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サラリーマンが融資を受けての不動産投資をするならば、キャッシュ
フローを第一に考えるべきで、積算評価を中心とした資産性は2番目、
3番目くらいの検討項目です。
積算評価がいくら高くても収益性が低く家賃で得られたキャッシュで
経営が回らないのでは意味がありません。
日本における不動産の資産性なんて時間とともに失われてしまうもの。
税制の関係で短期売買にも旨みは無い。
融資の担保として資産性は重要ですが、それ以前に賃貸事業としての
収益性に問題がないかをハッキリさせておかなければ、たとえ融資を
受けられたとしても先行きの見通しは暗く。
それが故に、収益不動産の購入に際しては利回りが極めて重要です。
ですが何回も繰り返すように利回りの表面的な一面だけを見て、高い
収益の得られる物件であるかどうかを決して判断しないで下さい。
表面利回りという言葉の通り、あくまで表向きの数字に過ぎず。実質
の利回りは業界の標準的な定義が定まっておらず表記困難、且つ数字
が低く見えてしまうために公開されないまま売買されています。
実質利回りから推計されるキャッシュこそが真の収益評価であって。
ローン組みはそれを元に検討されなければいけない。
表面利回りの陰に潜む罠をも含めて、適切な評価が下せるかどうかが
最重要で。
そしてその評価を下すのはあなたであるのを忘れてはなりません。
自己属性を十分理解して
収益性を見る際にどのような点に注意すべきかは、多くのベテランが
語っているところ。
家賃が表向き高き設定されており本来よりも過剰に評価されていない
かとか、直近で必要となるだろう修繕費用まで計算に入れ評価すべき
であるとか。
具体的にチェックしなければいけない点はいくつもあります。
ただし、経済の先行き、政府の動向、その他様々な理由により重視を
すべきポイント、あまり気にしなくてもよいポイントは変わるもの。
また、物件そのものの条件、建物の築年数、土地の広さや形、地方の
特性などでも違ってくるもので。
一般論として具体的には語れても、あらゆる時代、あらゆる不動産に
適用できるような普遍的なチェックリストを作成するのは困難です。
最終的には自分なりの判断を加え吟味する以外にはありません。その
辺りについては、色々と情報収集をして、時にベテランの意見を伺い
ながら自己の責任の下、決断を下せるようになってください。
投資判断を人に頼るとろくな結果になりません。
具体的なチェックポイントについては他に譲るとして。
収益性を語る上で、僕がかなり重要視している点があります。それは
サラリーマンとしての所得や安定性、将来的な収入の変化。
いわゆる『属性』と呼ばれている部分です。
属性とは、サラリーマンが融資を受ける際にどの程度まで出せるかを
金融機関の評価の一環として利用されるもの。
融資審査さえ通ってしまえば、後は収益不動産から得られる家賃だけ
で経営が成り立つはずですので、以後は属性なんて関係ありません。
というのが通説ですが、総合的な所得押し上げ、資産形成を旨とする
僕としては、将来への布石として属性を考慮した投資をするのは重要
であると考えています。
適切なレバレッジが投資を救う
属性が何に関連するかというと、総投資額。
収益性がよほど高くて、数年程度で資金の回収、債務バランスの安定
が得られるのであれば属性なんて関係ないのですが。
昨今の収益不動産の利回りを考慮すると、やはり属性による投資総額
や投資ペースの抑制は必要であると感じます。
例えば年収1000万円の方が4億円収益不動産へと投資をして、利回りが
10%程度と仮定すると、給与収入から経営への補填が殆ど効きません。
自己資金からの経営補填は、何も赤字の時ばかりにするものではなく。
残債の圧縮やバランスシートの改善などにも影響を及ぼします。
融資が受けられるからといって、属性からは不相応なほどのローンを
組んでしまうことで、全体の債務バランスや持続的な資産形成戦略が
不動産経営の状況に大きく依存してしまう。
収入をサラリーマンとしての給与に依存してしまうのが危険だ、との
理由で不動産投資を始めたのに、今度は人生の風向きを不動産投資に
依存するという、合理性に欠けた状況に陥ってしまうんですね。
特に、収益性を重視して資産性(積算評価)に目を瞑った物件を購入
するならば、先々の資産形成戦略上、あまりに属性と不相応な金額を
投資してしまうと、身動きが不自由になります。
選択肢が減ることほど事業活動において怖い状況はありません。
資産性が高い物件、築年数の十分に残ったRCマンションなどであれば
まだ動きようもあるのですが、築古木造や軽量鉄骨の物件といった、
積算評価の出ないものに利回りを求め狙いを定めているならば。
総投資額、融資総額が給与収入や将来的な収入を鑑みて乖離しすぎて
いないかどうか。
重々、検討をして下さい。
不動産投資をする際に、利回りや経費率、返済比率といった『割合』
ばかりを見ていると、このようなところで痛手を被ります。
くれぐれも突っ込みすぎにはご注意を。
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