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日銀の追加緩和の威力、なかなか凄まじいものがありますね。
11月4日、日本株式市場は予想通り大きく窓明けでスタートしました。
為替市場もドル円は月曜日の段階で114円前半をつけ、更に上を目指す
勢いを保ったままです。
僕は今年頭の時点で2014年末は株価18,000円台をつけるだろうと勝手な
予想をしていました。根拠はあまりなく、直感です。自分で根拠がない
ことが分かっていますので、当然株は買っていません。
年の途中、予想より株価の伸びが悪かったので厳しいかなと思っていた
のですが、思わぬ形で達成をしそうです。
注目すべきは今後、です。正直な話、僕は今しばらくは株式投資に手を
出そうとは思っていませんので、株価がどうなろうと構わないんです。
あくまで株価は今後の市場動向を観測するための指標の一つに過ぎない。
流動性の高い金融市場は、市場の変動にもっとも鋭敏に動きます。金融
の動向をしっかりと読めば、不動産市場がどうなるのかを予測する助け
に必ずなる。
金融機関が抱える問題点も踏まえて、個人的見解を書いていきます。
前回:日銀が追加金融緩和に踏み切る。日本経済はどうなるか? 投資家の取るべき行動は?【1】
金利の低さに悩む金融機関
不動産市場が今後どうなるかにおいてもっとも重要となるのが金融機関
の動向です。
ほとんどの場合で、金融機関が融資を出さない限りは不動産取引が成立
しないため、です。
特に個人レベルで取引をしているものの場合はその傾向が強い。
金融機関が不動産に対する融資をどのように考えているかで、これから
不動産価格がどうなるかがはっきりします。
これは以前もどこかで書いたことですね。
そして、まず間違いなく金融機関は、この度の追加緩和の流れを受けて
投資用不動産に対する融資志向を高めるものと思われます。
これまでも随分と積極的に融資をしてくれるところが増えてきています
が、その傾向が更に高まるのは確実でしょう。
根拠を一言で言えば、金融機関は利回りの低下に困っているから、です。
日銀により環境が激変してしまった
銀行や信用金庫の最大の収入源が、貸し出したお金から得られる金利で
あることは言うまでもありません。
しかしバブル崩壊以後、金融機関が強く保守的になってしまいました。
金融庁の目が厳しいのも理由でしょう。
それぞれ金融機関で考えには違いがあるとは思いますが、リスクに対し
非常に敏感になっていることは誰もが知るところ。
これには日銀の姿勢も大きく関与していました。金融緩和はこれまでも
行ってきてはいましたが、あくまで政策金利を抑制する方向でのみ。
それも明確な姿勢を強力に見せるまでには至らず、存在感は極めて薄い
状態が続いていました。
結果、円高が進み、金融機関は「円」を保有する、日本国債を運用する
ことが一番利回りが良くて安全だったんですね。
下手に貴重な円を手放してリスクを背負うよりも、手堅く確実な儲けが
魅力的であった、と。金融機関も民間営利企業ですから、自行の業績が
何よりも大切なのは当たり前です。
しかし現在、日銀が大号令を出し大規模金融緩和を目標に向かって継続
する姿勢を、行動を持ってしてはっきりと示しました。
日銀が、日本における金融の環境を大きく変えていくぞと宣言を出し、
実行を始めたんです。
民間の金融機関の気分はぬくぬくと日本の動物園で生活をしていたのに
いきなり南極に帰りなさいと連れられたペンギンのようでしょう。
放っておけば手持ちの円の価値がどんどん下がっていく。金融の世界で
生きていかざるを得ない金融機関にとっては厳しい環境です。
本来、お金の価値が年々下がるのは当たり前の話ですから、厳しいなど
寝言を言うんじゃないとは思いますが。
今後は、リスクに対する考え方を大きく転換させられる金融機関が活躍
する時代となるでしょう。
果たしてどれ程の数の銀行、信用金庫が生き残れるでしょうか。
リスク排除を長く続けた因果応報で苦しむことに
現在の環境で一番問題となるのは利回りの低さです。
徹底的に安全資産に絞って融資合戦を繰り広げた結果、金融機関同士で
金利合戦が起こってしまっています。
日銀が金融緩和をしつつも金利の上昇を押さえ込む政策を採っている事
が金利合戦を助長しています。そのせいで、貸し出し額当たりの収益が
非常に少なくなってしまっているんですね。
これまで頼みの綱だった国債は、短期ものについてはマイナス金利へと
足を踏み入れました。それでも国債需要が大き過ぎ、十分な利益を得る
ことができるほどに国債を購入できない環境です。
資金を貸し出そうにも金利が低くて儲からない。貸し出し需要も小さい。
円のまま置いていたら価値は目減りする一方。
金融機関は、どのように利益を得ていくべきか、相当頭を悩ましている
ものと思われます。
自分たちが招いた末路でもありますが。リスク排除を続けた結果、融資
を受ける側の企業も個人も借金というリスクを取らなくなってきた。
雨が降っている間に傘を取り上げたら、傘を必要としないような生活が
できるように企業も個人も変わってしまったんです。
一般企業も個人も、しっかりしていて融資リスクの低いところは融資に
頼らずとも何とかやっていける状態です。内部留保を溜め込み続けて、
嵐がやってきても自分だけで生き残れるように。
融資を必要としているところは基準よりリスクが高いところばかり。
担保が足りないとか、新規開業であるとか。
こんな環境で、果たして金融機関はどこに活路を見出すでしょうか?
次回へ続きます。
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