住宅診断説明義務化が決定。ホームインスペクションは一般化する?

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中古住宅販売時の住宅診断説明義務化の法案が、予定通り国会を
通過しまして。

2018年にも施行されることとなりました。

 

この法案は中古住宅を売買する際にはホームインスペクションを
しているかどうか、しているならその内容を提示している事まで
を義務化したものです。

決してホームインスペクション自体が義務化された訳ではなく、
買い手が納得をしていればこれまで通り売買は可能。ただ一言、
住宅診断をするかどうかが売り手から買い手に問われるだけで。

不動産投資をするにあたり何か新たな壁ができた訳ではないので
ご安心下さい。

2018年までに物件を取得しなければ何か不利になる、なんてこと
はありません。

 

どちらかというと、主に運用されるのは実需向けの中古住宅市場
ではないかと思います。

国としては中古住宅の売買を活性化させたいけれども、新築好き
な日本人が多くて遅々として進まない。それは中古住宅の信頼性
が薄いからである、と。

そこで、ホームインスペクションの結果を以ってして、買い手の
抱える中古住宅への不安を薄らげれば、売買も活性化するのでは
ないか、と考え、法制化に至ったのだと思われます。

 

僕はよく知りませんが、アメリカなどでは当たり前のように実施
されているそうなので法制化された事により、少なくとも今より
はホームインスペクションが普及するでしょうね。

インスペクションが当たり前の国からすれば、よくそんな調べも
せずに中古不動産を売買するな、と思っているかもしれません。
実際、そう思われているからこそ売買が少ないのでしょうが。

ホームインスペクションが一般化すれば、中古不動産売買が増加
するだけでなく、インスペクション業界も潤います。経済政策と
しては一石二鳥です。

 

が、なかなかそう上手くはいかないようにも感じます。中古住宅
の売買活性化には、まだまだ解決すべき問題が山積みです。

診断の正確性についても気になるところ。

本当に住宅診断は普及する?

実際にホームインスペクションをするかどうか問われた際に費用
の問題が発生します。

売り手に対して住宅診断を義務付けてはいません。買い手が住宅
診断を希望した際に、その費用は誰が支払うのでしょうか。

売り手は「住宅診断の費用を払うくらいなら、別の客に売る」と
なってもおかしくありません。買い手にとってはわざわざ費用を
負担したのに結果が悪くて費用の負担損となる可能性があります。

 

とすると、まず辿りつく流れは『売り手が事前に住宅診断を実施
して結果を用意。費用負担分は価格に上乗せ』という形になると
思われます。

しかしそうなると当然、ホームインスペクション結果の信憑性
問われることとなるでしょう。

売り手が自分たちに都合の良い診断結果を持ってくるだろう事は
確実です。実際、既にホームインスペクションが一般化している
国ではそのような問題が発生しているようですね。

 

また、リフォーム業界と癒着して修繕費用を取ろうとする企業も
多数出てくると思われます。

今でも悪徳リフォーム業者が詐欺的なリフォームを押し売りする
事件が耐えない中、絶好の餌場が提供されるんです。

ホームインスペクションが広まれば広まるほど、住宅診断の信頼
を損ねるような事を繰り返す業者も増えるのは間違いない。

そこを乗り越えてホームインスペクションが日本に根付くかは、
まだ不透明です。根付くにしても相当な年月を必要とするように
思います。

 

もし本当に国が中古不動産の売買を推し進めたいのならば、公的
資金を注入してホームインスペクション業界を半ば公的機関へと
取り込んでしまえばいいのでしょうが。

地震が多く、住宅の安全性が強く求められている日本においては
政策としては悪くないようにも思えますけれども、財政健全化が
求められている現在、難しい気がしますね。

ホームインスペクションが一般化するかどうかは、業界団体及び
企業の必死の努力が必須であると思われます。

 

住宅診断とどう向き合うか

不動産投資において投資用不動産を売買する際にも、説明義務は
課せられます。僕であれば余計な費用は掛けずに購入します。

1棟丸ごと住宅診断をしようとすると、相当な費用を負担する事に
なり、それは利回りの低下に繋がります。

建物の存続自体が危うくなるような問題でない限り、実際に修繕
が必要になってから修繕費用を捻出する方が安上がりです。

問題ないものを「問題ありません」と診断を受けるためにお金を
支払う必要性は感じません。修繕費用は収益不動産が生み出して
くれますので、費用的にも悩まずに済みます。

 

不動産業者側からすると、住宅診断結果を盾により高値で販売を
するチャンス。不動産投資に不安を感じている人に買わせるには
強力な武器になります。

これまでの搾取型投資不動産販売において、より搾取具合が強く
なってしまうのではないでしょうか。

被害者が増えてしまわれないか、心配です。

 

むしろ堂々と「住宅診断はしていませんし、こちらでする予定は
ありません」と答えてくれるところの方が信用できるなどという
状況すら想像できます。

2018年になれば、各業者がどのような対応をしてくるかが明確に
なりますので、ちょっと楽しみに待ってみようと思います。

評判の悪い業者、怪しい業者をチェックしておいて、どんな販売
戦略を取ってくるかを観察すると、信用できる業者の見抜き方が
はっきりするかもしれません(笑)。

 

願わくば、第三者性が保証された低コストの住宅診断が根付いて
欲しいものです。

 

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