いつも応援ありがとうございます。
最近あんまり物件情報を見ていないのですが。
この間、知人が某ポータルサイトから物件提案のメールが
きたから資料請求をしてみた、と持ってきたので、
久しぶりに物件情報を見ることとなりました。
なんか、時代を感じる物件でした。
地方都市(政令指定都市)の主要駅からバス20分弱にある、
築26年の1棟RCマンション。間取りは全室ワンルームで40戸強。
表面利回りは14%強とのことでした。
地方都市のワンルームマンションという時点で僕は少し
拒否反応が出てしまうのですが、嫌ってばかりでは成長が
ありませんので、真面目に評価することに。
まあ、結果としてはあまり考える余地無く「ナシ」なんですが。
ここのところ物件探しについて全然頭を働かせていなかったので、
たまには復習がてら、思考を巡らせてみましょう。
表面利回りの嘘に惑わされない
まず、物件の情報を仕入れた際に必ず確認をしておかなければ
いけないことからいきましょう。
僕が最初に確認をするのは、大規模修繕工事の履歴があるかどうか、
となります。
何故かというと、これだけの築年数のマンションになると
大規模修繕工事をしているかしていないかで、価格が適正か
どうかが一目瞭然となるからです。
利回り14%というとそこそこ良い数字に見えますが、表面利回りに
意識がいってしまうのは非常に危険です。
この物件は、大規模修繕工事を一度もされてはいないようでした。
つまり、この物件を買ったとしたら早急に大規模修繕工事を
やらなければいけない、ということになります。
物件の大きさにもよりますが、ワンルームとはいえ40戸以上もある
そこそこ大型のマンションです。総額1000万円では済まないでしょう。
すると、途端に利回りが落ちます。
確か物件価格は1億3000万円程度だったと思いますが、購入時の
初期費用や税金、大規模修繕工事の費用の合計が仮に1億5000万円
程度であったとします。
1億3000万円の表面利回り14%ということは家賃収入は年間1820万円。
物件価格1億5000万円で再計算すると利回りは12.1%にダウンします。
利回り12%で地方ワンルームマンションを買うかどうか、と言われると、
僕であれば「買わない」と答えます。
ですから、もしこの物件を買うとすれば、大規模修繕工事のための費用を
計算に入れたうえで満足いく利回りを得られる程度までに指値を入れる
必要があるということ。
具体的な額はともかく、指値が通りそうかどうかは仲介業者さんに
聞いてみれば大体は分かりますので、絶対に無理そうとなると最早
この物件の調査に時間をかけるのは完全に無駄。
さっさとパスして、次の物件に興味を移した方がいいでしょう。
大体どの程度の指値が必要かをざっと判断するために、購入後に最も
大きな費用が必要となる大規模修繕工事の施工の有無を確認することは、
時間の無駄を減らすために手っ取り早いです。
レントロールから過去と未来を繋げて想像する
12%超えならまだいいじゃないかと思うかもしれませんが、ここに
もう一つ。満室であるならともかく、空室があったらそこを埋める
ための費用が必要です。
リフォームは最低限に抑えるとしても、入居付けをするためには
広告費が掛かります。地方のワンルームマンションとなると、
結構な広告費を支払わなければいけません。
そこで、次に確認するのがレントロールになります。
まずは今現在、どの程度の入居率であるかを見てみましょう。
この物件は6割程度の入居率でした。つまり、16戸ちょっとが
現在空室であるということになります。
客付けをするために必要な広告費をちょっと高く見積もって
3ヶ月分としましょう。1戸の家賃が4万円なら、約200万円を
広告費として準備しなければいけません。
築26年となると、場合によっては部屋の中も結構リフォームを
しなければいけないかもしれませんね。1戸あたり20万円ほど
予算を見積もって計算します。
この時点で更に追加費用500万円です。
地方のワンルームマンションで利回り12%未満では、
ちょっと怖くて買えません。
レントロールをしっかり見ると、家賃の変遷がどうなって
いるかも分かります。案の定、家賃は駄々下がりでした。
たとえアベノミクスが成功して景気が良くなっていくとしても、
地方のワンルームマンションの家賃は決して上がりません。
地方のワンルームマンションは、家賃をできるだけ節約したい
と考えている人か生活保護の方以外からは需要が極めて低い。
つまり、お金を掛けて修繕しても家賃が上がることはなく、
むしろ引き続き下落を続ける可能性が高い。
1億円の負債を抱えてまで購入する価値があるか、というと、
ちょっと僕には無理です。
この時点で考えるのを止めました。(笑)
同じ目に遭わないために
ちなみにこの物件、某銀行の別地方支店から融資を受けたもので
あるようです。
売主さんは、残念な取引をしてしまったのかもしれませんね。
いつ頃に現所有者が取得したのかは定かではありませんが、
こんな物件を高い金利でセッティングして売りつけるとは、
なかなかあこぎな商売です。
僕はこんな憂き目に遭う方を一人でも減らしたいと思っています。
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