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アパートローンはサラリーマンの強い味方で、
素人経営に目を瞑ってでも融資を出してくれる
とてもありがたい金融商品です。
何故そんなこちらに都合のいい融資をしてくれるのか
というと、背景にサラリーマン、もしくはそれに準じた
安定収入があるから。
アパートローンを抱えたまま早期リタイアするのは
担保を融資元に内緒で処分してしまうようなもので、
融資元に対する裏切り行為である。
という内容が、前回でした。
融資を受けている時は、何故この銀行は、この信金は
自分に融資をしてくれたのか、理由をなるべく理解し、
信用を損ねないよう気をつけなければいけません。
不動産の評価方法あれこれ
アパートローンを踏み台にして事業規模を拡大するためには、
更なる融資を引き出していく必要があります。
しかしアパートローンには限界がある。
自分の安定した収入を担保としているのですから、
そこから将来的に得られるであろう収入以上に
融資を受けることは不可能です。
ただ、二人の条件が同じサラリーマンがいたとして、
属性が同じであるから全く同じ金額までしか融資が
出ないかというと、実はそうではありません。
工夫次第でアパートローンの融資上限を伸ばすことは可能。
それは、全く同じ条件の不動産はほぼ存在しないことに
由来をしています。
その根拠の一つが、不動産の評価法と評価額。
積算評価、収益評価、収益還元評価という言葉を
ほとんどの方は聞いたことがあると思います。
念のため簡単に説明しておきましょうか。
積算評価
積算評価は原価法、つまり土地、建物を「モノ」として
捉えた際の評価額。単純に、単価と面積の掛け算から
求めた数値です。
収益評価
収益評価はその不動産が使い物にならなくなるまでに、
最大でどれほどのお金を生み出すか。予想収益の概算と
耐用年数から計算した数値です。
収益還元評価
収益還元評価は収益評価をより正確に出そうということで、
収益還元法という方法で不動産の収益性を割り出したもの。
計算式は直接還元法とDCF法の二つがあります。
これら3つの方法で得られた評価額は、それぞれで全く
異なった数字が出ることはよくあります。
積算評価は高いのに収益評価は低い、とか、収益還元評価では
十分な評価額になるのに積算評価は土地値以下であったり。
どの数字を重要視するかで、収益不動産の評価額は
大きく変わってしまうんですね。
短期間での投資拡大において重要な評価方法は?
この評価額ですが、大まかには次のような特徴があります。
物件が新しければ新しいほど、造りが頑強であればあるほど、
都市部であればあるほど、積算評価が高くなり、収益評価、
及び収益還元評価は低くなる。
物件が古ければ古いほど、造りが脆ければ脆いほど、
地方であればあるほど、収益評価、及び収益還元評価が
高くなり、積算評価は低くなる。
要するに、地方にある耐用年数を超えた築古木造アパートは
収益評価が高く、積算評価が低くなる傾向。
都心にある新築のSRCマンションは積算評価が高く、
収益評価が低くなる傾向となっています。
融資を受ける側としては、融資をお願いする時はこの中で
できるだけ高い評価額を重視して可否を考慮してもらえると
大変助かることになりますね。
地方の築古木造アパートであれば収益還元評価で、
都心の新築SRCマンションであれば積算評価でそれぞれ
担保評価を出してもらいたいわけです。
しかし残念ながら、少なくとも現時点では多くの場合、地方の
築古木造アパートでは融資が難しく、都心のSRCマンションは
結構すんなり満額融資、なんて結果になるでしょう。
何故か。
銀行が担保価値を決定するに当たって、原価法である積算評価が
大きな割合を占めているからに他なりません。
金融庁の指導上は、収益還元評価を基本にするようにとされては
いますが、最終的には各々の銀行に裁量権を与えています。
原価法は絶対的な評価額であるので、価値が分かりにくい
不動産というものを評価するうえで利便性が高いのでしょう。
不動産の収益性というものは、立地や建築様式だけでは
量りきれないものがあり、不透明な要素を嫌っているのでは
ないかなと僕は推測しています。
相手が不動産賃貸事業で十分な実績を出しているベテランの
経営者なら話は違うと思います。
相手の言い分のような収益性が確保される可能性は高い、
と判断をして、収益還元評価を元に融資の可否を判定して
くれるかもしれない。
しかし、アパートローンは不動産賃貸事業について
「ずぶの素人」に出すローン。
紙の上では収益還元評価が高くなっても、本当にその数字通り
稼いでくれるかどうか、大きな不安が残ります。
であれば、積算評価で不動産の担保価値を決定するしかない。
少なくともアパートローンにおいては、積算評価というのは
かなり重要な割合を占めるものであって、決して軽んじては
ならないものである、という結論になります。
投資拡大したいなら積算評価を軽視しないこと
アパートローンから不動産投資を拡大していきたい場合、
積算評価は後々のことを考えて重視しておいたほうが
良いだろうことは確か。
融資額に比べ積算評価が下回っているだけで債務超過者で
あると扱われてしまう危険性があります。
決して積算評価だけで考えるべきではありませんが、
積算評価が割れていては始まらない。
必要条件であると思って下さい。
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