不動産投資が成立している特異な理由

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不動産投資は、どちらかというと不動産賃貸事業、つまり「起業」
に近いものであると考えています。

いえ、むしろ「起業」そのものと言っていいかもしれません。

 

不思議なものです。日本人に起業をしたいかどうか、と尋ねると、
ほとんどの方がリスクが高いのでしたくない、と答えます。

けれども、不動産投資に限っては数多くの起業家がいます。それも
「起業をしたくない」と回答をする方でも、不動産投資には抵抗が
少なかったり。

その理由には色々な要素があると思います。いわゆる土地神話とか
不動産神話とかいうものが、未だに日本人の中に根付いていたり、
作業が少ないため副業的に始めやすいところであったり。

 

「大家」は楽して儲けている、との印象が張り付いてしまっている
のも羨望や嫉妬を生んで背徳感から抵抗を薄れさせています。

不動産から家賃収入を得ている人は、意外と身近にいるものですし。
どこぞの誰が大地主だとかは地元の人間は大抵が知っているもの。

人口を収容するだけの住宅需要があるということは、それだけ供給
がされている、つまり供給側が多数存在している事実を示していて、
決して珍しい存在ではないわけです。

貴方の同僚にも、近しい親族が大家をしていたり、不動産を継承し
家賃収入を得ているかもしれません。

 

不動産賃貸業は、もしかしたら日本で最も起業家の多い業種である
かもしれませんね。

そんな不動産投資ですが、不動産投資でしか起業をしていない人に
とってはあまり意識をしていない特徴が、事業参入へのハードルを
大幅に下げているのを一応覚えておいた方がいいかもしれません。

そして、その特徴が時に自らの首を絞めかねない点についても。

マンションの数だけ投資家がいる

不動産投資が始めやすい理由

その特徴とは、融資期間の長さにあります。

一般的な事業では、銀行から受けられる融資の返済期間は一般的に
10年程度であることが多いです。

融資期間の長さは、金融機関にとって非常に微妙な問題。返済期間
が長ければその分だけ金利を多く取れますから、金融機関の利益は
増加します。

 

一方で、返済期間が長いと回収リスクが高まってしまう。融資先が
返済途中で倒産し、融資額が回収できなければ大きな損失。

起業後にどの程度が何年程度生き残るかは統計が出ていますから、
有象無象の新規開業に長期の融資をするのは、十分な担保の確保が
できた場合を除いて忌避されてしまうのが現実です。

 

特例も存在しますが、金融機関から事業性融資を受けて企業したい
と考えたら、10年程度の返済期間で返せる程度の金額までしか融資
を受けられませんから、キャッシュフローが厳しくなってしまって。

起業しても長くは持たない、というのが実態ではないかと感じます。
もし返済期間10年で不動産投資を開始しようとしたらあっという間
に返済困難に陥ります。そもそも事業計画が成り立たないでしょう。

日本政策金融公庫などは、条件次第でその環境を少しだけ改善して
くれますから、新規開業志望者にとっては非常にありがたい存在。
設備資金なら低金利で20年もの融資期間を取ってくれます。

20年もあれば条件によっては不動産投資でも有用です。実際、公庫
から融資を引き出して不動産投資を開始する方はこれまで多く存在
してきました。

 

条件次第では、もっと長く融資を受けられるのが不動産投資の特徴
になります。35年ローンなんて話も珍しくない。それだけ金融機関
は不動産に担保力、返済能力があると認識しています。

返済期間が長いと、貸した側は利益が増え、借りた側は資金繰りが
楽になりますから、お互いが嬉しい状況です。

もし、一般的な起業にも20年、30年の返済期間が獲得できる時代に
なったとしたら、倒産する企業は減るでしょうね。返済負担の重さ
に耐え切れず倒れる企業は数知れません。

不動産投資が非常に起業しやすい事業であるのはここにあります。

 

融資期間の長さはリスクにも繋がる

ただし、これまでも書いてきたように返済期間があまりにも長期と
なってしまうのは、不動産投資家に避けがたいリスクを背負わせる
事となります。

確かに短期的には資金繰りが楽ではありますが、完済までの支払い
金利が増え、最終利益を圧迫します。また、元本が減らないために
減価償却が返済額を上回り、債務超過となる恐れが高まります。

もし、当初はある程度長い期間で融資を組んだとしても、借り換え
をする際に返済年数を短くしていく、積極的に繰り上げ返済をする
などの工夫をしなければいけないと思われます。

 

逆にそこで踏み込み過ぎて、返済期間を短くし過ぎたり手持ち資金
を減らし過ぎたりすると、キャッシュフローが回らなくなるピンチ
を招きかねず。

返済計画、事業計画は慎重に経てなければいけないのが難しい部分。
先を読むセンスも問われますね。

 

不動産投資は、その担保力で活かされている事業であるのを忘れて
はいけないでしょう。

担保力を見誤ると大きな痛手を被りかねない。

投資とは名ばかりの、れっきとした起業であり、金融機関が長期で
融資を組ませてくれるのは不動産投資家のためだけではない事実を
考慮して、起業するべきかどうかを選択して下さい。

 

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  1. 不動産投資イコール起業と感じてる方は実際少ないでしょうね。でも、確かに事業ですよね。

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