キャッシュフローと不動産融資の話【2】

この記事は3分で読めます

いつも応援ありがとうございます。



 

続きです。

前回は以下より。
キャッシュフローと不動産融資の話【1】

 

毎月のキャッシュフローがマイナスとなる、良くても殆ど出ないよう
な事業計画となっている物件を購入してはいけない、という話をここ
で何度も書いてはいるのですが。

僕の力不足でそれを伝えきれずに、フルローンで都内にある新築区分
マンションを購入してしまう方は後を絶ちません。

 

話を聞くと、電話セールスから買う方もいらっしゃるのですが、それ
以上に目立つのが「友人の紹介で」というもの。

友人が不動産業者だったり、友人が購入した先の不動産業者から購入
することを誘われたり、といった事例を相当に聞きます。

友人が本当に自分のことを思っての事なのか、何らかの事情、例えば
ノルマに追い詰められて血迷ってしまった等によるものか、それとも
友人と思っているのは自分だけだったりするのか。

話を聞くだけでは判断できませんので、その友人に対する批判は控え
させて頂きますけれども、たとえ親友からの誘いであっても余程注意
をした方が良いと思います。

昨今は、10年前に自宅用として購入したマンションが当時よりも高額
で売りに出されているとかそういった話は珍しくありません。

日銀の大規模金融緩和により不動産へ融資という形でお金が流入して
いますので、一部地域を中心に物件価格は上昇しています。

もしかしたら今後もその傾向は続き、インフレが強まり購入した物件
が将来高く売れるかもしれません。

 

が、あくまでかもしれない、だけですし、もしも高く売れたとしても
融資を受けて購入している以上は購入額以上の金額を支払っているの
ですから、それを上回る金額で売れる可能性はかなり低いでしょう。

日本では新築物件の建物価値は時間経過で低下していくのが常識です。
もし上回ったとしても、いったいどの程度の儲けが出るのか。

信用を棄損するリスクを負ってまで融資を受け購入する意味は無い、
との確信を僕は持っています。

無数にある部屋を購入して儲かるならだれにも売らないでしょう?

信用を取り戻すには

そうはいっても既に購入してしまった方にとっては後悔の念を強める
だけであまり役に立つ方法ではありません。

ということで、今回は「既に購入してしまった場合はどのような対処
をするべきか」を考えていきましょう。

 

この件については僕も以前相当考えました。妻所有投資用ワンルーム
マンションがありましたので。

その存在を最初に知った時考えたのは、返済を続けつつお金を貯めて
どこかで一括返済をしよう、というものでした。

融資さえなくなってしまえば、最終的な損益がどうなるかはともかく
マイナスを最小限に抑えられるからです。

 

しかし結果としてそうならず、未だに区分マンションの融資は繰上げ
返済もせずに残ったままです。返済しようと思えばできる程度の資金
はありますが、あえて残しています。

より大きな不動産を融資を資本に購入し、区分マンションへの融資を
矮小化する事に成功したからです。

現時点では資産と債務のバランス上、全額繰り上げ返済するのは得策
ではないとの判断で、そう遠くない内に繰り上げ返済へ向かう予定と
しています。それは単に税務上の判断。

 

やった事は、融資を受けて社運を賭けた新規事業を立ち上げる企業
何ら変わりません。

あくまで事業として勝ち目を見出せたからこそできたこと。リスクは
高い為、あまり強くはお勧めしきれない手段ではあります。

ですが、近道をしたいならこれしかありません。数千万円の融資返済
に掛かる年月は毎月返済可能な金額から逆算できるはず。そこを耐え
忍ぶのが人生に悪影響とならないかどうか。

 

確かにリスクもありますが、効果的な解決方法かと思います。融資を
早く終わらせたいなら何らかの方法で収入を増やすしかなく。

宝くじで大当たりを祈るよりも確率は高く、株やFXで短期間に勝ちを
狙うよりもリスクは低い不動産投資は悪くない選択肢ではないか、と
感じます。

ただ既に信用棄損を起こしている場合は、スタートのハードルが随分
高くなってしまいますが……。

 

融資が下りないような状況となってしまっていたら、しばらくは我慢
をして信用を高めるところから始めなければいけません。

 

繰り上げで金利損を防ぐ

最も安全で誰にでもお勧めできるのは、やはり確実に繰り上げ返済
していく事。

何しろリスクがほとんどありませんから、勧めて恨まれる結果となる
可能性はゼロです(笑)。

無難な話ほど気が楽なことはありません。

 

実際、悪くはないと思います。繰り上げ返済により総返済額が少なく
なれば、損失は確実に小さくなりますし、売却時にプラスへとできる
可能性も高まります。

現金購入であれば、新築区分マンションを購入するのは止める程では
無いですから、融資返済が終われば何の心配もなくなります。

 

新築区分マンションの融資は恐らく30年~35年間の融資期間で組んで
あると思われます。元利均等返済では10年経っても返済は進まない。

待てば待つほど悪化する状況。繰り上げ返済はその病を治す万能薬。

もう不動産投資などに関わりたくない、夢を追う必要なんてない、と
いう方は素直に地道な繰り上げ返済をしていくのを強く勧めます。

 

次回へ続きます。

 

宜しければブログランキングも応援クリックお願いします。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

  1. キャッシュフローの出る不動産を得るのはスタートにすぎません。。
  2. ノーマネーでフィニッシュです。
  3. 裏は一枚とは限らないほど、報道は多面的な存在です。
  4. 相場が急落し、今後の金融機関はどう動くでしょうか。
  5. 今の日本を形作った金融制度を補佐する機関、それが日本政策金融公庫です。
  1. 繰上返済に関しては、仰る通りですね。
    ただ、拡大していきたい方は迷うところですね。

      • きりのき
      • 2016年 10月30日

      繰上げと資金力の増強のバランスは悩ましいところ
      ですが、急いで繰上げし過ぎるのだけは止めた方が
      よいかな、と感じるところはあります。

      やはり、現金をしっかり保持しておくのは重要です。

このサイトについて

不動産投資を中心に、金融・経済、そしてビジネスについてコラムを書いています。

きりのきについて


人気ブログランキング参加中です。お楽しみ頂けたら応援お願い致します。



楽待不動産投資新聞様にて時々コラムを書かせて頂いております。

2014年4月不動産投資を始める際に最も重要なリスクヘッジの仕方。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る