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受動喫煙防止法がなかなか苦戦をしているようで。
主に小規模の店舗などの反対が根強く、政治的な駆け引きが長引く
様相となってきています。
タバコ業界も、経済面ではこれまでは一大産業として日本の経済を
支えてきた一面もあり、その歴史の深さだけ利権者も広く多く存在
しているでしょうから、厳しい議論になるのは仕方ないでしょう。
僕はタバコは好きではありませんし一本も吸った経験はありません
が、だからといってそれで食べてきた人から急に仕事を取り上げて
よい、とは思いません。
禁煙の流れは既に大きなうねりとなってしまっていて、喫煙者の数
も割合も減少傾向にありますから、今後もその流れは止まらない。
かといって、無理やりに買えようとし過ぎると歪が大きくなります。
あくまでも、静かに衰退させていく道が望ましいでしょう。徐々に
経済規模を小さくし、あくまでも趣味の一つとして嗜好の強い人が
他人に迷惑を掛けずに満足のいく環境を作っていく、と。
これまで長らく許されてきて市民権を得ていた事実がある以上は、
その存在を政治一つでないがしろにされるようでは安心のできる国
とは言えないでしょうから。
禁酒法によりアメリカでアル・カポネが生まれ、どのような時代に
なったかを知れば想像ができることと思います。
締め付けだけでは強い揺り戻しが起こり、社会が不安定化するだけ
ですから。
テナントの受動喫煙の責任は誰に?
さて、受動喫煙防止法がどのようなものになるにしろ、不動産投資
にも多少の影響があるように感じます。
一つはテナント。現状では公共の場に当てはまらない賃貸住宅内は
法の適用範囲に入りませんが、テナントはしっかりと適用されます。
入居しているテナントは、喫煙可能な飲食店だったり、オフィスで
あったりしませんか?
果たして本当に屋内禁煙により飲食店などの売り上げが落ちるのか
は分かりませんが、不動産の所有者は貸主としてどのような対応を
していくか立場を決めておかなければいけなさそうです。
まだ法案の段階ですので最終的な形がどうなるかは分かりませんが、
所有者に責任が及ばないとは限りません。
この法案はあくまでも受動喫煙を防止するための法案です。被害を
受けたと訴える人が、所有者が責任を果たさなかった、との訴状を
送ってくる可能性、あると思います。
受動喫煙により肺癌になった、との医師の診断書を提出してきたら
どのような対応ができるでしょうか。
僕はそれが怖いので、受動喫煙防止法が成立した暁にはテナントに
入居する条件として禁煙とするのを前面に掲げようと思います。
現時点では喫煙をするようなテナントがなく、影響はゼロ。今後、
テナントが増えたり空いたりした時にそのような条件で契約すれば
良いだけです。
住宅部分に住まわれている方々にも好ましいと思いますし、むしろ
全面的に禁煙を掲げて募集してもいいかもしれませんね。
住宅内については法的な拘束力が無い為、なかなか難しいところ。
ただ、タバコは部屋ににおいが染みついて修繕費用がかさみますし、
火の不始末の恐れもあります。
基本は禁煙の方向です。
完全に抑制しきれているかどうかは確認のしようが無い部分もあり、
今後の対応は検討が必要そうです。これに関しては受動喫煙防止法
と何の関係もなく、裁量の範囲でしょうか。
管理会社さんと入居者の傾向を確認し、相談ですね。
ベランダ喫煙を容認して良いのか
ただそれと関連して、悩ましい課題があります。
ホタル族と言われる、ベランダ喫煙をどうするか。
ベランダ喫煙による受動喫煙は、受動喫煙防止法が制定をされても
グレーゾーンとなるのではないか、と感じています。
賃貸マンションは最も厳しい敷地内禁煙の範疇には入りませんので、
ベランダ喫煙は合法。
しかしそれで受動喫煙被害を受ける人がいて、所有者の管理責任を
主張するのは十分な根拠があるように思えます。
最近はベランダや庭での喫煙が一部で問題視されており「近隣住宅
受動喫煙被害者の会」という団体が発足、厚生労働省、国土交通省、
そして自治体へと「ベランダ喫煙禁止」を上申する動きがあります。
確かにベランダ喫煙は迷惑を感じることがあり、僕もそれ自体には
賛成です。ベランダに吸殻が落ちてきていたこともありましたし、
洗濯物もおちおち干せず、窓も開けられなくなりますし。
悩ましいのは、受動喫煙防止法と一体化せずちぐはぐな状況になる
可能性が高いところ。受動喫煙防止法が制定されれば、受動喫煙の
被害に対する責任は強まります。
合法であっても民事的な責任を負わざるを得なくなるかもしれない。
そう考えると、賃貸住宅のオーナーとしては自らベランダ喫煙禁止
を掲げていく方が安全のように感じます。
いっそ、潔く敷地内全面禁煙を掲げてしまえば、入居促進に繋がる
可能性すらありそうで。大きな流れに逆らわずに経営をしていこう
とするならそうすべきな気がしますね。
まだ直感レベルですが、実際そんな流れになっていくと思います。
そのうち完全な喫煙室を設置した賃貸マンションも珍しくなくなる
のではないか、とも。
受動喫煙防止法案は、収益不動産の所有者に無関係ではありません。
しっかりとその動向と世論を見定めるようにして下さい。
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