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昨今は政治の影響もあって、働き方について多くの議論がなされて
います。
僕としては悪くない傾向であるとは思うものの、問題点もまだまだ
多数残されていて、法的には今後もしっかりと議論が続き、法改正
も適宜されていくのを期待したいところです。
働き方改革法案でインターネット上で問題視されているのは、現状
一部の専門職にしか適応されない「高度プロフェッショナル制度」
が、いつの間にか多くの人間に適応されるのではないか、との不安。
現時点では厳しい制約が付けられており、ほとんどのサラリーマン
には全く関係のない法案ですが、一部政治家の発言などから将来的
に適応条件の緩和がこっそりと行われるのでは、という点です。
そこまで心配されると政治家も何も決められないと思ってしまうの
ですが、不安を感じるのも分からないでもないですね。これまでの
歴史を振り返れば、政治家も官僚も信用できませんから。
僕は労働者としても経営者としても、もっと企業と個人の間で合意
をしっかりと得た契約をするべきだと思いますし、内容をより自由
に取り決められるようになった方が良いと考えています。
労働者側としても、様々なニーズがあるはずです。より多く仕事を
してお金を稼ぎたいと考える方から、お金よりも休みを重視したい
と考える方まで。
ただ、労働者側は労働契約に対して無頓着で。考えるのが面倒とか、
よく分からない、という方も多いでしょう。
そんな、労働契約に無頓着な方を守るため、また労働者に対しても
最低限の義務を与え、職責を果たさせるのが労働基準法の役割だと
個人的に解釈をしています。
しかしお互いが完全に労働契約内容を理解し、実行する意思がある
場合、労働基準法はただの足かせに過ぎません。
今回の働き方改革法案は、そうした「足かせ要素」を改革しよう、
との考えで始まったものなのではないでしょうか。
僕は官僚でも政治家でもありませんので事実は知りませんけれども、
好意的に且つ合理的に解釈しようとするとそうなります。
そのような目線で見ると、労働法の規制改革は必要不可欠であると
確かに思います。その上でなければ、企業への監視強化も社会的に
難しいからこそなのかもしれません。
医師にも働き方改革の波
医療者、特に医師についても働き方改革は内部で議論されています。
最近の多くの勤務医は医師も労働者である、との意識が強いため、
他の一般的な労働者と同じ権利を得たいと考えているようです。
一方、医師の中でも政治に影響力を持つ立場にいる医師は、医師を
普通の労働者とは一線を画した立場に置かせたいと考えているよう
ですね。
これも、何とも難しい話。
勤務医が労働者であるのは確固たる事実で、基本的人権は守られる
べきだと考えます。医師と言えども、普通のいち個人としての権利
を持っているのですから。
本来は労働基準法にも則った仕事とするべきで。経営者側の人間が
多い団体役員を務める医師の言い分は経営者の身勝手さが見え隠れ
しています。
けれども医療本来のあるべき姿も考えると、権利を守る、とばかり
言っていられません。権利を守るためには義務を果たすのが大前提。
医師としての職務、責務をしっかりと果たすには、労働者の権利を
行使している場合ではないタイミングが必ずあります。
ですから、医師を労働基準法の枠組みから外した存在とするという
のは、ある意味では全く正しい。
結局、どこかが妥協するしかないんです。しかし病気や怪我を妥協
はできないでしょう。労働面では医師が妥協せざるを得ない状況に
あります。少なくとも現状は。
打開するには、医師を増やすか、医師の権益を増やすしかない。
ですがそこを財政赤字が、医療費が、と理屈をこねて何も与えよう
とせずに義務を果たせ、と押し付けようとするので、若い医師ほど
権利を主張するようになってしまった。
医師が儲けすぎだのなんだのと、その医師より高給取りが多数いる
マスコミが社会問題化しようと定期的に騒ぎ、医師が社会に奉仕を
しようとの気持ちを失わせている面も大きい。
恐らくそれも、背後にいる財務省あたりが言わせていて、医療費を
圧縮する機運を作ろうとしているのでしょうけれども。
まあ何というか、もっと真摯的に素直な気持ちで医療へと取り組む
ことができるような社会環境になればいいんですけどね。
労働環境は自分で決める
義務を果たす気になれるほどの権利を得るためには、法律任せでは
なく自分で企業と契約を結べばいいんです。
どんな内容であれば満足するかは人によって全然違うはず。労働の
契約内容をじっくり吟味、検討したい人はそうできるようにすれば
いい。
契約内容に無頓着でいたい方のために、現在の体制も残したままで
良いと思います。
それが本来の意図の働き方改革法案であったはずが、だいぶ歪んで
しまったのは官僚の作るストーリーが悪かったため。
個人的にはとても残念です。
そういった意味で、より一層法律が磨かれ続けていくのを望みます。
労働契約は、労働者も経営者もお互い向き合って決められるべきだ
と考えています。
大企業は抱える労働者が多いため腰が重くなりそうですが、小さな
企業であれば実現は容易。
僕もそんな労働環境を目指し、職員と向き合っていこうと思います。
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