとします。

 

労働力に付加価値をつけようとしない労働者側にも、大きな問題が
存在します。

同じように労働力を売りたい人は多数いるわけです。それも商売敵
は日本人だけではありません。外国にも労働力を売りたいと思う人
はいくらでも存在する。

同じ価値しか生み出さない商品を売ろうとしたら、価格競争をする
しかありませんよね。自分が普段、買い物をする様子を思い出すと
理解が早いのではないでしょうか。

喜んで鎖に繋がれているのであればいいのですが。

労働者の価値

物と人間は違う、と反発をされる方もいらっしゃるでしょうけれど、
勘違いしてはいけません。

労働者は「人」を売っているのではなく「労働力」を売っている。
社内での労働サービスを売っているんです。雇用契約書には労働に
ついてしか書いていない。

流石に現代社会で奴隷契約はできませんので、労働力に付加価値を
つけるとしたら、契約に無い範囲で見せつけるしかありません。

自分に待遇以上の価値がある事を。

 

労働力の安売り競争になってしまっているから、待遇が悪いんです。
かつての外食産業を思い出して下さい。牛丼、ハンバーガーなど、
低価格競争が過ぎてどこも経営が傾きかけましたよね。

いわゆるデフレスパイラルです。モノの絶対的価格が安くなると、
ちょっとしたノイズを吸収できなくなっていきます。

最終的に辿り着くのは、余裕のなくなってギスギスとした、コスト
に厳しい世界。労働者の待遇が悪化したとしたら、完全にデフレの
せいであり、経営者だけの問題ではありません。

労働力の安売りしかできない己にも問題があります。

 

とはいえ、日本社会では雇われの立場から自身の待遇を向上させる
のはなかなか難しい。

待遇について直接労使交渉できる機会を持つ方も少ないでしょう。
社会構造そのものがデフレと相性が良すぎるのは、日本で生産性が
悪いと言われる所以と思います。

それよりも、独立起業してしまった方が収入を上げるには簡単です。
仕事も自由に好きなようにできますし、雇われ特有のストレスとは
無縁になれます。

 

もしそれもリスクがあってできない、と言うならば。

あれも嫌だ、これもできない、そんな事しか言えないような人間に
良い待遇を与えるような企業はあっという間に潰れるでしょうから、
そう遠からず待遇の悪さについての悩みは消失しますのでご安心を。

少々厳しい言い方になってしまい、反発も強そうですが、労働者で
あるというのはそういう側面もあるのは間違いなく、将来を考えて
よくよく検討した方がいいと思われます。

 

ブラック企業は労働者が繁栄させる

僕は人から搾取できるような性格ではなく、経営者側には向かない
人間かもしれません。

労働者には甘くなってしまいそうです。頑張って仕事をしている皆
に幸せになって欲しい、待遇を良くしてあげたい、それが理想的な
企業なのだ、と思ってしまいます。

ですから、もし僕に雇われるとしたらいつ倒産してもおかしくない
との気持ちでいて貰わざるを得ず。

 

しかしそれはまた労働者に対する裏切りになりますから、なるべく
経営状態を良くするために引き締めるべき部分は絞って。

となると、そう甘い顔ばかりはしていられない、との堂々巡りへと
陥り、悩みを重ねながら経営者として成長していくしかないだろう、
と感じます。

 

僕は人こそが最大の資産だと考えていますので、しっかりと気持ち
から貢献をしてくれる人物には最大限応えようと考えていますし。

労働者の立場からも、もし見返りが無いとしても最大限雇用者へと
還元できるように努力しようとも考えています。

なかなか理想的な雇い主、管理者には出会えないかもしれませんが、
雇い主に貢献したいと思えないならとっとと起業した方が良い、と
本気で思いますし。

もしも労働者として安定した立場でありたいなら、自らの労働力を
安売りしたりせず、まず価値を見せつけ認めさせることから始める
と、労働に対するストレスは大きく減ると思われます

 

繰り返します。悪事の片棒を担ぐような真似はお止め下さい。もし
それで苦しい想いをしたとしても、誰も責任は取ってくれません。

 

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