不動産投資を経験してこそ気が付くリスク。依存状態からは早めの脱却を。

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学生の需要を見越して購入した、福岡にある2棟目ですが。

目論見通り学生需要は確かに旺盛で、多くの新入学生にキャンパスライフの基地
として利用して頂いています。

非常にありがたい限り。これも全て管理会社さんのお力によるものであり、感謝
をしてもしきれません。

 

ただ、このような賃貸需要を特定の対象に限定した経営戦略を取るのにはリスク
も当然あります。

見越したような需要が当初から全く無かった、ではただの投資先の選定ミスで、
もっとリサーチをちゃんとすべきだったとの結論が立ちますが。

需要はあったものの予想より弱かったとか、環境の変化によって需要が減衰して
しまったとなると、予定していた収入が得られず、しかし退くに退けず、苦しい
経営と付き合わざるを得なくなったりしかねません。

学生向けの賃貸物件は、入居の見込まれるタイミングが4月の進学の時期にほぼ
限定されますので、そこを越えても空室が残ってしまった場合に、下手をすると
次の春まで空きっぱなしとなる可能性がある。

1室が1年を通して丸々空室となると、かなりの損失となります。それが複数戸と
なれば、ちょっと許容できません。

 

対象の絞込みはビジネスに良い影響を与えます。与えますが、それだけではやや
空室リスクが上がってしまう可能性があり。

経営が順調に進んでいるうちに、もし状況が悪化してしまった時のために、別の
道がないかを検討しておくのは、リスク管理のため極めて重要です。

一流大学であっても依存しきるのは危険です。

運用が始まってから気が付くリスク

典型的なのが、絞り込んでいた対象がごっそりといなくなってしまった、という
もの。

大学が移転してしまったりとか、工場が閉鎖されてしまったりとか。

それまでは順調な経営をしていたとしても、こういった事態となってしまったら
一気にピンチ。退去も嵐のように発生しますし、需要が急減してしまっている中
空室を埋めるのは相当な厳しさが予想されます。

 

率直に言って、こうなってしまうと「アウト」です。よほどキャッシュフローが
良くて投資資金の回収は終わっています、融資も払い終わっていますという状況
でもない限り、最終損が出てしまうでしょう。

特定の施設に頼りきった物件はリスクが高い、と言われる所以です。

 

僕も2棟目は国立大学の学生需要が多く見込めるだろうとの考えで購入しました。
それは結果を見ると大正解で、購入翌年の繁盛期で満室を実現できています。
(そこまでは空室だらけでしたが、家賃保証期間が設定されていましたので)

が、20戸以上の部屋が一気に埋まったことで、一つの懸念が生じました。

大学は基本、4年間。一部は大学院に進学したり、卒業後もすみ続けてくれるかも
しれませんが、地域的には就職組みは退去する可能性が極めて高い。4年後、一斉
に退去されたら、今回のように一気に部屋を埋めきれるのだろうか、と。

部屋を一気に埋めようとすると、修繕費及び広告費もまとまって必要となるので
その点にも懸念が生じます。

 

物件を所有し経験をして初めてそこに気がつきました。幸運にも気がつけたので
来るべき時のために今のうちから少しずつ対策を進めているのが現在です。

 

取り返しの付かなくなる前に

ということで、現在は学生需要に頼らず部屋を埋める方向へと方針転換を進めて
いるところ、です。

もともと学生専用マンションでは全くありませんでしたので、以前から一般の方
も住まわれています。その関係で、時々退去が発生したり、またキャンパス事情
で学生がこの3月に数人退去されたり。

学生専用マンションのように3月4月しか人の出入りがない訳ではなく、時折空室
が発生しては埋める、を繰り返していました。

 

その過程で、意外と一般の方からの入居希望が多いことに気がつきまして。学生
からの申し込みが発生し得ない今の時期でも、問い合わせや内見などがちらほら
とあるんです。

実際、閑散期にも入居が結構決まっており、空室はほとんどありません。8月には
満室になる事も決まっています(退去予定が入ってしまってまた一つ空室が発生
しますけれども)。

 

管理会社さんともその事については相談し、恐らくは広告料が周りの物件と比べ
高いからではないか、との結論に達しています。

広告料が高い分、周辺の客付け業者さんが紹介して下さる機会が多い、と。

 

元々、国立大学の大規模移転というイベントに乗じた物件で、完全に学生のみに
依存した物件とは考えてはおりませんでした。

公的な開発の手が入る具体計画が上がっているのも分かっていましたので。

ただ、駅ができるのも数年後ですし開発が進んで人口が増え始めるにはかなりの
年月を要するので、一般向けには後々検討できれば、くらいに考えていました。

 

ですが、偶然とはいえ現時点でも一般向けの需要を取り込めるのが分かりました
ので、予定を繰り上げて一般層の募集を強化し始めています。

やはり、特定の一つの施設に頼ったビジネスよりも、一般層まで取り込める方が
不動産賃貸業としては安定しますからね。

閑散期問題も解決できます。

 

地方不動産へと投資をするには、ある程度影響力のある施設に頼らざるを得ない
物件も少なくありません。

ありませんが、頼りきりは効率が悪くなりますし、リスクも高まりますので。

なるべく早いうちから頼りきりを解消できるよう、創意工夫を凝らすのがよいと
僕は実感しています。

 

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