投資家ごとに異なるタイムスパン。意見の相違はここにあり。

この記事は3分で読めます

いつも応援ありがとうございます。



 

ここでは繰り返し「日本において不動産バブルが崩壊の危機にある」
との意見を否定し続けているのですが、もしかしたら意見の隔たり
は不動産投資に対する視点の違いにあるのかもしれませんね。

不動産投資をした経験が無いような方ほど不動産バブル崩壊を警鐘
しているような雰囲気を感じていたのですが、その違和感の正体が
見えたかもしれません。

確かに、投資は投資でも株式など金融投資を短期~中期トレードで
行っている人からすると、現時点で不動産を購入するのは損をする
可能性が高いと感じるかもしれません。

 

僕は不動産投資とは事業であって、キャピタルゲインを得る事より
インカムゲインを得る事に重点を置くべきだ、との立場にいます。

最終的に、キャピタルロスが出たとしてもインカムゲインでプラス
に持っていけるような体制づくりが重要である、と。

売るに売れないような物件でなければ、インカムゲインで得た利益
が購入金額を上回れば、100%黒字でしょう。ネット利回りが8%程度
あるとしたら13年で達成できます。

しかし多くの「投資家」と呼ばれる方々は、そこまで待てないのだ
と思われます。特に日銭を稼がなければいけないデイトレーダーは。

日本では生活費を稼ぐデイトレーダーが「投資家」の典型例として
イメージされます。

そこまでいくと投資家ではなくただのギャンブラーなのですけれど、
何故か何十年経ってもそんなイメージが払拭されません。

日本がギャンブルで世界最大の市場規模を誇るところを見る限り、
日本人とはギャンブル嗜好が極めて高い国民性を持っているのかも
しれませんね。

ギャンブルを毛嫌いする人も少なくないはずであるのに、不思議な
話です。いえ、だからこそでしょうか。

 

そろそろ、投資投機は全く異なっていること、投資はギャンブル
ではなく多分に学問的であること不動産投資がそもそも投資では
なく事業であることを明確に広く認知されてほしいものです。

さもなくば、不動産賃貸事業は将来的にもサービス改善を含め健全
な事業にはなりきれず、質の良い部屋の提供は広まらないでしょう。

利用者側にその健全性が認識されるのは、サービス提供側にとって
実に重要であったりしますから。

都会と田舎では時間感覚が違いますよね。

異なるタイムスパン

投資とは短期~中期で付き合うものだ、との考えを持つ方々には、
10年単位で資金を縛られたり、融資を抱えたりするのが信じがたい
行為なのであろうと思います。

お金とは使う為にあり、投資で縛られているお金は死に金である、
との意識が強いのでしょう。更なる利益を得たいなら、一度利益を
確定してその時によりよい投資先へ再投資すればよい、と。

投資のチャンスが多い金融市場ならではの考え方と言えます。

 

不動産市場でそのような考え方を適応すると、投資のチャンスも、
利益確定のチャンスも数年に一度しか現れません。

大資本家が数十の不動産を扱うなら同じ感覚でもやっていけるかと
思いますが、個人レベル、特にサラリーマンが副業で行う程度では
あまりに投資機会が少なすぎます。

やっとチャンスに巡り合った時には、既に年月の経過により環境が
違って不動産投資どころではなくなってしまうかもしれません。

買った直後からぐんぐんと不動産価格が上昇してくれるような物件
を手にできる人など、ごく一部の幸運な方以外には存在しません。
世界経済動向や金融政策、経済政策にも大きく左右されます。

 

不動産投資ではインカムゲインがまず重要であり、長期的な目線であ
プラスに持っていく計画を投資前から立てておく必要があります。

言ってしまえば、たとえバブルが崩壊したとしても何の関係も無い
ような体制作りをするのが基本となります。

家賃収入さえ安定して得られているなら、物件価格が下落をしても
換金するわけではありません。物件の評価額が下がっても収支には
影響しませんよね。

もちろん、評価額の下落によって先々の投資計画の修正を余儀なく
される可能性はあります。特に、新規で融資は立てにくくなるかも
しれません。

ですがそれも収支さえ順調にプラスが続けば難なく乗り越えられる
はず。事業ですから山あり谷あり、と考えるのも大切でしょう。

 

流石にかつての不動産バブル崩壊ほどの事態となると、取り返しが
つかない損失を出してしまうと思われますが、僕は今現在、多くの
地域、物件についてバブルは起こっていない、との立場です。

日本で不動産バブルが崩壊するのを心配するよりも、中国経済危機
によって勤め先が窮地に陥らないかを注視した方がよいのではない
でしょうか。

 

出口は確保するだけ

出口戦略は常に考えておくべきです。

最終的に「売るに売れない」ような状況に追い込まれるのは極めて
危険で。またそのような土地が大きな災害に見舞われ、色々な問題
を将来的に起こす事故も考えられますので、要注意です。

また、いつどのような変化が不動産投資市場に現れるかはなんとも
予想がつきません。短期的な変化を予測するのは不可能です。

 

ですが、出口戦略ありきで収支を計算するのも、不動産賃貸事業と
するとどうかと思います。

最初から会社を売却するつもりで起業をするようなもの。上手い事
成功して高値で買ってくれる人が現れればいいですが、そのように
都合良く縁があるかは運次第。

そこまでいくとギャンブルと大して違いはなくなってきます。

 

金融投資とはまるで違った考えでいて下さい。不動産投資は長期の
成績こそが重要であり、日銭を稼ぐ為にするようなものではないと
考えを改めるのをお勧めします。

 

宜しければブログランキングも応援クリックお願いします。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

  1. 最初はお互いが探り合っているものです。
  2. overwork
  3. 人付き合いは苦手ではありませんか?
  4. 駅前物件は立地が良いものの、利回りが厳しく。
  5. 国民の投資に対する誤解を解かねば、金融大国には決して勝てる国にはなりません。
  6. 柱を立てるのは結構大変なものではありますが。
  1. 全く同意見です。しかし、書籍等には10年以内の売買を勧めるものも結構ありますよね。

      • きりのき
      • 2017年 2月7日

      コメントありがとうございます。出口は本当に難しく。物件一つひとつにも異なったゴールが正解だったりするでしょうから難儀します。今までうまくいっていても、僕もここでミスをしてしまうかもしれませんので油断なく市場を見ようかと。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

このサイトについて

不動産投資を中心に、金融・経済、そしてビジネスについてコラムを書いています。

きりのきについて


人気ブログランキング参加中です。お楽しみ頂けたら応援お願い致します。



楽待不動産投資新聞様にて時々コラムを書かせて頂いております。

2014年4月不動産投資を始める際に最も重要なリスクヘッジの仕方。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る