アパートローンの審査の緩さが持つリスクとは

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不動産投資というものは1年2年で結果がどう、
という類のものでないことは、多くの人が
理解をしていることだと思います。

ただ、実際にこれから不動産投資をやるぞ、
と意気込んでスタートしようとすると、
結果ばかりを早く追い求めてしまうもの。

早く現金を増やしたい。
早く次を買い進めたい。
早く金利を下げてほしい。

 

でも、残念ながらそうはいきません。
不動産投資で結果を出すには、時間がかかります。

 

不動産投資に大ヒットは無し

ベンチャービジネスの場合、嵌ればドカンと
収入が増えることがあります。

最近の有名どころでは、ガンホーが典型的。
『パズドラ』で大成功を収め、2013年1~3月の
営業益が前年同期比に比べて75倍、186億円という
爆発的な成功を収めました。

多数を相手にするビジネスでは大ヒットが
一つ生まれることで、サラリーマンではとても
お目にかかれない額を稼ぐことができます。

 

しかし、不動産投資はインフラ系ビジネスに近い。

物件一つ経営するのに必要なお金は大きいのに
収益率を大きく上げることはほぼ不可能で、
顧客数にレバレッジを掛けることもできない。

シェアハウスなんかは賃貸不動産ビジネスで
顧客数にレバレッジを掛けようとした結果
発生したものですが、限界があります。

 

不動産投資で短期間に爆発的な稼ぎを出すことは
不可能といっていいでしょう。

せいぜい購入した物件の土地が何かの拍子に
急騰し、高価格で地上げされた時のみ。

それもバブル時代の夢の跡、今の日本では
そのような投資は忌避されています。

 

不動産投資で結果を急ぎすぎると?

ビジネスで大きく稼ぐには、どこかにレバレッジを
掛ける以外にはありません。

所有物件のキャパシティ以上に顧客数を増やすことが
前述のように不動産投資では不可能な以上、
他の場所にレバレッジを掛けるしかない。

 

そのレバレッジの掛けどころが、融資です。

融資を受けることで投資資金にレバレッジを掛け、
不動産の所有数を増やしていく。

所有不動産が増えると顧客数も増え、
収益を増やすことに繋がります。

 

つまり、もし不動産投資の規模をできるだけ素早く
拡大したいと思ったら融資額を増やすしかない。

できる限り多くの融資を受け、そのお金を不動産の
購入に当てて規模を拡大していく。

収入が増えるまでに何年も、十数年も待っていられない
と思うなら、不動産投資においてはこれ以外の方法は
宝くじを当てない限りどうあっても不可能です。

 

しかし、そこには大きな壁が存在する。
どうやってそんなに融資を受ければいいのか。

融資を受けることがいかに大変か、
多くの方はご存知かと思います。

 

先に結論を言ってしまうと。

結果を急ぎすぎると失敗してしまうのもまた、
不動産投資の特徴です。

 

条件が揃ってさえいれば、どんどんお金を借りて
最初の1年で経営規模を数億円規模に拡大することは
不可能ではありません。

しかし、焦ってしまうとかえって投資速度が
遅くなってしまうことがある。

 

何故か。

融資が受けられなくなってしまうことがあるためです。

ノーマネーでフィニッシュです。

アパートローンのありがたさ

金融機関は基本的に担保評価が厳しいです。

サラリーマンがアパートローンを利用して普通に
収益不動産を購入するだけでは、多くの場合で
担保評価割れしていることでしょう。

 

担保掛目の存在がその原因。

金融機関は評価額をそのまま担保評価とはしてくれません。
評価額というのは曖昧なもので、特に不動産は大きくブレます。

その歪みがあるからこそ私たち不動産投資家は稼げるんですが、
金融機関にとって歪みはリスク。

金融機関は、本来の価値より高く評価を出してしまい
不良債権化してしまうことを恐れています。

 

では何故お金を貸してくれるのかというと、
お分かりですよね。

サラリーマンとしての信用を担保として融資をするのが
アパートローンという金融商品だから。

 

言ってみれば、数年、数十年先の給料を、
会社の代わりに金融機関から前借りしていると。

住宅ローンもそうですが、サラリーマンにとっては
夢を叶えてくれるとても素晴らしい金融商品です。

 

アパートローンの問題点

アパートローンの問題点はバランスシートの悪化

バランスシートには自分の属性なんて乗りませんから、
一般的な物件では買えば買うほどマイナスへ振れていきます。

 

融資をした金融機関から見れば信用担保を合わせて
適切な融資であっても、その他の金融機関から
同じ評価が受けられるかというと、そんなことはなく。

サラリーマンとしての信用を使い切ってしまえば、
ただの個人事業主と同じ土俵。

そうなれば、重要視されるものが何かというと?

 

経営者としての実績と現在の経営状況です。

 

経営者の実績についてはまあ、いいでしょう。
誰でも初めは素人です。

これから自分は信用できる人間だ、優良な経営者だと
見せつけてあげればいい。

 

しかし、バランスシートはというと。

アパートローンで無理な融資を引き出し続けたことにより、
債務バランスはぐちゃぐちゃ。

キャッシュフローは出ていても、例えば積算評価で
大幅なマイナスだったとしたら経営が傾けば融資資金は
回収できない可能性が高い。

 

そんな危うい橋を無理して渡ろうとする金融機関が
果たしてどこにいるものでしょうか?

 

アパートローンでも、本当にしっかりと選んで
購入をしていけば何も問題はありません。

でも、初心者が買いたい時に買えそうだったから買った物件。

どこまで投資するに値する物件でしょうか?

 

仲介業者に乗せられて。セミナーに参加した勢いで。

サラリーマンが不労所得の夢を見て投資規模の拡大のために
多額の融資を受け購入した末、どん詰まりを起こす例が、
非常に多くなっています。

 

不動産投資で行き詰らない方法とは

この問題、どうやったら回避できるのか。

積算評価より、収益評価より、収益還元評価より
低価格の物件だけ買えばいいというのは究極の答えですが、
実際にそれを常にやるのは非常に難しい。

「いつまで経っても買えない病」を患ってしまいます。

 

他の手段はないものか?

僕は、あると思っています。
手段というより、僕にとっては「当たり前過ぎる」話です。

多分、投資規模の拡大に成功している人は誰もが
当然やっていることだと思います。

 

もったいぶるほどの話ではありませんが、
長くなりすぎるので次回へ続きます。

アパートローンから始める投資拡大戦略【1】

 

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