基準地価は商業地で上昇傾向も、地域格差拡大に不安あり。

この記事は3分で読めます

いつも応援ありがとうございます。



 

先日、基準地価についてのニュースが流れましたね。

商業地ではついに全国平均で変動率が上昇となり、2017年にして
ようやく一つの目標が達成されました。

異次元の金融緩和と言われた施策を以ってして、5年近くの年月を
必要としたのを見ると、過去20年以上に渡り続いたデフレを退治
するにはまだ時間が掛かりそうです。

 

実際、住宅地は依然として全国平均の基準地価変動率はマイナス。
地価の下落は国の土地の価値低下を意味しており、正常な状態に
なってはいません。

中央銀行が通貨発行数を増やし続ける以上、価値の変動がないの
であれば価格は上昇するのが自然です。日銀の政策は金融緩和へ
向いていますので、地価は上昇しなければ何かがおかしい。

色々な要素が絡み合いますので、金融緩和政策を打ち出した瞬間
に地価が急騰するなんて事はありません。株式のように「期待」
が早々に織り込まれていく投資商品ならともかくとして。

少なくとも政策転換後、順調に地価の変動率は改善傾向にあって、
ある程度は金融緩和策の効果が表れており、経済的に良い方向へ
進みつつあるのは間違いないものの。

もう一歩、何かが足りていないのでしょうね。

 

基準地価については、健美家で分かりやすくまとめられています
ので、以下を参照して下さい。

基準地価、三大都市圏は商業地・住宅地とも上昇。商業地上昇率トップ10に京都市が5地点ランクイン

 

地方と都市とうまく住み分けができるといいのですが。

気になる地域格差の拡大

商業地の地価上昇が住宅地に先行しているのは、外国人観光客が
日本経済に対する影響力を高めているのが大きな要因でしょう。

昨今のホテルの値上がりはご存知の通り。完全な供給不足であり、
予約を取るにも大変な状況が続いています。

外国人観光客が好む地域での地価上昇が著しいのも分かりやすい
指標です。日本人とは違った視点で日本を眺める彼らの動向は、
日本国内の経済事情を大きく変えています。

 

オリンピックをピークに下落に転じる、との予測が大分以前から
呟かれていますが、外国人観光客をこのまま維持できるかどうか
が鍵であるのは間違いありません。

まだオリンピック開催まで3年ほどある段階でこれほど観光需要
がある以上、オリンピック関係なく現状程度は維持できるはず。
観光資源の宝庫である日本の潜在能力は高い。

今後の政府動向次第で、更なる拡大が望める可能性もあります。
商業地区の隆盛は経済の活力になるので、何としてでも頑張って
貰いたいところ。

住宅地の地価上昇には商業地の活性化が欠かせません。

 

もう一つ、基準地価の変動推移から読み取れるのは、地域格差が
拡大している点です。

両極端になりつつあります。人気があるか、ないかが。

上昇するところは大幅に上昇しているのに、地方圏でみると下落
が続いています。下落幅は下がりつつあるものの、それは大きく
上昇しているところが牽引しているだけで。

個別で見れば、落ち込む一方であるところが相当ありそうです。

 

過疎地域が増え続けている以上、致し方ありません。最低限求め
られている生活水準が引きあがっており、都市部への人口流出が
止まらない。

特に住宅地区で顕著に表れています。観光でいくには好まれては
いても、住むには適さない土地というのは珍しくありません。

こういった傾向は金融緩和で改善は難しく、何らかの外的要因
ないと変わらないのが辛いところ。例えば外国人から関心が急に
向くとか、新たな鉄道が通るとか。

 

実際の価値はともかく、価値観はそう簡単に変化をするものでは
ありません。世代間で少しずつ価値観が異なるように、少しずつ
変化をしてくもの。

これまで地方から都市へと人が流れる価値観が続いていて、今も
止まる様子はないことを考えると。

少しずつは地方回帰が進んでいる様子を感じはするものの、まだ
当面の間は地方に厳しく、都市に優しい環境に変わりはない、と
思われます。

 

隆盛する地方に注目を

しかし、地方にも投資をしている僕からすると、ぼちぼち地方は
チャンスが訪れるのではないかな、と。

もちろん場所にもよるでしょう。ダメなところがダメなのは今後
も変わりません。

が、地方回帰は少しずつ現実のものとなっていて、賃金の上昇が
それらを達成する可能性を感じます。慢性的な人材不足から賃金
上昇の足回りは地方でも良くなっている。

 

そうなると、前述したように地方の価値を急騰させる要素が確約
されている地域への投資は、これから期待ができるかもしれない。

これまでも僕は新駅の設置や大規模施設の移転などを狙って投資
をしてきましたが、今後大きく利益を上げようと思うのであれば
それは必須かな、と。

経済全体が底打ちしたところからであれば何を買ってもある程度
稼げますが、既に持ち上がってきていている段階では、下がりは
しないものの横ばいになるところが増えてきます。

損はしなくても、利益も上がらない。時間と労力が無駄になる分
マイナスです。

 

どうしても東京を中心とした大都市圏が安全、安心である感覚が
抜けきれない方もいるかもしれませんが、個人的に不動産投資で
利益を確保したいなら一般庶民にそれは厳しいと思っています。

自分の好ましいと思える地方へと目を向け、同士がどの程度いる
のかを見極めて下さい。

同じ方向を向いている人間が多ければ、必ず成功するのが不動産
投資です。

 

宜しければブログランキングも応援クリックお願いします。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

  1. テロ対策法案に反対する政治家もいますが、テロリストの仲間なのでしょうか?
  2. 日本の観光地も、それぞれの特色を海外に向けてアピールする時でしょう。
  3. 金融機関を納得させる事業計画の立案がより重要となりますね。
  4. 賃貸派か購入派か、議論は尽きませんが……
  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

このサイトについて

不動産投資を中心に、金融・経済、そしてビジネスについてコラムを書いています。

きりのきについて


人気ブログランキング参加中です。お楽しみ頂けたら応援お願い致します。



楽待不動産投資新聞様にて時々コラムを書かせて頂いております。

2014年4月不動産投資を始める際に最も重要なリスクヘッジの仕方。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る