貸し出し賃料の適正化は重要、しかし低価格路線には利点も欠点もある。

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ここ半年ほど少し1棟目に空室ができてしまっていたのですが。

周辺物件のリサーチを行い、全体的に下落していた家賃に対して
調節を行うことで問題は無事解決しました。

空いていた部屋も順調に埋まり、残り1戸で完全満室です。

 

建物の老朽化に伴う下落ではなく、周辺環境の問題ですのでどうやっても
家賃の下落は免れませんでした。若干の需要の減衰による家賃下落です。

自分の予測では今がもっとも家賃が下がっている時点であると考えています。
建物もすでに十分古いですので、これ以上の大きな家賃下落はないでしょう。

数年後に新駅が完成しますし、近隣に他にも開発見込みがありますので、
今後のインフレに伴い家賃は再度上昇傾向になるものと踏んでいます。

 

ただ、それを期待して指をくわえて待っているのも気に入らないので、他で
得た収入を利用して物件のてこ入れを今年中には行う予定です。

将来を予測した経営をしていると、シミュレーションゲームをやっている
ようで楽しいですね。モチベーションも上がります。

なるべく安売り競争はしたくないものです。

売り上げを最大化させるために

収益不動産の高稼働率を維持するためには、やはり「適正家賃」というものを
常に追っていかなければなりません。

ただ安ければいいというものではなく、狙いは収入を最大化させることに
ありますから適正でも上限を狙っていきたくなるところではあります。

が、不動産賃貸の場合、よくある薄利多売の物販ビジネスとは違う考え方を
しなければいけません。

 

一般的な物販ビジネスであれば売れ行きと価格の掛け算で最も売り上げが
大きくなるラインをシミュレートして価格を決定しますよね。

50円で100個売れるより60円で85個売れる方が売れ残りがあったとしても
売り上げは良くなりますから、この場合正解は60円とすることです。

 

不動産賃貸の場合、売るものは少なくて単価は高いこと、定期収入型の事業
であることの2つの特徴があります。

このモデルの場合、価格を安くすることのデメリットが薄利多売ビジネスより
遥かに小さく、逆に売れ残りが発生するデメリットが遥かに大きい。

 

50,000円の空室があるとして、1,000円の値引きをケチって入居が1ヶ月遅延
したとしたらどうでしょう。

その後入居者が49ヶ月以内に退去したとしたら値引きしてでも早く入居して
もらっておいた方が得だったことになります。

1,000円の値引きなんて、1ヶ月の空室期間による損失に比べたら微々たるもの
なんです。

 

物販ビジネスと違い商品の入荷量を調節することができない以上、売り上げを
常に完売にすること(稼働率を100%にしておくこと)が実に重要です。

多くの方が満室にこだわるのは、そこに理由があります。

特に所有物件の戸数が少ない間は1戸空きによる収入の減少率が高いので、
可能な限り満室を目指さねばなりません。

 

低価格路線は諸刃の剣

するとどうしても強いのは低価格路線です。

周辺のライバルと同等以上の条件の部屋を低価格で提供をすれば、入居者が
見つからないはずがありません。

1室の空室を許すよりは安い価格で満室を維持する方が確実な収入を得られます
から、特に不動産投資をスタートしたばかりであれば低価格路線で攻めること
はお勧めの戦略といえます。

お金に余裕ができてきたら、平均賃金を引き上げる方向性で投資を拡大して
いけばいいでしょう。

 

ただし、低価格路線にも欠点があります。

 

まず、同じように考える方が多くいますから不動産賃貸事業は価格競争が
発生しやすい環境にあること。

自分が家賃を引き下げて需要を奪った結果としてライバルが更なる値下げを
行い、家賃下落のスパイラルに陥る可能性がある。

1室あたりの家賃が下がりすぎると退去時の経費が収入に対して大きくなり、
利益を逼迫してしまいます。

3万円以下の家賃で経営していくのはなかなかに厳しいものがあります。

 

また、家賃引き下げにより客付け業者の利益が減ってしまいます

同じ客付けの手間であれば広告料の高いところを優先したくなるのは
商売として当然で。

家賃を引き下げることにより、客付け業者にとっては紹介をする旨みが
減ってしまいます。だからといって広告料を引き上げると経費がかさむ
一方です。

 

客付けもやっている不動産業者が近隣に物件を所有している場合、価格の
引き下げに難色を示すこともあります。

地域のバランスを崩すような家賃引き下げを毛嫌いする不動産業者もいる
ようです。このあたりは不動産業者が身勝手であると思いますが、抵抗を
することが難しく困りもの。

 

更に、物件そのものの評価額を落とす副作用もあります。

収益還元評価が重要視される場合、売価や借り換えに悪い影響を与える
ことは確実。出口をも狭くしてしまいます。

 

こう考えると、闇雲に値下げをするのも考えもの。低価格路線といえど
ある程度は相場に合わせ、周辺とバランスの取れた価格設定をすること
が大事であると僕は感じます。

 

リサーチを欠かさないこと

大切なのは、管理会社とよく相談をすることでしょう。

特に地域密着型の不動産業者を管理会社と利用されている場合、周辺の
賃貸事情から同業のことまで詳しいでしょう。

適切に入居がついてバランスの取れた最適な価格を提案してくれるに
違いありません。

大手不動産業者に管理をお願いしている場合は、自分でしっかりと周辺の
賃貸事情を調査する必要がありますね。

 

大手の管理会社がいいか、地域密着型の管理会社がいいかは議論が分かれ
決して結論が出るものではありませんが、いずれにしろ大切なのは確実な
リサーチです。

適正価格の設定を目指し、リサーチをこまめに欠かさないようにしましょう。

 

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