利回りは必要条件、しかしそれだけで満足せず他人の評価を採り入れる。

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不動産投資をする上で利回りが大変重要な項目であるのは、誰もが
ご存知の通り。

利回りが低すぎる物件は、不動産投資が「事業である」と考えると
利益が得られない事業案件ということであり、主要な事業としては
成立しません。

利益が出ない事業も時に重要です。顧客の流れを掴むためとか主要
な事業をサポートするためとか、核の部分を守るのに赤字の部門が
必要となるのは珍しくありません。

全体としてプラスであれば良いのですから、事業は必ず黒字である
必要性はないんです。

 

ただし、それはあくまでも複数事業を手がけている企業の理屈です。
個人の不動産投資家には適用できません。

収益不動産は、それ自体が一つの事業プロジェクトのようなものだ
と認識すると分かりやすいでしょうか。しかもそれぞれが、社運を
掛けた一大事業です。

特に1棟ものを取り扱うならそんな複数の物件をポンポンと買えない
のですから、主要事業であると意識するのが当たり前。

 

失敗したら後はありません。いえ、それは言い過ぎで、もしダメで
あったら損切り、つまり売却してまた次に備えればいいだけですが、
わざわざ最初からダメと分かっている事業に手を出す必要もない。

利回りが低すぎる物件は事業として成立しませんので、検討をする
価値はないんです。

交渉で安く買える可能性もあるので、表向きの利回り表示で全てを
判断するのもまた間違っていますけれども。利回りとは交渉により
改善します。そこは腕の見せ所でしょう。

 

ただし、低すぎる利回りの物件は買う価値がない、という考え方を、
イコール利回りが高い物件が価値が高いのだ、とすり替わっている
方が少なくないようで。

それは大きな間違いであるのを、もう一度確認した方が良いような
気がします。

収益不動産の価値は、利回りだけでは表現できません。

いくら利回りが高くても、実態は?

自分の価値観だけで決めつけず

実は誰でも理解しているはずなんです。

高い利回りを求めるならば、地方の木造住宅などは今でも圧倒的な
物件がいくらでもあります。それこそ20%とか。

利回りが20%ならば5年で元手が取れ、10年で倍になりますよね。
ではその物件への投資が良い判断かどうかは、これだけでは結論を
出せません。

むしろ20%もある利回りに、何か理由が潜んでいるのではないか
と勘ぐるのが普通ではないでしょうか。

そもそも入居者が入らないような物件ではないのか、と。

 

宝探しが上手な人にとっては宝の山です。現に、そういった格安の
不動産を見つけては購入して賃貸に出し、高い利回りを確保する人
は存在します。

とても素晴らしい事と思いますし、羨ましい限りですが、誰にでも
真似のできる方法ではありません。

少なくとも、僕のように不動産運営はプロに任せて、自分は自分の
できる仕事でより効率よく稼ぎましょう、とのコンセプトを持って
いるタイプには絶対に合わない方法論

 

人によって、どのような収益不動産に価値を見出すのかは違うのが
当然です。何しろ、価値観が異なるのですから。

人によってはもしかしたら、僕が先程否定した「利回りの低すぎる
物件」に価値を見出す人もいるでしょう。不動産投資を事業として
見るには不適である、というだけで。

不動産投資を事業とみなさず、別の視点から見るのであれば、買う
価値が見出せるかもしれません。

 

僕は不動産投資は事業であると認識しているため、低すぎる利回り
の物件には価値を感じませんが、低すぎるのがダメだと言っている
だけで、高ければ良いと言ってはいません。

事業として考えるのであれば、如何に長期安定した経営ができるか、
が最重要です。最終利益すら二の次。利益の最大化よりも、事業の
安定性を僕は優先します。

とすると利回りだけで決められないのは当然でしょう。もし利回り
が高くても、悪い条件でしか融資を受けられないようでは何の意味
もありませんから。

 

つまり、不動産投資を事業としてみなすなら、自分だけの価値観で
物件を評価するのは不適切。他のキーマンから見ても、価値のある
物件である、との評価を受けられるのが重要です。

 

利回りの下限を見極める

つまり、利回りは最低ラインを越えていればそれでいい

高いに越したことはありませんが、他にも大切な評価項目がある中
利回りだけを優先して追い求めるのは間違いです。

ある程度以上の利回りがあったら、他にも「分かりやすい」高評価
を得られる部分があるかを優先した方が良いでしょう。

それが立地の良さであったり、建物がしっかりしていたり、です。

 

分かりやすさ、は意外にも大事ですね。最終的には別の投資家へと
売却もしなければいけません。分かりやすい良さのある収益不動産
は、それなりの値で買い手がつきやすい。

金融機関からの評価も出やすいでしょう。金融機関が、担保評価を
なぜ重視するかは上を説得する分かりやすさがあるためだと思って
いますが、恐らく間違いではありません。

 

ずっと利回りがひっ迫していて、最近になりようやく少し利回りの
良い物件が出回り始めていますが、利回りだけを見て飛びつくのは
お勧めできません。飢えているのは分かりますが自制しましょう。

自分の色眼鏡だけで物件を評価するのではなく、他の人が当該物件
をどのように評価するだろうか、も想像し、投資に挑んで下さい。

数多くのフィルターを持っている人間が、最終的には勝者となると
僕は信じています。

 

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